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企業法務の必要性

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<企業法務の必要性

企業法務の必要性
 
1,企業法務
 企業法務という用語は法律用語ではありません。この用語は多義的に使われていますが、ここでは、「企業経営に必要な、法倫理を含む法律知識を、体系的・組織的に集積し活用する体制やノウハウ」の意味で使います。

2,契約書の重要性が十分には理解されていません。
 契約書とは、蜜月の関係にある者同士が、近い将来の破局を必至のものと見て、破局に至ったときの財産の清算方法と清算内容をこと細かく約束し、その約束の証拠とするために作る書面である、と考えます。
 企業の場合、特にこの点を看過すべきではないと思います。
 上場企業であっても、事が起こって初めて契約書を見て、その不備に気がつく、考えていた利益が確保できないことになった、ということが稀ではないようです。破局に備えた真摯な契約を結んでいなかったからです。
 相手方が作成した契約書に何の修正も求めず記名押印したことはありませんか?
 契約書の内容が曖昧で、万一のときの責任追及の根拠になるのかが不確かなまま、相手方の善意をあてにしたり、あるいは契約書に記名押印しないと商談がまとまらないことを恐れ、あいまいさを許したままで契約書を作ったことはありませんか?
 事が起こり、臍を噛んだ後では遅いのです。
 企業は、今一度、契約というものの重要性を認識すべきであると思います。

3,勤務規則(職務発明、職務著作等)の整備のない企業も散見されます。
 企業は競争力の強化のため、資金と人材を投じて技術の先端を求め、物を作り技術を考え出します。そして労苦の結果、競争力のある物や技術ができたとします。しかし、喜びもつかの間、発明者が、権利を持って社外へ出、あるいは他社へ走った場合、どうなるか、を考えたことがありますか?
 企業に残るのは、法がせめてものとの思いから与えてくれた通常実施権のみです。開発資金を出した企業が、開発できた技術やノウハウ、物や方法を独占することはできない結果になる場合もあるのです。そうです。職務発明の法の規定を知らず、備えとしての勤務規則を作らなかったという一事だけで、です。千慮の一失は日常掃いて捨てるほどある、ということです。

4,不測の事態への備えはありますか?
 最近連日のようにマスコミで報道されている企業の不祥事は論外として、企業が、突然、不測の事態に直面するということはあり得ることです。
 ある日、大切な取引先から、一方的に取引の停止を受けたとします。原因を、と調べてみると、業界団体の不当な圧力によるものであったり、大切な顧客情報の漏えいから競争企業が顧客を横取りする場合であったり、言われ無き中傷による信用の毀損であったりする場合もあると思います。
 しかし、不測の事態も、多くの場合、予兆というものはあるはずです。業界団体からの圧力はカルテルへの誘いである場合でしょうが、企業は事前に公取委への措置請求をするなど対抗策はあったはずです。個人情報の漏えいや顧客の奪取は管理の甘さに原因があり、これも事前に管理規則、従業員との競業禁止契約などの締結である程度の備えは出来たはずです。言われ無き中傷には、企業法務を通じた法倫理の確立を社是とすることで避けることもできた、と言えるのではないでしょうか。

5,企業法務の確立に向けて
 企業は、経営の中心に、法務部あるいは企業法務を一元的に管理する部署を設置し、取締役等権限を有する社内で最も優秀な人材をここにあて、自社に起こりうるあらゆる法律問題を想定し、法律知識を集め、体系化し、これを役員、社員に効果的に還元していく体制を整えるべきであると考えます。
 法は、たんなる知識や技術・方法を教えるだけではありません。法の中に潜む法の倫理を教えるものです。法に違反する企業に対する社会的制裁は、マスコミ報道等で十分認識しうるところだと思います。歴史のある老舗と言われた企業が、一瞬にして廃業という結果を招き、まさに九仞の功を一簣に虧く結果を見せております。
 企業法務の確立は、同時に企業倫理の確立でもあり、不祥事とは無縁の企業になることです。

6,企業法務の手順
(1) 企業は、前述のとおり、最初に、法務部あるいは企業法務を一元的に管理する部署を作ることです。多数の関連会社を有している会社は、中核に位置する会社の中に法務部を作ることです。
(2) 企業内・グループ会社内で生じた法律問題はすべて法務部にあげることです。
 特に、契約書・念書・覚書など第三者と取り交わす書面の作成に関しては、どんな些細なものでも、法務部にあげることです。
(3) 法務部の担当者は、顧問弁護士と密接に連絡をとり、問題が生ずるたびに法律相談をしていくことです。契約書などの書面は必ず顧問弁護士に目を通してもらうことです。
(4) 法務部は、顧問弁護士との相談や顧問弁護士による契約書のチェックで得た法律知識や情報を整理し、集積していくことです。
(5) 法務部からは、定期的に、企業内やグループ内に生じた法律問題や回答・解決方法をある程度抽象化、一般化して、全役員と、法律問題に遭遇するリスクのある部署にいる社員に伝達することです。
(6) 定期的な研修も必要です。
(7) 企業内部で法令違反がある場合の調査、セクハラ問題が起こったときの調査、労働問題の苦情聴取や処理、公益通報に関する訴えの窓口相談、個人情報の管理、従業員の非行に対する懲戒処分等、企業のコンプライアンスを守るための調査・審議・決定のための機関の構成員の中に、法務部長かその部門の責任者を入れ、事務局は法務部か法務担当部に置くことも法務部の重要な役目です。
(8) 会社法によって内部統制システムの整備にかかわる事項の決定義務がある株式会社(すべての委員会設置会社と委員会設置会社以外の会社のうちの大会社)は、会社法施行規則で定める体制をつくり、規程を作らなければなりませんが、それ以外の会社も、内部統制システムや規程、それに、法令遵守マニュアルを作る必要があると考えます。その際、法務部が十分に機能しておれば、それほど困難なく、法に適合し、他の会社規則と整合するものを作ることが出来ると思います。

7,顧問弁護士との付き合い方
  顧問弁護士と付き合う上で大切なことの第一は、法を現場限りのものにしないということです。現場で法律問題が生じ、担当者が顧問弁護士に相談する。ある程度の痛みを伴ったが、なんとか解決できたとしましょう。しかし、それで終わったのでは、企業は同じ轍を踏む過ちを犯すことになります。顧問弁護士から得た情報や解決のノウハウは、全社的な財産にすべきなのです。そのため、顧問弁護士への相談は、まずは法務部で整理し、法務部の担当者と現場の担当者が一緒に相談に行くべきなのです。新しい技術や物が日々生産されているように、法も日々生成しているのです。企業の学ぶべき法は余りに多いのです。会計上の繰越欠損金が、利益を圧縮して税の負担を軽減しその分税引後の利益をかさ上げしてくれることから、繰欠は財産という言葉がありますが、企業にとっては、法律問題の失敗は、繰欠同様、企業の財産になりうるのです。法律問題は、担当者限り、現場限りにしないことです。

8,まとめ
  地道な企業法務の実践は、必ず、初めは法務部で働く役員や社員に、高度で多様な法知識と法の倫理を自然に学ばせるはずです。やがてその波は全役員、全社員に及び、企業はより企業倫理の高い、より競争力のある企業に発展していくことと思います。

  あなたの企業が、未来永劫、成長し続け、躍進し続けることを祈っております。


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