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使用者のための労働問題【労働者災害補償保険】

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<使用者のための労働問題【労働者災害補償保険】



1 会社の業務中に労災事故で怪我をしました。休業損害金や慰謝料を会社に請求することができますか。
 会社に不法行為責任または安全配慮義務違反の債務不履行責任がある場合は、請求できますが、会社にこれらの責任がない場合は労働者災害補償保険が請求できるだけとなります。
2 会社へ請求できる金額と労災保険とでは、金額や内容に違いがあるのですか。
 労災保険では、慰謝料は認められません。また、休業損害補償も休業損害金の全部は認められていません。内容に違いがあります。

3 労災保険は、全ての労働者について適用があるのですか。
 原則として労働関係のある全ての労働者に適用があります。例外的に労災保険の適用を受けない労働者の場合は、国家公務員災害補償法・地方公務員災害補償法・船員保険法など、他の法律で保護を受けております。ただ、労働者とは言えない人の場合には、労災保険法は適用されません。この人の場合は、特別加入制度を利用することにより労災保険の保護を受けることになります。

4 労災保険はアルバイトやパートタイマーにも適用されますか。
 適用されます。労災保険は雇用期間の長短や身分等に関係なくその事業に使用されている全ての労働者ににつき適用されますので、その人がアルバイト、パートタイマー、常勤、非常勤、臨時雇いに拘わらず全て適用を受けます。
5 労災保険の適用を受ける労働者とは、どのような人をいいますか。

 労災保険法上の労働者とは、労働基準法第9条でいう労働者をさすものと考えられておりますので、「職業の種類を問わず、労働基準法の適用を受ける企業に使用されるもので、賃金を支払われるもの」です。

6 同居の親族や家事使用人の場合でも労災保険の適用はありますか。
 同居の親族のみを使用する企業、もしくは事業所、または家事使用人については労働基準法上の労働者には該当しませんので、これらのものについては労災保険法の適用はありません。ただ、同居の親族であっても、常時同居の親族以外の労働者を使用する事業において、一般事務または現場作業などに従事し、一定の条件を満たす者は労働基準法上の労働者として扱われ、労災保険の適用があります。その条件というのは次のとおりです。
(1)業務を行うにつき、事業主の指揮命令に従っていることが明確であること。
(2)就労の実態が当該事業場における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われていること。特 に、次の事項について、就業規則その他これに準ずるものに定めるところにより、その管理が他の労働者と同様になされていること。
@始業および就業の時刻、休憩時間、休日、休暇等
A賃金の決定、計算および支払の方法、賃金の締切および支払の方法の時期等。


7 法人などの役員も労災保険の適用を受けますか。
 法人などが事業主の場合、法人の活動を行う機関を構成する取締役などは、事業主と同視されますので、労災保険の適用は受けません。ただ、いわゆる従業員兼務役員の場合は、事実上業務執行権を有する取締役や代表取締役の指揮監督を受けて労働に従事しその代償として賃金を得ているものと認められた時は、労働者として扱われ労災保険の適用を受けます。ただ、この場合の兼務役員の賃金総額は、役員の職務に対する報酬を除き、一般の労働者と同一条件の下に支払われる賃金のみとされます。
8 労災保険の給付の対象となる災害はどのようなものがありますか。
 業務災害といわれるものと通勤災害といわれるものがあります。これら災害に対する保険給付の内容はほとんど同じですが、業務災害は事業主の支配管理下において発生する災害であり、事業主に予防義務があるのに対し、通勤災害は事業主の関知し得ないところで発生するもので、事業主に予防責任がないという性格の違いから、法律的には別々のものとして扱われます。

9 業務災害とは何ですか。
 業務災害とは、労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にある状態(これを業務遂行性といいます。)に起因する災害です。(これを業務起因性といいます。)業務遂行性と業務起因性の2つの要件が必要です。災害とは、業務上の負傷・疾病・障害または死亡があるときです。

10 業務上の疾病とは何ですか。
(1)災害により疾病になる「災害性疾病」(その中には災害による疾病、災害による負傷に起因する疾病がある。)と
(2)長期間にわたり業務に伴う有害作用が蓄積して発病する「職業性疾病」の2種類があります。

11 通勤災害とは何ですか。
 通勤災害とは、労働者の通勤による負傷・疾病・障害または死亡をいいます。ここで通勤とは、労働者が就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路および方法により往復することをいいますので、通勤の途中で買い物のため他の場所へ行ったときとか、往復の経路を中断した場合には通勤に当たらないこととなります。ただ、経路の逸脱、中断といっても経路上の近くにある公衆便所を使用する場合とか、駅構内でジュースの立ち飲みをする場合など些細な場合は逸脱や中断にはあたりません。通勤の途中日常生活に必要な行為、通勤の途中スーパーマーケットに寄り買い物をしたような場合は、中断をしても経路に復した後は通勤と認められることになります。

12 労災保険ではどのような給付が行われるのですか。
 労災保険においては、業務災害及び通勤災害に関して、次の保険給付ならびに特別支給金が支給されます。
(1)保険給付
 業務災害に関する保険給付  通勤災害に関する保険給付
 療養補償給付(現物または現金)  療養給付(現物または現金)
 傷病補償給付  傷病年金
 障害補償給付
(障害補償年金、障害補償一時金)
 障害給付
(障害年金、障害一時金)
 遺族補償給付
(遺族補償年金、遺族補償一時金)
 障害給付
(障害年金、障害一時金)
 遺族補償給付
(遺族補償年金、遺族補償一時金)
 遺族給付
(遺族年金、遺族一時金)
 葬祭料  葬祭給付

(2)特別支給金
 種  類  支給対象者
 イ.休業特別支給金  休業補償給付の受給権者
 ロ.傷病特別支給金  傷病補償年金の受給権者
 ハ.傷病特別年金  傷病補償年金の受給権者
 ニ.障害特別支給金  障害補償給付の受給権者
 ホ.障害特別年金  障害補償給付の受給権者
 ヘ.障害特別一時金  障害補償一時金の受給権者
 ト.遺族特別支給金  労働者の死亡当時の遺族補償給付の受給権者
 チ.遺族特別年金  遺族補償年金の受給権者
 リ.遺族特別一時金 遺族補償一時金の受給権者
(3)労災保険給付の種類について(PDF)

13 労災事故で休業すると、休業補償給付と休業特別支給金とでいくら支払ってもらえるのですか。
 休業第4日目から、休業1日につき給付基礎日額の60%相当額の休業補償給付と同20%の休業特別支給金が支払われます。これにより給付基礎日額の80%の額が支給されますが、休業開始日からの3日間は給付がありません。この期間を「待機期間」といいますが、業務災害の場合は、この待機期間分につき事業主は労働基準法76条に基づき60%の休業補償をしなければなりません。
  また、支給は、休業期間の続く限りなされますが、傷病補償年金が支給される場合は、休業補償給付はなされません。

14 「給付基礎日額」とは何ですか。
 給付基礎日額は、原則として、労働基準法第12条の平均賃金に相当する額とされており、平均賃金は、原則として、事故が発生した日または医師の診断によって業務上の疾病にかかったことが確定した日(賃金締切日が定められているときはその直前の賃金締切日)の直前3か月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額をその期間の総日数で除した1生活日あたりの賃金額です。なお、ここでいう賃金の総額には、名称のいかんを問わず、労働の対償として使用者から支払われた賃金のすべてが含まれますが、臨時に支払われる賃金、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金、法令または労働協約の定めに基づかない現物給付は含まれませんので、ボーナスは含まれません。
  細かい話になりますが、さらになお、平均賃金の算定期間である3か月間に次の期間が含まれている場合は、算定期間からこれらの期間の日数を除き、賃金の総額からはこれらの期間中の賃金額を差引いて平均賃金を計算します。
 (1)業務上の負傷または疾病による療養のための休業期間
 (2)産前産後の休業期間
 (3)使用者の責に帰すべき事由による休業期間
 (4)試みの試用期間
  なお、雇入れ後3か月に満たない労働者の平均賃金は、雇入れ後の賃金総額をその期間の総日数で除して計算したり、平均賃金に相当する額が3,210円に満たない場合には、給付基礎日額は一律に3,210円とされる等例外規定も多くあります。
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