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マンション問題 マンションの購入

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<マンション問題【マンションの購入】

1 手附とは2 消費者契約法と違約金

1 手附とは何か。
 先日マンションの売買契約を結び手附金の一部を支払いました。
 手附金とはどんな性質のお金なのですか。
 また、手附金残金を支払う前に、売買契約を解除することはできるのですか。

1,手附の意味
 手附は、当事者間で別段の取り決めをしていない場合は、解約手附とされております。
 解約手附というのは、買主が売主に手附を交付したときは、買主は手附を放棄することで、売主は倍額を支払うことで、それぞれ、契約を解除することができるというものです。
 ただし、これも相手方が履行に着手した後はできませんが(民法557条)。

2,手附契約の性質−従たる契約で要物契約
 手附契約は、売買契約があって、その内容の一として結ばれます。
 この場合の売買契約は「主たる契約」と言われ、手附契約は「従たる契約」と言われます。
 ところで、売買契約は、民法555条で、「当事者ノ一方カ或財産権ヲ相手方ニ移転スルコトヲ約シ相手方カ之ニ其代金ヲ払フコトヲ約スル」ことで効力を生じます。
 このような約束あるいは合意のみで効力が生ずる契約を「諾成契約」といいますが、手附契約の効力は、民法557条で、「手附ヲ交付シタルトキ」でないと生じないとされております。
 このような金銭その他の有価物を相手方に交付しないと効力が生じない契約を「要物契約」といいます。
 手附契約は、要物契約であるというのが判例です。
3,手附金の一部しか支払われていない場合の解除は可能か。
 大阪高等裁判所昭和58年11月30日判決は、買主が解約手附の趣旨の手附金を一部しか支払わなかった場合でも、それを放棄することで売買契約を解除することを認め、その場合において、売主は買主に手附残金額の支払を求めることはできない、と判示しております。
 その理由として、同判決は、
@手附契約は金銭等の交付により成立する要物契約である。
A売買契約が締結され、買主から手附金の一部が交付されたが、合意された手附金総額についての交付がない場合は、総額についての手附契約は未だ成立していない。
B手附金の残額の支払約束は、手附の予約がなされたにとどまるものである。したがって、残額の請求については、総額の手附契約がそもそも成立していないのであるから、その支払請求をすることはできない。
ことをあげております。
 なお、当事者の合意で手附金を解約手附としないことは可能ですが、宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約については、宅建業法で、手附の額の制限とともに、解約手附性の排除が禁じられております。
  • 第39条1項    宅地建物取引業者は、みずから売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の十分の二をこえる額の手附を受領することができない。
  • 第39条2項    宅地建物取引業者が、みずから売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して手附を受領したときは、その手附がいかなる性質のものであつても、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手附を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
  • 第39条3項    前項の規定に反する特約で、買主に不利なものは、無効とする。
 なお、手附金を支払った者が債務不履行をしたときは、手附金を受領した者に没収され、手附金を受領した者が債務不履行をしたときは、手附金を支払った者に倍額を償還することを約した手附を「違約手附」と言いますが、これはその旨の合意が必要です。

2 消費者契約法と違約金
 マンション業者とマンションを購入する契約を結んで売買代金の2割に相当する手付金を支払いましたが、契約書では、買主の債務不履行により解除された場合、この手付金は違約金として没収されることになっています。
 この場合、買主は消費者契約法で保護されないのですか。

 保護されません。
 消費者契約法9条1号では、
違約金の定めのうち、契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える金額は無効とする、
と定めていますので、一般の消費者契約ならば、平均的損害額を超える金額は返還してもらえるのですが、
消費者契約法11条2項は、
「・・消費者契約の条項の効力について民法及び商法以外の他の法律に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。」
と規定しており、
宅地建物取引業法38条1項は、
「宅地建物取引業者がみずから売主となる宅地又は建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の十分の二をこえることとなる定めをしてはならない。」
と規定していますので、マンション業者からマンションを購入する契約を結んだ場合は、消費者契約法より宅地建物取引業法が優先されることになっております。
 したがいまして、買主の債務不履行で契約が解除された場合に代金の2割に相当する手付金を違約金として没収する約束は有効になります。





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