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夫婦 慰謝料

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<夫婦 慰謝料



1 慰謝料とは何ですか。
 慰謝料は離婚原因たる個別的な有責行為による精神的損害に対する損害賠償請求権と、離婚そのものによる配偶者たる地位の喪失という精神的損害に対する損害賠償請求権に分けられますが、実務的には相手方の有責行為により離婚に至らしめたという経過を一個の不法行為として捉え、一体の損害賠償請求権であるとされています。

2 慰謝料額はいくらくらいが相場ですか。
 平成12年現在、慰謝料の額は100万から1500万円と相当な幅があります。
 平均値は400万円を超えていますが、300万円が一般的な金額といえると思います。
 婚姻期間が長いほど慰謝料の金額が高くなっています。
 慰謝料は無論相手方に有責性がない場合は認められないのは当然です。

3 夫婦間で離婚訴訟が生じた場合、同居している家屋の所有者は、相手方配偶者に対し、所有権に基づき、家屋明渡請求ができるか。
 場合を分ける必要があります。
(1) 夫婦関係が破綻していない場合は、
@使用貸借契約上の権利、または、
A夫婦の同居協力義務に対応する権利に基づいて、明渡を拒否することができる、と解されています。
(2) 夫婦関係が破綻している場合
 最高裁昭和35年11月10日判決は、内縁の夫が、内縁の妻の承諾を得て、内縁の妻が所有する土地上に家屋を建てている場合において、内縁関係が解消した事案で、内縁の夫が内縁の妻の所有地を使用する権利は、「特段の事情のない限り、内縁関係の存続する間だけに限られ、その関係の解消とともに消滅する。」と判示していますが、徳島地裁昭和62年6月23日判決は、「夫婦の一方が所有権に基づいて所有権のない他の一方に対して明渡を求める場合、右明渡を求める住居がそれまでの夫婦共同生活の本拠であつたときは、・・・婚姻が実質的に破綻しているというだけでは直ちに明渡を求める理由となしえ」ず、その場合は「明渡請求を正当とすべき特段の事情」が必要になる、と判事しています。
 そして、この事案では、
@夫の妻に対する離婚意思の放棄をせまるための暴力、原告がこの家屋でしている洋装店での顧客への嫌がらせ、従業員への強迫や嫌がらせ等があること等を根拠に、明渡請求を正当等する特段の事情があると判示しています。
 配偶者をそのまま使用させることによる受忍限度を超える被害があることが要件になる、ということでしょうか。

4 離婚後300日問題とは何ですか。
 夫婦が離婚した後300日以内に産まれた子は前夫の子と推定されますので、真の父との親子関係がすぐに戸籍に届出られないという問題です。
1,問題   まず民法の条文を見ていただきます。
  • 民法772条1項「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。」
  • 2項「・・・婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したもの と推定する。」
 この条文により、離婚後300日以内に生まれた子は、離婚前の夫の子と推定されますので、子の出生届出をする場合、子の父が前夫であると戸籍に記載されることになります。
 しかしながら、離婚後300日以内に生まれた子であっても、前夫の子でない場合もあり、その場合は、真の父を父として届出る必要が生じますが、実際には、それができないケースもあります。

2,戸籍の届出実務
 平成19年5月7日付の法務省民事局長通達により、同年5月21日以降の出生届出では、婚姻の解消または取消し後300日以内に生まれた子でも、離婚後の妊娠であるという医師の証明書を添付している場合は、前夫の子ではなく、実の父の子として届出ることが認めらます。
 しかしながら、この通達でも、離婚後の妊娠でない場合や医者による離婚後の妊娠の証明がない場合は、子の出生届出は、前夫を父親としなければ受理されないことになります。

3,裁判
 子の父親を前夫ではなく、真の父親として届出や届出の訂正をしようとすれば、
(1) 原則として、夫または前夫が嫡出否認の訴えを提起する方法によります(民法775条)。
 この場合は、夫、または前夫からしか起こせません。
 しかも、子の出生を知ったときから1年以内に提起しなければなりません。
 夫がまたは前夫がこの訴訟を起こさない場合、子は血のつながりのない男を父として戸籍の届出がなされ、訂正されないという悲劇が起こります。
 なお、嫡出否認は、訴訟ではなく、夫婦が合意できる場合は、夫または前夫から調停を申立て、夫婦間で子が夫又は前夫の子ではないことを合意し、審判によって、嫡出否認の審判をしてもらう方法でも可能です(家事審判法23条)。
(2) 例外の1として、前夫または子(法廷代理人である母)から親子関係不存在確認の訴えを提起する方法があります(人事訴訟法2条2号。12条)。
 これは、子からも1年という期間の制約なく起こせる点でメリットが大きいものがありあますが、この訴訟を起こせるのは「夫が海外赴任、刑務所入所等、妻が夫の子を懐胎することが客観的に不可能と見られるときに妊娠した場合、つまり、妻の産んだ子が夫の子(嫡出子)とは推定されない状況下にある場合の妊娠の子」でなければなりませんので、夫婦が同居している時期に、妻が妊娠した場合は、この訴訟は起こせません。
(3) 例外の2として、子が出生しても、出生届出をしないで、母が子を代理して真の父に対して認知請求訴訟を提起する方法があります。
 ただし、この方法が取れるのは、法律上の正式な離婚の日から300日以内に生まれた子ではあるが、事実上の離婚から300日以上経過していたことを証明する書類を提出し、妻が前夫の子を妊娠する可能性のないことが“客観的に明白である”ことを証明できることが前提になります。

4,問題点
 妻が夫の子どもを妊娠する可能性がないことが客観的に明白であることの証明ができない場合、子から夫または前夫が父でないことを争うことや、真の父との間に親子関係があることを認めてもらう方法がないことです。

5,課題
 DNA鑑定等の医学的な証明手段のある現在、もっと簡便な方法で、真の父を父として届出ることのできる法制度が望まれています。
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