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高齢者問題と成年後見制度 【一般取引における高齢者を保護する法理論】

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<高齢者問題と成年後見制度 【一般取引における高齢者を保護する法理論】



一般取引における高齢者を保護する法理論

1 痴呆性の高齢者が、不利な契約を結んだ場合、高齢者というだけで救済されるものですか。 2 後見開始などで保護されていない痴呆性の高齢者が不利な契約を結んだ場合、法的に保護されるために、どのような工夫がなされていますか。 3 意思能力欠如の理論の具体的な事例がありますか。 4 禁治産宣告ではなく、準禁治産宣告を受けた人が、準禁治産宣告を受ける前にした契約が無効になるという判断をした裁判例もありますか。 5 高齢者が売買契約や贈与契約の無効を主張して争う場合の立証責任は、高齢者の側にあるのですか、それとも、相手方の方が、高齢者は意志能力を有していたと立証しなければならないのですか。 6 公序良俗違反の理論の具体的な事例がありますか。 7 売買契約や贈与契約が「意思能力の欠如」によって無効になるとされる高齢者は、例えば、自動販売機でジュースを買っても、お孫さんに小遣いを与えても、無効ということになるのですか。
1 痴呆性の高齢者が、不利な契約を結んだ場合、高齢者というだけで救済されるものですか。

 前述の成年後見の制度で救済される他は、高齢者であるというだけでは、契約を取り消したり、無効にすることはできません。



2 後見開始などで保護されていない痴呆性の高齢者が不利な契約を結んだ場合、法的に保護されるために、どのような工夫がなされていますか。

 痴呆性の高齢者が不利な契約を結んだ場合、その契約当時、痴呆性高齢者には、意思能力はなかったので、契約は無効であるという「意思能力欠如の理論」や、痴呆性の高齢者にとってその契約の内容が極めて不利であるため高齢者にその契約の履行を求めることは公序良俗に反し契約は無効であるという「公序良俗違反の理論」などを用いて、痴呆性の高齢者を、不利な契約から解放する努力が、裁判でなされております。


3 意思能力欠如の理論の具体的な事例がありますか。

 そうです。
 東京地裁平成4.2.27判決の事例を紹介します。   この事案は、老人性健忘症で治療を受けている高齢者が、父の遺産を換金して得た6136万円という大金を従兄弟に贈与するという契約を結んだ事案ですが、その高齢者が贈与契約の1年半後に禁治産宣告を受けたという事情があり、判決は、高齢者が禁治産を受けた者であること、精神鑑定の結果、贈与契約を結んだときと禁治産宣告を受けたときとを比較しても精神の働き、痴呆の程度では顕著な違いがないこと等から、高齢者には、贈与契約当時、自己の行為の結果を弁識するに足りるだけの精神能力を有しておらず、意思能力を欠いていたと推認することができ、したがって贈与契約は無効であるとして、高齢者を救済したものです。



4 禁治産宣告ではなく、準禁治産宣告を受けた人が、準禁治産宣告を受ける前にした契約が無効になるという判断をした裁判例もありますか。

 高齢者についてではありませんが、東京高裁昭和48.5.8判決の事案を紹介します。この事案は、IQが42,精神年齢が6才8ヶ月しかない人が、親族に勧められて、不動産を売買した事案ですが、売買契約の後その人は準禁治産宣告を受けたのですが、判決は、その人の能力から考えて、不動産の売買契約を結ぶについては、法律上の意思能力を備えていなかった、として売買契約を無効であると判断しております。 5 高齢者が売買契約や贈与契約の無効を主張して争う場合の立証責任は、高齢者の側にあるのですか、それとも、相手方の方が、高齢者は意志能力を有していたと立証しなければならないのですか。

  立証責任は高齢者側にあります。
6 公序良俗違反の理論の具体的な事例がありますか。

東京地裁平成5.8.30判決(判時1502−122)を紹介します。この事案は、88才の高齢者が、時価1億3000万円の不動産(借地権つき建物)を2000万円で売った事案で、高齢者が地主に対し借地権譲渡の承諾料を支払うことを考えると、手元にはわずか150万円程度しか残らない結果になるものですが、このような売買契約は公序良俗に違反し無効になると判断したものです。 7 売買契約や贈与契約が「意思能力の欠如」によって無効になるとされる高齢者は、例えば、自動販売機でジュースを買っても、お孫さんに小遣いを与えても、無効ということになるのですか。
 そのような、定型的、日常的な取引まで無効になるとは考えられていません。結局のところ、意思能力の有無は、単純に高齢者の判断能力の程度を見て判断するのではなく、問題になった取引の内容、種類、性質、取引の動機、その結果としての高齢者の実害の程度などが総合的に考慮されて判断されるのです。





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