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夫婦 婚姻費用

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<夫婦 婚姻費用


1 相手方が協議離婚に応じてくれない場合、どのような理由があれば離婚できるのですか。
 民法770条1項に定められた次の離婚原因がある場合です。    
1号 配偶者に不貞な行為があったとき。    
2号 配偶者から悪意で遺棄されたとき。    
3号 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。    
4号 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。    
5号 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

2-1 1号の離婚原因でいう、不貞行為とは何ですか。
2-2 また、不貞行為が証明できないと離婚できませんか。
2-3 逆に、不貞行為があったら絶対に離婚できますか。

 2-1  不貞行為とは、配偶者のある者が、相手方配偶者以外の異性との間で性行為を結ぶことです。
 ただ、これは相手方配偶者の自由な意思による性行為ですから、妻が強姦されたような場合は不貞行為とは言えません。
 逆に夫が強姦した場合は不貞行為になります。
2-2  不貞行為が証明できない場合は、1号では離婚の請求は認められません。
 しかし、妻が夫の異性との交際に疑惑を抱いているのに、夫がその疑惑を解き信頼を回復するような誠意を尽くさなかった事案で、東京高裁昭和47.11.30判決は離婚原因5号の「婚姻を継続しがたい重大な事由」により離婚請求を認めました。
2-3  古い判例ですが、夫が不貞行為をした場合でも、それが離婚原因と認めなかった判例があります。
 名古屋地裁昭和26.6.27判決の例は、夫が2ヶ月間他の女性と性的関係を結んでいたケースで、期間が短いこと、夫の一時の気の迷いによる不貞であるので、不貞だけでは離婚は認められない、と判示したものです。
 ただ、この判例は、夫が妻子の生活を顧みない等により5号の「婚姻を継続することができない重大な事由」があるとして離婚を認めました。
 また、東京地裁昭和30.5.6判決は、夫の不貞行為を認めましたが、経済的理由で、妻にとって夫との生活を続ける方がより幸福であるとして、離婚を認めませんでした。
 この判決など、離婚を求める妻の意思に反して、離婚しない方が妻の幸福のためだというのですから、なにかが変ですね。
 今日ではこのような判決は出ないと思います。


3 相手方配偶者から悪意で遺棄されたとは、どういうことですか。
 民法752条は、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」と規定しています。
 「遺棄」とは、この義務を履行しない、「悪意」とは道義的に非難される意思や方法を言いますので、正当な理由無く同居を拒否したり、扶助しない場合がこれにあたります。
  行く先も告げず家を出て行った場合、敢えて夫婦としての共同生活を放棄したと認定され、悪意の遺棄として離婚原因とされた判例(浦和地裁昭和60.11.29判決)があります。
 夫婦が外形状同居していても、意図的な性交拒否、意図的な無視、生活費を渡さない等は、悪意の遺棄とされる場合があります。
 悪意の遺棄とされない別居の例として、配偶者の暴力・虐待・不貞などの有責行為によりやむを得ずしている場合等があり、これらの別居は、正当な理由によるとされますので、離婚原因にはなりません。
 最高裁昭和39.9.17判決は、婚姻関係を破綻させた妻のもとから家を出た夫に対する離婚請求で、悪意の遺棄にはならないと判示しました。

4 離婚原因4号の「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」はどの程度を言うのですか。
 「強度」とは、婚姻の本質的義務である、同居協力義務が履行できない程のものであり、「回復の御子見込みがないとき」は不治であるという意味です。  
 実際の裁判例では、4号の離婚原因だけで、離婚判決が出されることは少ない、と言われています。
 東京地裁昭和59.2.24判決は、「強度の精神病」とは、民法752条にいう夫婦相互の協力扶助の義務を果すことができない程度の精神障害に達している場合をいうものと解すべきだとして、通院治療を受けながら単身生活を送つているものであつて単純な事務処理は可能であり、また、医師、ケースワーカー、家族等の庇護の下においては社会生活を送ることができる中等度の欠陥治癒の状態にある場合には、いまだ「強度の精神病」に該当するものとはいえない、と判示しています。
 多くの判例は4号単独では離婚を認めず、他の原因も併せて、5号の「婚姻を継続することができない重大な事由」を認定して離婚を認める例が多いとされています。

5 配偶者が強度の認知症になった場合は離婚できますか。
 認知症の程度によりますが、長野地裁平成2.9.17判決は、妻がアルツハイマー病に罹患し、長期間にわたり夫婦間の協力義務を全く果せないでいることなどによつて破綻していること、妻が特別養護老人ホームに入所していること、離婚後の入所措置費用は全額公費負担となること、夫が再婚を希望していることの事実を認定して、離婚原因5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」により離婚を認めました。
 ただ、このケースも4号での離婚は認めませんでした。


6 直接的な暴力ではない、言葉の暴力は離婚原因になりますか。
 DV法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)第1条は、「配偶者からの暴力」を、身体に対する暴力だけでなく、「これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」を含むものとしていますので、言葉の暴力も暴力になります。
 暴力はしばしば第5号の「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」とされています。


7 離婚原因第5号の「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」とは何ですか
 夫婦の実体が完全に破綻していると思われる事情を言います。

8 一方の不貞行為で夫婦関係が完全に破綻した場合でも、 不貞行為をした者から離婚請求ができますか。
一定の要件があれば離婚が認められます。
  かつては有責配偶者からの離婚請求は認められないものとされていましたが、昭和62年6月2日最高裁判所大法廷の判決で、有責配偶者からされた離婚請求であっても、
@夫婦がその年齢および同居期間と対比して相当の長期間別居し、
Aその間に未成熟子がいない場合には、
B相手方配偶者が離婚によって精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情のない限り、 離婚を認める旨の判決を出しています。
 このケースは、別居期間が36年におよぶケースでしたが、その後昭和63年12月8日最高裁判所は、原審の口頭弁論の終結時まで約10年3ヶ月間別居している夫婦についても有責配偶者からの離婚請求を認めております。
 しかし、平成元年3月28日の最高裁判所判決は、原審の口頭弁論終結時まで8年あまり別居している夫婦について、別居期間が相当の長期間に及んでいるものとはいえないとして、離婚の請求を棄却しております。
 岡山地方裁判所平成12年3月21日判決は、有責配偶者である妻から夫に対する離婚の請求につき、夫婦関係の破綻を認めたものの、原被告間の子供が9歳と7歳の未成熟子であること、別居の期間は4年7ヶ月に過ぎないこと、この間夫婦関係のやり直しの努力をしてきた期間が1年4ヶ月あったこと、夫も妻も30代の若さであり、同居の期間が8年2ヶ月であったこと等を理由に、本件では有責配偶者からの離婚請求は認められないと判示しました。この判決は控訴審でも維持され、確定しております。

9 いわゆる性格の不一致から婚姻継続の意思がなくなった場合、他にどのようか要件があれば離婚が認められますか。
 判例で見ますと、妻の夫に対する不信感が極めて強く、夫の日常の生活態度、ひいては人物そのものが理解できないという心境になり、婚姻生活を継続する意思がなくなり、別居が4年あまりになったケースで、妻の強い離婚意思と別居とにより夫婦関係は破綻をきたしたとして離婚を認めた昭和57年11月25日東京高裁判決や、見合いで結婚した2ヶ月後くらいから夫に失望を感じ始め、4ヶ月目頃からはセックスも拒否し始め、11ヶ月目以降6年数ヶ月に渡って別居したケースで、性格の不一致からくる妻の強い離婚意思と6年数ヶ月に渡る別居によって、夫婦関係が破綻したとして離婚を認めた昭和59年7月30日横浜地裁判決の例が参考になるでしょう。

10 妻が宗教に入って、小学生の子供を連れて夜の集会に出席したり、ときには学校を休ませて布教活動をしているため、夫婦げんかが絶えません。子供の教育上も悪いので離婚したいのですが、できますか。
 宗教活動の程度によります。判例では、妻が家庭生活を犠牲にするほどのめり込み、夫が妻の信仰の対象を嫌悪している事案では離婚を認めたケースがあり、一方、妻の宗教活動のために夫婦関係に亀裂が生じているが、夫に妻の宗教活動を理解する寛容さを求め、夫婦の努力によって婚姻関係を修復する余地があるとして離婚を認めなかった判例もあります。
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