1 福岡高等裁判所昭和58.3.7判決
条例によれば,教育施設から一定の距離内に旅館を建設しようとする場合は,事前に町長の同意が必要だとされていましたが,それが旅館業法の規定より厳しい内容であったところから,その有効性が争いになった事案で,判決は,
① 地方公共団体が条例により旅館業法より強度の規制をすることを排斥する趣旨までを含んでいると直ちに解することは困難である。
② しかし,旅館業法の規定は職業活動の自由を保障した憲法22条の規定を考慮したものであるから,条例により同法よりも強度の規制を行なうには,それに相応する合理性・必要性が存在し,かつ,規制手段が必要性に比例した相当なものでなければならない(比例の原則)との理由で,その事案での町長の不同意処分は違法であると判示しました。