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わかりやすい個人情報保護法 【個人情報の取得】

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<わかりやすい個人情報保護法 【個人情報の取得】


1 本人の同意
 要りません。個人情報を取得した後で、利用目的を明確にして通知または公表するだけでよいのです(法18条1項)。


2 どんな個人情報でも本人の同意は要らないの?
 個人情報保護法上は要りませんが、センシティブ情報については本人の同意を得ておくべきです。また、第三者から個人情報の提供を受ける場合は、第三が本人の同意を得ていることを確認すべきです。


3 センシティブ情報
 センシティブ情報とは、一般に他人に知られたくないような情報、 JIS Q 15011でいうところの 「特定の機微な個人情報」のことです。 JIS Q 15011は、「特定の機微な個人情報」として、
1思想、信条および宗教に関する事項
2人種・民族・門地・本籍地(所在都道府県に関する情報を除く。)、身体  ・精神状態・犯罪歴、その他社会的差別の原因となる事項
3 勤労者の団結権、団体交渉およびその他団体行動の行為に関する事項
4 集団的示威行為への参加、請願権の行使およびその他の政治的権利の行使に関する事項
5 保健医療および性生活
を例示しております。
 センシティブ情報は、JIS Q 15011や通産ガイドライン等の代表的ガイドラインでは、
 明示的な本人の同意がある場合
 法令に特別な規定がある場合
 司法手続上必要不可欠である場合
に限り、収集を認め、それ以外は認めていません。したがって、JIS Q 15011や通産ガイドライン等に従う限りは、明示的な本人の同意が必要になります。 センシティブ情報には、プライバシーの権利を多く含んでいますので、センシティブ情報の漏洩がプライバシーの侵害につながり、企業に損害賠償義務が生ずる可能性があり、その意味でも、慎重な配慮が必要になります。

4 通知方法
 文書の郵送、電話、FAXや電子メールによる連絡があります。通知方法としては、本人に正確かつ確実に伝達できるものを採用することです。


5 公表は?
  公表は、ウェブサイト上の掲載、パンフレットやカタログの配布、事業所への掲示・備え付け、官報・日刊紙への掲載などがあります。公表は、企業外の人間が常識的な努力の範囲内で認識できる状態にしておく必要があります。

6 そうすると個人情報は、本人に黙って取得してもよいが、取得後は、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない、ということ?
 そのとおりです。ただ、事前にあらかじめその利用目的を公表している場合は、事後の通知・公表は不要です(法18条1項)。

7 本人から直接書面で個人情報を取得する場合は、予めその利用目的を明示しておく必要がある(法18条2項)とは、どういう場合ですか?
 一例をあげると、予めアンケート用紙に利用目的を明記しておいて、商品の購入者に対し、氏名、住所、満足度などを回答を記入してもらう場合です。利用目的は一般人が容易に理解できる程度に具体的に明示する必要があります。

8 この場合の書面というのは、ペーパーを意味するのですか?
 いいえ。書面には、電磁的記録を含んでいますので、ウェブ上の電子的取引において電磁的記録により個人情報を取得する場合にも、本項が適用されます。なお、この方法による場合、本人に情報を提供するという認識がないまま個人情報を提供するという場合もありますが、それはかまいません。

9 ウェブサイト上では、多くの会社の「プライバシイーポリシー」が掲載されていますが、その中には、「お客様の個人情報を無断で収集することはございません。」と書いてあるのもありますが、これは本人の同意を求めている趣旨でしょうか?
 そうだと思います。個人情報保護法では、本人の同意までは必要としていませんが、企業のポリシーとして、より積極的に本人の同意を得て個人情報を収集するという姿勢を明らかにしているのだと思います。

10 ウェブサイト上で個人情報を収集する場合にあらかじめ明示すべき「利用目的」の例は?
 T社の記載例がありますので参考にしてください。

お客様にご提供いただいた個人情報は、次の目的の範囲内で利用させていただきます。
・ メールマガジンを配信するため
・ お客様から請求された資料、カタログをお届けするため
・ お客様から寄せられたご意見、ご要望にお応えするため
・ お客様が申し込まれた各種キャンペーン、フォーラムをご利用される上で必要な確認やご案内のため
・ お客様にとってより魅力的で、価値のある商品開発、改善やサービスを提供するため
・ その他なんらかの理由で利用者の皆様と接触する必要が生じたときのため

11 通信販売の電話申込の場合も利用目的の明示は必要なのですか?
 いいえ。個人情報保護法18条2項による書面には、音声による個人情報の取得の場合は適用ありませんので、書面による明示は必要ありません。この場合は、同条1項の規程に従い、個人情報の取得後速やかに利用目的を通知または公表すれば足ります。実務的には、通信販売の電話申込を受けた後で商品を発送するときに、利用目的を記載した書面を同封するだけで足ります。

12 これら利用目的の通知・公表・明示の記録は保存しておく必要があるのですか。
 はい。後日の証拠のため一定期間保存しておく必要があります。そのため、文書管理規定を整備した上で利用目的の通知・公表・明示記録をフォーマット化し、その作成・保存についてマニュアルを作成しておくべきでしょう。
13 利用目的の通知や公表を必要としない場合もあるのですか?
 あります。法18条4項に該当する次の4つの場合です。
 1は、本人または第三者の権利・利益を害するおそれがある場合です。
例えば、暴力団等に関する情報を収集する場合です。商店街連合会などが暴力団組員の個人情報を取得しても、通知・公表は不要とされています。
 2は、当該個人情報取扱業者の権利・利益を害するおそれがある場合です。これは、利用目的を一律に公表することによって、新商品の開発、営業ノウハウ等の企業機密が損なわれるおそれがある場合を意味しています。今後、これに該当するかどうかが実務上大きな問題になるものと思われます。企業機密を理由としさえすれば、常に適用除外が認められるわけではなく、客観的な蓋然性が求められているからです。
 3は、公的機関の事務遂行に支障を及ぼすおそれがある場合です。例えば、警察が被疑者の立ち回り先として情報を得ることなどです。
 4は、取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合です。
例えば、百貨店の配送伝票の場合等を考えれば分かりやすいと思います。百貨店で物を買い、配送してもらうのに顧客の住所、氏名、電話番号といった所在情報を提供しますが、これについては取得の状況から見て利用目的が明らかですので、本人に対する利用目的の通知・公表・明示は必要はないのです。

 ただ、これによって得られた個人情報を他の目的に利用する場合、例えば百貨店の特売日の案内通知に使う場合等、伝票記載の住所、氏名、電話番号を他の目的にも利用する予定があるのならば、伝票上に利用目的を印刷・表記し、本人に対しこれを事前に明示する必要があります(法18条1項ではなく、本人からの書面による個人情報の取得ですから18条2項が適用になります。)
 この他に、購入商品の修理や宅配ピザ業者への注文などの場合が考えられます。
以上の4つの場合は、利用目的の通知や公表は必要ありません。

14 電話帳や高額納税者名簿等の公開情報を取得する場合、利用目的の通知・公表をしなければならないのですか。
 個人情報保護法では、個人情報の種類によって取扱いを区別していませんので、公知情報であっても法18条の適用があります。したがって、電話帳や高額納税者名簿によって取得した個人情報についても、取得した後、利用目的を本人に対し通知・公表しなければなりませんが、電話帳に記載するかどうかは本人の意思に関わることから、電話帳に氏名や電話番号を記載することを承諾した本人に対し、テレ・マーケティング等の事業用に利用する場合に限っては、「取得の状況から見て利用状況が明らかであると認められる場合」に該当し(法18条4項4号)、改めて利用目的を通知・公表する必要はないとされています。

 これに対して、高額納税者名簿は、本人が必ずしも名簿登載を承諾している状況とは言えないので、取得後に利用目的を本人に通知・公表しなければならないとされています。

 なお、電話帳に記載された個人情報を収集する場合であっても、これをデータベース化したり、これらを加工して利用することは、当初の利用目的が変更されているので、本人の同意を得なければなりません(法16条1項)。

 なお、この点に関連して、電話帳に記載されている実名、電話番号等をパソコン通信の掲示板に無断で掲載したことがプライバシー侵害にあたるとして、損害賠償責任を認めた裁判例があります(神戸地方裁判所・平成11年6月23日判決/判例時報1700号99頁)。

 したがって、例えば電話帳から収集した個人情報を加工して、電話番号から住所・氏名が逆探知出来るプログラムを作成する場合には、本人の同意が必要となります。

15 クッキーによる個人情報の取得にも、本人への事前の明示がいるのですか。
 要ります。クッキーというのは、ユーザー情報やアクセス履歴などの情報をブラウザとサーバ間でやり取りするプログラムのことであり、現在インターネット上で広く利用されているものですが、いったんクッキーを受け付けてしまえば、本人の同意を得ずにアクセス履歴の取得が可能となる一方、本人にとっては、利用目的、収集される情報内容等が不明なままになっています。これは、本人からの書面による個人情報の取得に該当しますので、事前に利用目的を明示しなければなりません。 この他、スパイウェアといって、ユーザーの知らない内にパソコンへ入り込み、IPアドレス、閲覧したホームページ、入力内容等を他の特定場所へ送信したり、これらを利用するプログラムによって、電子的に個人情報を収集する場合も、18条2項「直接書面で個人情報を取得する場合」に該当するので、事前に利用目的を明示しなければなりません。

16 この他、個人情報を取得する際の留意事項は?
 適正な取得、利用目的の明確化があります。
17 適正な取得とは?
 「不正の手段」によらない取得です(法17条)。

18 不正な取得とは?
 不正な取得とは、犯罪行為かそれと同視しうる行為による取得です。

19 不正の手段の具体的な事例は?
 盗んできた個人情報、騙して書かせた個人情報、脅迫によって書かせた個人情報、盗撮による個人情報等です。

20 実はダイレクトメール発送先のリストを作るのが目的で、アンケートに協力すれば景品を与えると言って個人情報を収集しましたが、大丈夫ですか。
 これは不正の手段による個人情報の取得になりますので、違法です。 主務大臣から勧告や命令を受けることになり(法34条)、主務大臣からの命令に違反しますと処罰される(法56条)外に、違反を是正するために必要な限度で、遅滞なく個人保有データの利用停止または消去をしなければなりません(法27条1項本文)。これらについては後述します。 なお、アンケートと思って協力してくれた個人の個人情報を、その後、販売活動に使った場合、利用目的による制限にも違反することになります。

21 アンケート用紙ではなくウエブサイトにアクセスしてくる消費者に対しても同じですか。
 同じです。


22 名簿業者から公的な医療機関から流出したと思える健康診断の結果のデータを入手しました。これを使って販促活動に使いたいのですが?
 第三者から個人情報を取得した場合、それが直ちに不正取得になるものではありませんが、個人情報の第三者提供には本人の同意か(法23条1項)やオプトアウトの手続(同2項)をとっていなければなりませんが、本人の同意やオプトアウトの手続をとらずに個人情報の第三者提供をしようとすることを知りながら取得したり、違法な取得をそそのかした場合は、法17条の違反になります。
 健康診断の結果のデータから取得しうる個人情報については、多数の本人が全員同意したとは考えられないので、個人情報取得に関し悪意または重大な過失があると認定されるでしょう。


23 販売促進キャンペーンの一環としてオープン懸賞を実施し、メールアドレスを収集しましました。このメールアドレスに商品情報を配信したいのですが、できますか。
 メールアドレスも、特定の個人を識別できるものは、個人情報になります。企業は、懸賞応募時に、応募者のメールアドレスを取得しますので、個人情報を取得する際の義務である、事前の利用目的の明示(法18条2項)をしなければなりません。

 具体的には、オープン懸賞の告知の際、「ご回答者より頂戴した個人情報につきましては、今後、当社商品情報の配信にも利用させていただきます。」旨の利用目的を明示しておくことになるでしょう。
24 録音テープに顧客との会話を録音し、そこで得た住所氏名等の個人情報を利用することに問題は?
 ありません。メモ代わりに録音することは相手方に告知しなくとも問題ありません。ただ、取得した個人情報を利用する場合は、法18条により、速やかに利用目的を通知・公表すべきはいうまでもありませんが。
25 従業員の社内メールを監視(モニタリング)することは自由にできますか。
 社内の使用メールのモニタリングに関する判例(東京地裁平成13.12.3判決・東京地裁平成14.2.26判決)は2件とも、企業の損害賠償義務を否定していますが、企業がメールを読むことが常に違法ではないと言っているわけではないこと、社内メールの中にはセンシティブ情報が含まれる場合もあることを考えると、企業としては、従業員のメールをモニタリングすることについて事前に従業員の明示の同意を得ておく必要があります。

 その方法として、社内規定で、従業員の私的利用を禁止し、企業機密の漏洩防止、企業システムの安全性確保という利用目的を特定して、事前に電子メールをモニタリングすることがあることを規定しておく必要があります。

 なお、従業員に関する個人情報については、
http://www2.mhlw.go.jp/kisya/daijin/20001220_01_d/20001220_01_d_kaisetu.html
をご覧下さい。

26 個人情報を収集するために、本人に往復葉書を郵送したいと思いますが、郵便葉書は第三者の目に触れる形になりますので、本人の同意を得る必要はありませんか。
 ありません。個人情報の取得に関しては、本人の同意を得る必要はなく、利用目的の通知・公表・明示で足りるのですが、ただ、企業としては、個人情報保護に対する姿勢を示すためにも、個人情報記入欄に目隠しシールを貼るくらいの配慮は必要であると考えます。この方法は多くの企業でされています。
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