1 その子を胎児である間に認知した場合(これを「胎児認知」といいます。)は,その子は日本国籍を取得することができます。
それは,国籍法2条で,出生の時に父又は母が日本国民であるときは,その子は日本人とする,と定めているからです。
2 生後認知の場合は,国籍法では,日本国籍の取得は認められていませんが,後述の判決では,この国籍法3条が憲法に違反することを理由に,日本国籍の取得が認められています。
すなわち,国籍法3条1項は,
「父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で20歳未満のものは,認知をした父又は母が子の出生の時に日 本国民であつた場合において,その父又は母が現に日本国民であるとき,又はその死亡の時に日本国民であつたときは,法務大臣に届け出ることによつて,日本の国籍を取得することができる。」
と定めています(準正による国籍取得の届出)ので,日本人男性と妻ではない外国人女性との間で子ができた場合,その子が生後認知を受けても,父母が婚姻しない限り,日本国籍を取得することはできません。
ただし,平成17年4月13日東京地裁の判決は(判例時報1890-27),日本人の父親と内縁関係にあるフィリピン人の母親との間に子が生まれ,父親が認知し,日本国籍の取得を求めた事案で,
国籍法3条1項は,婚姻していないで男女間に生まれた子の国籍取得を認めないのは憲法に違反すると判示し,その子の日本国籍の取得を認めています(ただし国は控訴した。)ので(第162回国会法務委員会質問より),今後は,質問のケースで子が日本国籍を取得できるようになる可能性はあります。
3 帰化は可能です。
日本国民でない者を外国人と言いますが,外国人は,帰化によって,日本の国籍を取得することができます。 ただ,帰化をするには法務大臣の許可を得なければなりませんが,日本国民の実子で日本に住所を有するものは,日本での滞在期間は問題にされることなく,帰化を許可することができることになっております。養子の場合は,引き続き1年以上日本に住所を有し,かつ,縁組の時本国法により未成年であつた場合に,帰化を許可することができることになっております。