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1 小田急高架事件−原告適格の拡大

ホーム行政実務レポート 目次<1小田急高架事件−原告適格の拡大

  改正行政事件訴訟法が施行されたのは平成17年4月1日ですが、この行政事件訴訟法の改正により、行政事件訴訟が大きく変わりました。原告適格の拡大もその1つです。

1 原告適格の拡大
  最高裁判所大法廷は、平成17.12.7判決で、小田急高架事業が実施されることにより一定範囲の「騒
 音、振動等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者」に、当該事
 業の認可の取消を求める原告適格を認めました。

2 大法廷への論点回付の意味
  この事件は、大法廷で判断されましたが、それは、原告適格を認めなかった平成11.11.25判決を変更
 する結果になるためです。判例変更は大法廷ですることになっているからです。
  しかし、この事件では、大法廷の判断は、原告適格についてのみです。原告適格の判断のみを大法
 廷に委ねたのです。これを「論点回付」といいます。大法廷では、全員一致で原告適格を認めておりま
 す。

3 その余の判断
  原告適格以外の内容については、第一小法廷で審理され、平成18.11.2判決で、本件「都市計画決定
 は、環境の保全について適切な配慮をし・・公害防止計画にも適合・・・鉄道騒音に対して十分な考
 慮・・裁量権の範囲を逸脱又はこれを濫用したものとして違法となるとはいえない」と判示して、住民側を
 敗訴させています。「裁量の壁」を感じる内容です。

4 原告適格の根拠
  原告適格の根拠は、行政事件訴訟法9条1項です。
  9条1項は、「法律上の利益を有する者」に限り、行政処分の取消などの訴えを起こすことが出来る、と
 しているのです。
  従前は、この「法律上の利益」が狭く解釈されていたのですが、改正行政事件訴訟法は9条2項を設
 け、解釈に幅を持たせることにしました。
  9条2項は、法律上の利益の有無を判断するに当たっては、・・@「根拠となる法令の規定の文言」、・・
 A「当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考
 慮」、・・B「当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌」・・「根拠と
 なる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様
 及び程度をも勘案するものとする。」と定めているのです。
  この最高裁判所判決は、理由中、
 「行政事件訴訟法9条・・1項にいう当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうのであり,当該処分を定めた行政法規が,不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には,このような利益もここにいう法律上保護された利益に当たり,当該処分によりこれを侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者は,当該処分の取消訴訟における原告適格を有するものというべきである。そして,処分の相手方以外の者について上記の法律上保護された利益の有無を判断するに当たっては,当該処分の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく,当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮し,この場合において,当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては,当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌し,当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案すべきものである(同条2項参照)。」
と一般論を述べた後、当該事件について、都市計画法の趣旨、基本理念から考察を初め、「公害防止計画が定められているときは都市計画がこれに適合したものでなければならない」こと、公害対策基本法は「騒音,振動等によって人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることを公害と定義」し、「関係都道府県知事にその策定を指示し,これを受けた関係都道府県知事が公害防止計画を作成」し、東京都もその条例を制定していること、したがって,「都市計画事業の事業地の周辺に居住する住民のうち当該事業が実施されることにより騒音,振動等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は,当該事業の認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として,その取消訴訟における原告適格を有する」と結論づけているのです。

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