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年金・生命保険金

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<年金・生命保険金

年金


1 年金の差押さえはできるか。
私は厚生年金と国家公務員共済年金の給付を受けて生活をしている者ですが、これらが私の銀行預金口座に振り込まれた後債権者から差し押さえられました。厚生年金や国家公務員共済年金は差押えは禁止されていると聞いているのですが、このような差押えが許されるのですか。

 厚生年金保険法41条1項国家公務員等共済組合法49条は、それぞれ年金の給付を受ける権利の差押えを禁止していますが、年金が一旦受給者の預金口座に振り込まれた場合は、その法的性質は年金受給者の銀行に対する預金債権に代わり、差押えが可能になります。(東京高等裁判所平成4年2月5日決定。この決定は民事執行法145条2項で、裁判所は債務者及び第三債務者を審尋しないで債権の差押え命令を発するので、当該預金の原資の性質を知ることは困難であることなどを理由としています。)なお、預金を差し押さえられた結果受給者の生活に支障が生ずる場合は、民事執行法153条1項に基づき差押え債権の範囲の変更の申立をなし、その全部または一部の取り消しを求めることが必要となります。

 なお、厚生年金保険法第41条は、

 保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、年金たる保険給付を受ける権利を別に法律で定めるとことにより担保に供する場合及び老齢厚生年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。

と定め、また

 年金福祉事業団の開催及び業務の承継等に関する法律第28条は、社会福祉・医療事業団は、社会福祉・医療事業団法(昭和59年法律台75号)第21条1項に規定する業務のほか、厚生年金保険法、船員保険法(昭和14年法律第73号)又は国民年金法に基づく年金たる給付の受給権者に対し、その受給権を担保として小口の資金の貸付けを行うことを及びこれに附帯する業務を行う。

と定め、それ以外でも、年金でも担保に供したり、差押えのできる場合のあることを定めていますが、質問のような通常の債権者が差し押さえることはできません。

生命保険金


1 告知義務違反の場合は、生命保険金はもらえないか。
私は3年前に、肝臓が悪く入退院をくり返しているのにこのことを保険会社に隠して、契約者兼被保険者として生命保険契約を結んでおります。しかし、最近知人から、これは告知義務違反になるから、将来私が死亡する等の保険事故が生じても保険金受取人に生命保険金はもらえないと言われ、心配になりました。私の場合、保険金は出ないのですか。

 あなたの保険の普通保険約款に、後述の解除権行使期間を2年間とする記載があれば、保険金は支払われます。
  1,生命保険契約に関する商法第678条1項本文は、「保険契約ノ当時保険契約者又ハ被保険者カ
  悪意又ハ重大ナル過失ニ因リ重要ナル事実ヲ告ケス又ハ重要ナル事項ニ付キ不実ノ事ヲ告ケタル
  トキハ保険者ハ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得」と定めていますので、あなたの場合、告知義務違反によ
  り保険会社から契約の解除がなされる可能性があり、解除されると保険金は支払われません。

  2,しかしながら、
   (1) 保険会社自身が、あなたが隠した「事実ヲ知リ又ハ過失ニ因リテ之ヲ知ラサリシトキ」(同条項
    但書)
   (2) 「保険者カ解除ノ原因ヲ知リタル時ヨリ一个月間之ヲ行ハサルトキ」(同条2項が準用する644
    条2項)
   (3) 「契約ノ時ヨリ五年ヲ経過シタルトキ」(同条2項が準用する644条2項)
  は、保険会社は、生命保険契約を解除することはできません。

  3,なお、この解除権行使期間については、普通保険約款には概ね「責任開始の日からその日を含
  めて2年以内に保険金、給付金の支払事由または保険払込免除事由が生じなかったときは、解除
  権が消滅する。」として、解除権行使期間が2年間に短縮されていますので、あなたが契約した生命
  保険契約の普通約款にもそのような記載があれば、契約後2年以上経過していますので、告知義
  務違反による解約の解除はできません。保険金は支払ってもらえます。


2 解除前に保険事故が発生した場合、保険金は支払われるか。
私の夫は、1年半前に肝臓が悪く入退院をくり返しているのに、このことを保険会社に隠して、契約者兼被保険者として生命保険契約を結びましたが、保険会社からは契約の解除がなされないまま、夫は肝硬変で死亡しました。この場合、保険金はもらえるのですか。

 もらえません。生命保険契約に関する商法第678条2項が準用する同法645条は、1項で、「保険者カ契約ノ解除ヲ為シタルトキハ其解除ハ将来ニ向テノミ其効力ヲ生ス」と定めていますが、2項で、「保険者ハ危険発生ノ後解除ヲ為シタル場合ニ於テモ損害ヲ填補スル責ニ任セス若シ既ニ保険金額ノ支払ヲ為シタルトキハ其返還ヲ請求スルコトヲ得」と定めており、保険金はもらえませんし、間違って支払われたときは返済しなければなりません。

3 全問で、告知義務違反の事実と無関係の原因で死亡した場合でも、保険金はもらえないか。
前問の死因が交通事故であっても、告知義務違反があり、解除権行使期間である2年間を経過する前の死亡事故であれば、保険会社は契約を解除することが出来ますか。

  その場合は、保険会社から契約を解除することはできません。
  生命保険契約に関する商法第678条2項が準用する同法645条2項但書は、「保険契約者ニ於テ危険ノ発生カ其告ケ又ハ告ケサリシ事実ニ基カサルコトヲ証明シタルトキハ」保険金がもらえるとされております。
  この規定には、正直に告知した場合には保険に入れないのに、告知義務違反をした者に保険金が出ることになり、バランスがとれない等の批判はありますが、法律では、このように保険契約者や被保険者が保護されています。


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