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5−2 給水条例事件 条例が抗告訴訟の対象にはならない、とされた例

ホーム行政実務レポート 目次<5−2 給水条例事件 条例が抗告訴訟の対象にはならない、とされた例

  最高裁判所平成18.7.14判決の事件です。
  これは別荘に住む住民に供給する水道料金を、それ以外の住民に供給する水道料金より高く設定した条例が、抗告訴訟の対象になるかが争点になった事件です。
  一審の甲府地方裁判所は、水道料金は、自然的・社会的状況等の特殊事情に応じて、政策的に用途別に適宜組み合わせて決めることは、合理性を逸脱しない範囲では許される。別荘使用は多分に非必需的要素を含んでいると評価しうるから、必ずしも同じ口径を使用する別荘と一般住民との均衡を図る必要はない。したがって、水道事業者が政策的に別荘の水道料金を一般住民に比べ高額に設定しても、それが合理的な範囲に止まる限りは不当な差別には当たらない。として、別荘住人(住民基本台帳に登録していない者)からの請求を棄却しました。
  二審の東京高裁は、別荘を有する者に対してのみ高額の基本料金を課していることは憲法14条1項等に違反する。別荘の基本料金を、同じ口径を使用する別荘以外の一般住民の料金と比較して高額に設定していることは不当な差別に当たる。として、給水条例のうち、別荘の基本料金について規定した部分が無効であることを確認する、等の判決を出しました。
  最高裁判所は、平成18.7.14判決で、本件改正条例は、町が営む簡易水道事業の水道料金を一般的に改定するものであって、そもそも限られた特定の者に対してのみ適用されるものではなく、本件改正条例の制定行為をもって行政庁が法の執行として行う処分と実質的に同視することはできないから、抗告訴訟の対象となる行政処分には当らないとし、東京高裁がした前記条例の一部の無効確認請求に関する部分を破棄し、別荘住人の訴えを却下しました。

参照:水道法14条1項
  水道事業者は、料金、給水装置工事の費用の負担区分その他の供給条件について、供給規程を定めなければならない。
二 前項の供給規程は、次の各号に掲げる要件に適合するものでなければならない。
一〜三略
四 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。

地方公営企業法21条
  地方公共団体は、地方公営企業の給付について料金を徴収することができる。
二 前項の料金は、公正妥当なものでなければならず、かつ、能率的な経営の下における適正な原価を基礎とし、地方公営企業の健全な運営を確保することができるものでなければならない。

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