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遺言10

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<【遺言】10 遺言の検認はどこの裁判所がするのですか。



遺言の検認はどこの裁判所がするのですか。

1 自筆証書遺言の書き方とよく使用する遺言事項 2 遺言事項と文例 3 その他の遺言文例 4 遺言事項 −胎児の認知 5 遺言能力 6 遺言の特徴 7 遺言の日付(1) 8 遺言の日付(2) 9 遺言の種類と特徴 10 遺言の検認はどこの裁判所がするのですか。 11 遺言書作成の方式を教えて下さい 12 「相続させる」と書いた遺言の解釈と遺言執行の要否 13 事件現場から −納得できない遺言


11 遺言の検認はどこの裁判所がするのですか。
 遺言は、人の最終の意思に、死後法的効果を認め、それを実現させる制度ということができますが、遺言は民法の定める次のような方式に従わないと効果を生じません。
 ここでは、普通方式の遺言である次の三方式についてのみ説明します。

一、自筆証書遺言
   この遺言は、
  • @ 遺言者が遺言の全文を自書し、
  • A 日付も自暑し、
  • B 氏名を自署し、
  • C 押印する
ことで完成します。この方式に違反すると無効です。

 (1) 自署しなければなリませんので、他人に書いてもらったり、タイプライター等では無効です。
 遺言書が数葉にわたる場含でも、編綴して契印することは必要ありません。
 全体として一通の遺言書であることが外形的に確認できれば、糊継ぎしただけで契印がなくとも有効です(最判36.6.22)。
 契印もなく綴じ合わせもない場合も有効です(最判37.5.29)。

 (2) 日付は遺言書作成の日が確定できれば十分ですので、「私の還暦の日」とか「50歳の誕生日」という書き方は有効です。
 しかし、何年何月吉日というのは、吉日では特定できませんので、無効です。

 (3) 氏名はペンネーム、通称その他遺言者本人の同一性が認識されるならば戸籍上の氏名でなくとも有効です。

 (4) 押印は、実印でなくとも、認印、拇印でも有効です。
 花押でも有効と解されております。
 遺言書自体に押印がない場合でも、遺言書を封入した封筒に記載されている氏名の下に押印があれば、封筒が遺言書の一部とみられ有効とされます。
 日付についても同様です。


二、秘密証書遺言
   この遺言は、
  • @ 遺言者が遣言を書いた書面(証書)に署名し、かつ押印し、
  • A この書面を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印し、
  • B 公証人1人および証人2人以上の前に封書を提出して、それが自己の遺言書である旨と遺言本文の作成者の住所氏名を申述し、
  • C 公証人がその証書を提出した日付および遺言者の申述を記載した後、遺言者および証人とともにこれに署名し、押印すること
で、完成いたします。 
 この方式に違反すると、秘密証書は無効ですが、遺言書が自筆証書遺言の方式を具えているときは、自筆証書遺言とみられますので、遺言は有効になります。
 (1) 秘密証書遺言書(証書)は自筆証書でもよいし、他人が代筆したりタイプライターを用いてもかまいませんが、署名押印は遺言者自身でしなければなりません。
 日付がなくとも、公証人が封紙に記載する日付をもって確定日付としますので、有効です。


三、公正証書遺言
   この遺言は、
  • @ 証人2人以上の立会のもとで、
  • A 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、
  • B 公証人が遺言者の口授を筆記してこれを遺言者と証人に読み聞かせ、
  • C 遺言者と証人が筆記の正確なことを承認したうえで、各自暑名押印し、
  • D 公証人が、その証書は@からCに記載した方式に従って作ったものである旨を付記してこれに署名押印する
ことで完成いたします。
 この方式に違反すると遺言は無効です。
  (1)の証人が後述の証人欠格者であるときは遺言は無効になります。
  (2)の口授は口述のことです。
 言語が明瞭でないため、公証人の質間に対してうなずいたり、首を左右に振ったにすぎない程度の場合は口述とはいえません(最判51.1.16)。
 遺言者が公証人に聞き取り難い微弱な応答をしただけであるのに、近親者がその意味を公証人に伝え、これに基づき遺言書が作成されたときは、口授を欠くとして無効になります(大判昭13.9.28)。
  ただし、公証人が遺言者の作成した原稿によってあらかじめ書面を作成し、遺言者が公証人に対する口授は単に書面のとおりと述べただけでも、公証人が遺言者と証人に書面を読みきかせてお れば、適式な口授があったとされています(大判昭9.7.10)。
 口述のできない人は、この方式の遺言はできません。
 (4)の遣言者と証人の署名は自署を要しますが、遺言者が無筆、盲目、身体障害、疾病等で字が書けない場合は、公証人がその事由を付記して署名に代えることができます。
 このような遺言者本人の署名の特免措置は、前の二方式では認められません。
この方式の遺言は、必ずしも公証役場でなくても、公証人に出張を求めて病院等で作成することもできます。


四、遺言書作成上の他の注意事項
  (1) 証人適格について
    秘密証書遺言や公正証書遺言、それに特別方式の遺言にも、証人の立会いが要求されていますが、次の人は証人になる資格はありません(法律上の欠格者)。
  • イ 未成年者
  • ロ 禁治産者、準禁治産者
  • ハ 推定相続人、受遺者及びその配偶者並びに直系血族
      推定相続人というのは、遺言者が死亡すると相続人になる人のことです。
     配偶者は推定相続人の配偶者も合まれます(最判47.5.25)。
  • ニ 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び雇人
 
次の人は、事実上の欠格者として、証人資格はないとされています。
  • イ 禁治産者、準禁治産者の宣告を受けていない心神喪失者、心神耗弱者、聾者
    (ただし、これらの用語は現在使われていません。)
  • ロ 言語や文字を理解する能力のない者や盲人
  • ハ 唖者
     配偶者は推定相続人の配偶者も合まれます(最判47.5.25)。
  • 二 無筆者
  • ホ 法定代理人(親権者、後見人)
  • へ 保佐人
  • ト 遺言執行者、但し判例は利害関係を有するものでなければ、証人になりうるとしています(大判大7.3.15)。
    
  (2) 共同遺言の禁止
     二人以上の者が、同一の証書で遺言すること(共同遺言)は、無効です。
  (3) 遺言の訂正
     自筆証書遺言と秘密証書遺言(それに特別方式遺言)を作成したあと、文章を訂正する場合がありますが、これは次のような厳格な方式を守らないと、無効になります。
  〈文例〉
              遺 言 書

  遺言者である私は、この遺言書により次の通り遺言する。
 一、遺言者甲山乙助はその所有にかかる次の不動産を妻丙子に相続させる。
    一 岡山市南方壱丁目○番○号
       宅 地    参参○平方メートル
    二 同所同番地所在   (家屋番号同所○番)
      木造瓦葺平家建居宅一棟
             参参平方メートル
    △△電力
      印
 二、○○銀行株式会社の株式はすべて、長女花子に相続させる。
 三、その余の財産はすべて長男一郎に相続させる。
       昭和60年1月1日
          遺言者  甲 山 乙 助  印
        付 記
    この遺言書10行目中「○○銀行」とあるのを「△△電力」と訂正した。
               甲 山 乙 助

 加除変更の方法は、
(1)その場所を指示し、
(2)これを変更した旨を付記し、
(3)特にこれに署名し、
(4)その変更場所に印を押すこと
が必要です。
 以上の方式に違反した加除変更は無効ですが、不適式な日付の変更の結果抹消部分が判読できないと、遺言全部が無劾になります。
 加除変更が僅少部分に止まり不随的補足的地位を占めるにすぎず、その部分を除外しても遺言の主要な趣旨が表現されていれば、遺言の効力に影響はありません。


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