本文へスキップ

岡山で弁護士をおさがしなら菊池綜合法律事務所へ

TEL.086−231−3535
(受付時間 平日9:00〜17:00、土曜9:00〜12:00)

企業のための契約書問題

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<企業のための契約書問題


1 契約の目的
  契約書は何のために作るのですか。

1は、契約当事者間の法律関係を明確にすること、
2は、最上の証拠を作ることです。

ですから、契約書には、取引の目的規定を置くべきです。そうすれば、契約内容に疑義が生じたときの解釈の基準になります。
例:乙は、いずれ甲の商品の独占的販売代理店になることを期待して、本契約を締結するものである。

また、今まさに締結しようとしている契約書が、
  • 新規契約か?既存の契約のある当事者同士の契約か?
  • 基本契約か?個別契約か?
  • 基本契約の2本目か?1本目との違いは?
  • 個別契約の2本目か?どの基本契約によるものか?
  • 複数ある契約関係の場合の優先順位を明確にする。
例:契約書1は、本契約の成立により終了させる。
例:契約者間に矛盾があるときは、契約書2を優先させる。

2 注意点   契約書だけで当事者間の法律関係は明確になるのですか。

 簡単な契約書では明確にならない場合があります。法律関係を明確にするためには、最終的な契約書が作成される前の契約交渉の過程においても、議事録、予備的合意書などの当事者や担当者の署名入りの文書をこまめに作成しておくべきです。


3 完全合意条件
 それでは契約書ができた後で、これらの交渉過程での書類と矛盾する場合もあると思いますが、その対策はありますか。

 契約書が作成されるとき、完全合意条項を定めておくとよいでしょう。
 完全合意条項とは、当事者間で成立した合意条項は全て契約書に書かれており、外には存在しない、言い換えれば、契約書締結以前の交渉過程で成立した合意や了解事項もすべて効力はないという合意条項です。これは、証拠契約(契約当事者間における証拠方法の提出や、判決の基礎となる事実の確定方法に関する合意)でもあります。
 英米の契約書が長大になる理由もここにあります。
 1通の契約書の内容が契約のすべてであるということになれば、詳細な内容にするだけでなく、あらゆるトラブルの発生を想定して、その予防をも書いておく必要性があり、万一契約書の意味や解釈について争いが生ずる場合も考えて、契約締結に至る過程も詳細に書いておいた方がよいでしょう。


4 話し合いの内容は契約になるのか。
 契約の締結に向けて努力をしたが、結局契約の締結に至らなかったケースで、時に相手方から契約交渉の過程で出た話を捉えて、それが契約の内容になっているという言い分がでることはあると思いますが、このような場合は契約になっていると言えるのですか。

 ケースバイケースです。

5 話し合いの内容は契約にならないことの確認
 それでは、法的安定性がなくなりますので、契約交渉の過程での話にはなんの効力もないということをあらかじめ明らかにしておく必要性はあるのではないですか。


 そのとおりです。そのためには、あらかじめ書面で最終的な合意ができない場合は、交渉過程ででた話には何の法的効果がないという確認書を作成しておくか、仮に交渉過程で確認事項を書面にする必要が生じた場合でも、「本確認書は、懸案の・事業交渉を誠実に推進していくという両当事者の意図を表明したものであって、何ら法的拘束力はなく、いずれの当事者も法的義務を負うものではない。」など法的拘束力を排除する文言を入れておくとよいでしょう。


6 契約締結上の過失
 それでは、真面目に契約交渉をしたのに、相手方が不誠実であって契約が成立しなかった場合にも、何も文句をいえないことになり不都合なことになると思いますが。

 労働基準法115条は、「この法律の規定による賃金(退職手当を除く)、災害補償その他の請求権は2年間、この法律の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、時効によって消滅する」と規定していますので、給与は2年間、退職金は5年間が消滅時効期間になります。
 なお、労働債権と請負債権とを混同しないように。
 民法173条2号では、居職人及び製造人の仕事に関する債権は2年で消滅すると規定していますので、修理工場を設けて自動車修理業を営む人の自動車修理料債権も2年で消滅するのかと疑問に思う人がいるかもしれませんが、近代工業的な機械設備を備えた製造業者のごときは民法173条2号にいう「製造人」にはあたりません。(最判昭44.10.7 民集23巻10号1753頁)
 この人は請負債権者ですから、時効期間は3年です。(民法170条2号)
 なお、労働基準法でいう労働者ではありませんが、生徒及び習業者の教育、衣食及び止宿の代料に関する校主、塾主、教師及び師匠の債権は2年(民法173条3号)です。
 また、月またはこれより短い時期を定めた雇主の給料は1年(民法174条1号)、労力者・芸人の賃金も1年です。(民法174条2号)
 なお、民法174条2号にいう「労力者」とは、使用者と従属関係に立たず、かつ主として肉体的労力を提供する者を意味する人のことです。(最判昭36.3.28 民集15巻3号617頁)


7 不正確な情報での契約責任
 契約の締結のための交渉は誠実にしなければならないということは分かりましたが、交渉中の情報が不正確であったことが契約の締結後に分かった場合でも、損害賠償の請求はできますか。

 当然できます。フランチャイズ契約に関する判例を紹介します。
 フランチャイズ契約とは、フランチャイズチェーンの本部の機能を有する事業者(フランチャイザー)が、他の事業者(フランチャイジー)との間で契約を結び、自己の商標、サービスマーク、トレードネーム、その他の営業の象徴となる標識や経営ノウハウを用いて同一のイメージの下に一定の地域内で、商品の販売その他の事業を行う権利を当たる一方で、フランチャイジーはその見返りとして一定の対価(ロイヤリティー)を支払い、事業に必要な資金を投下してフランチャイザーの指導、援助の下に事業を行う、継続的契約関係をいう(京都地裁平成3年10月1日判決 判タ774号207頁)のですが、このフランチャイズ契約では、フランチャイザーは店舗経営、市場動向についての知識や経験が豊富にあり、フランチャイジーはそれらに乏しいという現実があります。
 そこで、フランチャイズ契約を結ぶ前には必ず、店舗経営に関し蓄積したノウハウと専門知識を有するフランチャイザーが事前に市場調査を行い、フランチャイジーが出店した後の売上予測やそれに基づけ経営計画などの情報を提供しますが、これらの情報が不適切であったり、必要な調査事項が漏れていたりする場合に、フランチャイジーが損害を被る場合があり、このような場合はフランチャイザーに損害賠償の義務が認められています(京都地裁平成3年10月1日判 判タ774号208頁 名古屋地裁平成13年5月18日判 判時1774号108頁 大阪地裁平成14年3月28日判 判タ1126号167頁)。



8 損害の内容
 先程の契約締結上の過失がある場合に認められる損害として、契約が成立した場合に予測される儲けまで請求できますか。

 いいえ。実費などの積極的損害しか認められません。これを信頼利益といいます。契約が有効に成立し、それが履行されれば当事者が得ることができたであろう利益である履行利益までは賠償の対象とされないのです。


9 契約交渉を開始する前の契約
 契約交渉を始めると、企業の秘密情報が相手方に漏れますが、その対策はありますか。

 重要な契約の交渉は、まず秘密保持契約の締結から始めるべきです。
 例えば、特許権のライセンスを受ける契約について言えば、ライセンスを受けてもそれを使いこなすための技術情報を知らなければ特許を有効に活用することができないため、契約締結前にこのような技術情報の事前開示が必要となります。
 また、技術情報だけでなく、販売マニュアル、顧客リスト、その他営業秘密(トレードシークレット)を含むノウハウの開示も必要になりまが、ノウハウ等を開示する側としては、たとえ一部であるとはいえ、一度開示すると秘密性が失われ経済的価値が著しく劣化してしまいますので、重要な契約交渉は、まず、秘密保持契約の締結から始めるべきなのです。


10 秘密保持契約書を作る場合の注意点
 秘密保持契約書を作る場合の注意点は何ですか。

 秘密保持契約に限らず、契約書はどの立場で作るかによって内容はずいぶん違ってきますので、契約書は自分で作るべきです。
 秘密保持契約書について言えば、情報を開示する側の企業から作るのか、開示を受ける側の企業から作るのかで内容は違ってきます。
 すなわち、秘密情報を開示する側としては、本契約において秘密情報とは、有形無形を問わず甲が乙に対して開示し、または提供する一切の情報及び資料をいうとして、秘密情報の範囲に制限を設けない、という文言にしたいでしょうが、被開示側には不利な内容であります。
 被開示側から作るとすれば、「本契約において秘密情報とは、第1条に定める目的を遂行する上で、甲が乙に対して開示または提供する仕様書、設計図等の情報及び資料で、かつ、甲により秘密である旨の文書による指定または開示がなされた情報及び資料をいう。」というように、秘密情報の範囲を限定することになります。


11 契約の成立
 ところで、契約はいつ成立するのですか。契約書を取り交わさないと成立しないのですか。

 契約は、契約書を取り交わさなくとも成立します。
 契約は、契約の申込と承諾によって成立するのが原則です。これを諾成契約と言いますが、金銭消費貸借や手付金契約は、現金の授受によって成立します。
 これを要物契約といいます。諾成契約の場合、契約の申込みと承諾によって成立すると言いましたが、申込は申込みの意思表示が相手方に到達したときに発生し(到達主義)、承諾は相手方に対し承諾の意思表示を発したときに効力を生ずる(発信主義)とされていますので、契約はその申込みを受けた者が承諾の書面を発送した時点で成立します。郵便事情で承諾書が相手方に届かなくとも成立することになります。
 法的にはこの発信主義には批判が多くあるところです。
 なお、インターネットを利用した契約の成立は、電子消費者契約法(正式には、電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律)4条で、承諾も到達主義を採用していますので、インターネット上の取引や契約は通信トラブルによりデータが相手方に到達しなかった場合や、データ化けが起こってデータの内容が解読不能になった状態で相手方に到達した場合には、契約成立に向けた承諾の意思が到達しなかった、あるいは、不明であることから契約は不成立になります。

12 インターネットによる契約で錯誤無効を主張し得るか
 インターネットでの契約の話がでましたのでお聞きしますが、インターネット取引において錯誤によって、契約の申込みをした場合は、無効になるという民法95条が適用になりますか。

 通常の契約では、1万円のつもりで10万円と書いた契約の申込みをした場合、契約は原則として無効になります。
 しかしインターネットによる契約の場合は違います。1万円のつもりで送信ボタンをクリックしたが、10万円の送信をしていた場合でも、事業者が「電磁的方法によりその映像面を介して、その消費者の申込み若しくはその承諾の意思表示を行う意思の有無について確認を求める措置を講じた場合」は、消費者も、最終的な申込の意思表示となる送信ボタンを押す前に改めて画面上に申込の内容を表示し、消費者に訂正する機会が与えられているので、錯誤無効が主張できなくなっております(電子消費者契約法3条但書)。
 (注意:ほとんどのインターネットを利用しての契約はこのようになっていますので、送信ミスは消費者の不利益になります。


13 不安の抗弁権
 メーカーである当社は、問屋との間で継続的な商品売買取引をしていますが、この問屋の信用に不安を持つようになりました。このような場合を想定して、契約書には「代金支払が履行されない恐れがある場合には売主は買主に対し事後の商品販売を停止することができる」旨の規定を置いていますが、この規定に基づき、出荷の停止や継続的売買契約の解除をすることができますか。

 お尋ねの問題は、講学上、不安の抗弁権と言われるものです。
 昭和56年2月26日東京高等裁判所判決は、「信用不安を抱いたのであるなら、買主に対し、その旨を告げて説明を求め、あるいは担保の提供を求めるなどの折衝をすべきであり、これに対し被控訴人の側から納得のいく説明も適当な担保の提供もないという事態に立ち至った場合には、代金不払いのおそれがかなり客観性を帯びてきたものと評価することができ」、そのような場合は、売主としては供給停止ができる旨判示しております。
 また、東京地判昭和58年3月3日は、「継続的売買契約の成立後、買主の代金支払能力が著しく低下し、売主においてその契約に従って目的物を供給していては、その代金回収を実現できない事由があり、かつ、後履行の買主の代金支払を確保するため、売主が担保の提供を求めるなど売主側の不安を払拭するための処置をとるべきことを求めたにもかかわらず、それが買主により拒否されている場合には、右代金回収の不安が解消すべき事由のない限り、先履行たる目的物の供給について約定の履行期を徒過したとしても、右売主の履行遅滞には違法性はないものと解するのが公平の原則に照らし相当である。」と判示しており、この不安の抗弁権を認めています。
 しかしながら、不安の抗弁権を行使する場合の前提となる担保の提供については、単に他の取引先から相手方が資金繰りに窮しているようだという噂を聞いたという程度では、要求できません(前記東京高判)。また、いきなり継続的取引を停止したり、解除したりするのは認められず、その前に、相手方に対し相手方の信用不安の事実を合理的で客観的な理由をもって示し、相手方の契約履行能力について説明を求め、それでも信用不安が残る場合には担保や保証人の提供を求め、たとえ短期間であっても、相手方に信用不安を払拭するための対応策につき、相手方と誠意をもって折衝を行わなければならない(東京地判)とされています。


14 不安の抗弁に対応した条項
 不安の抗弁が認められるようにするためには、契約条項上でどのように工夫すればよいですか。

 例えば未決済残高が与信枠いっぱいになった場合、その他一定の事由が生じたときは、
  • @相手方に対し、財務諸表、資金繰り表など相手方の財務状態、信用状態を示す資料の提出を求めることができる。
  • A相手方から提出された資料を検討した結果、相手方の支払能力などにつき客観的な不安を抱く至った場合には、相手方に対し書面でその旨を通知し、相手方に担保の提供や保証人による保証上の差し入れを求めることができる。
  • B相手方において前項の要求に応じないまたはその要求を拒絶した場合は、担保の提供等を求めた当事者は、商品の出荷を停止または契約の解除をすることができる。
  • C商品の出荷を停止し、契約を解除した当事者は、そのことにつき何ら契約上の債務不履行責任は負わない。
という条項を置いたらよいと思います。

15 契約期間は絶対か?
 当社はメーカーとの間に販売店契約を結んでいますが、改めて契約書を見ますと、期間が1年になっています。当社は販売店になったことから、資本と労力を投入しましたので、1年間だけの契約で販売店契約が終了しますと、大損害を受けてしまいます。契約期間が満了しても、更新を請求することはできませんか。

 契約に契約期間が定めてあれば、原則として、契約期間の終了により契約関係は当然終了するはずですが、販売店契約などのように契約締結時点において多大な資本と労力を投入し、ビジネスの性質上ある程度長期間にわたる営業販売活動が必要とされるような契約の場合は、契約期間の約定の効力は否定されるケースもあります。
 昭和62年9月30日札幌高裁決定(判時1258号76頁)は、自動更新の約定はあるものの、契約期間を1年とする販売代理店契約について、有効期間を1年とする旨の約定は契約の継続を前提として1年経過後に契約条項を見直すという程度の意味にすぎないと判示しています。
 この場合の契約期間の1年という約束は無効と言うことになります。
 契約期間の満了によって契約当職らの依頼人終了させるためには、契約締結にいたる経緯、契約後の当事者の投下資本額、契約の目的を達成するまでの期間、契約終了後における契約当事者の営業継続の難易等、契約当事者のあらゆる事情等を総合的に考慮した上で、あくまで合理的な期間を約定する必要があります。

16 業員との退職後の競業避止契約の有効性
 当社はソフトウエアを開発する会社ですが、これまで従業員や役員が当社を退職したり退任した後、当社で 蓄積したノウハウ、人脈、職位などを利用して同業社を設立したり、同業者に就職あるいは役員になるなどして、技術ノウハウの流出や顧客の喪失という被害に悩まされていますので、企業防衛の観点から、従業員の退職金の支給を、退職後競業をしたり、同業者に就職しないことを条件としたいと考えていますが、法律上問題はありますか。

1,平成13年2月23日東京地方裁判所判決は、ソフトウエアを開発する企業が、従業員に、退職後の場
所的、時間的範囲の制限が一切ない競業避止義務を課し、これに違反した従業員には退職金を支給しないと定めた就業規則を、労働者の職業選択の自由を著しく制約するものであるので、公序良俗に反し無効と判示しました。この判決は、退職金の支給を競業避止義務の遵守義務にかからしめることが直ちに許されないわけではないが、無制限の競業避止義務を遵守しなければ退職金の支給は全く受けられないことになるというのは、公序良俗に反し無効である、というのです。

2,たしかに、企業は顧客情報や営業ノウハウなど様々な企業秘密を有しており、従業員はそれを知りうる立場にいて、従業員の在職中は労働契約の付随的義務として秘密保持義務及び競業避止義務を負っていますが、退職後はこれら企業在職中に得た情報やノウハウなどを用いて競業他社に就職したり、自ら起業することができるという職業選択の自由、営業の自由が憲法上保障されていますので、従業員に無制限の競業避止義務を課す就業規則や契約は公序良俗に違反し無効になってしまいます。

そこで、
  • @競業避止契約契約の前提となる秘密保持契約でいう秘密の性質や範囲が重要なものに限定されているかどうか。
  • Aその従業員が在職中企業秘密の内容・利用方法・重要性を認識し得る地位にあったかどうか。
  • B競業を禁止される業務の範囲が在職中その従業員が担当していた職種に限定されるかどうか。
  • C退職後の競業避止義務を負う期間が不当に長くないかどうか。
  • D競業避止義務を負わせる場合に、その代償措置が執られているかどうか。
を検討して、真にやむを得ない範囲のものに限定した上で、かつ一定の代償を支払うことで競業避止契約義務を課す契約にすべきです。
 そうでないと、無効とされる危険があります。
 また、競業避止契約の締結の時期ですが、雇用契約の時と退職時の二度、締結するくらいの慎重さが求められます。


17 契約条項の書き方
1,解除約款
(契約解除)
第○条 甲または乙が、以下の事由の一に該当することになったときは、その相手方は催告を要しないで、本契約およびその他の甲乙間の契約のすべてを解除することができる。
(1) 本契約を含む甲乙間のすべての契約の一つにでも違反したとき
(2) 手形または小切手を不渡りにしたとき
(3) 仮差押、仮処分、強制執行、競売の申立を受け、または会社更生手続、民事再生手続、特別清算手続、破産手続の申立を受けるか、申立てたとき、もしくは滞納処分を受けたとき
(4) その他、甲乙間で契約を継続することが著しく困難になったとき

注(1) (3)は前半に特定の債権者からの個別の権利行使を受けた場合、後半に倒産の危機に瀕した場合にとられる再建型と清算型の倒産処理法の適用の申立があったときを書いていますが、後半の倒産四法の並べ順はその適用の優先順位で書いています。なお、平成18年5月1日に施行された会社法によって、会社整理という制度はなくなりましたので、書くべきではありません。

注(2) 実は、この(3)については、効力が否定される可能性があります。最判S57.3.30(民集36-3-484)は、会社更生法に関し、このような特約は無効であると判示しています。民事再生法についての判例はありませんが、民事再生法49条1項の「双務契約について再生債務者及びその相手方が再生手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、再生債務者等は、契約の解除をし、又は再生債務者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。」という規定は強行規定とされていますので、上記解除理由は、再生債務者等の「相手方の債務の履行を請求する」権利を否定する結果になるので、無効とされると思われます。

2,期限の利益喪失約款
  1の解除理由は、期限の喪失理由としても使えます。この場合は、会社更生法や民事再生法の適用はないと考えられます。(期限の利益喪失)
第○条 乙につき以下の事由の一が生じたときは、乙は甲からの通知催告を要せず本契約上の債務金額につき当然に期限の利益を失い、甲に対し、債務金額を一時に支払う。
(1) 第○条の債務を一回でも弁済しなかったとき
(2) 手形または小切手を不渡りにしたとき
(3) 仮差押、仮処分、強制執行、競売の申立を受け、または会社更生手続、民事再生手続、特別清算手続、破産手続の申立を受けるか、申立てたとき、もしくは滞納処分を受けたとき
(4) その他、本契約を含む甲乙間のすべての契約の一つにでも違反したとき


18 倒産により在庫商品の価値が落ちるとき
 売主が倒産した場合、過去に売買した在庫商品の価値が落ちるので、その売買契約の解除ができ、在庫商品についての買戻請求ができる条項を入れておくとよいでしょう。

 目次 次へ

ナビゲーション

専門家Webガイド マイベストプロ岡山

無料法律相談のお知らせ

    

事務所のご案内

【所在地】
〒700ー0807
岡山県岡山市北区南方1丁目8番14号

【業務時間】
平日 9:00〜18:00
土曜 9:00〜12:00
TEL 086-231-3535
FAX 086-225-8787


アクセスマップはこちら

携帯サイト

http://www.kikuchi-law.jp/m/
バーコードリーダーの機能を搭載している携帯電話で、QRコードを読み取り携帯サイトへアクセスしてください。
http://www.kikuchi-law.jp/m/