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裁判

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<裁判


1 離婚や養育費をめぐって裁判する場合は、どこの裁判所へ提起するの?
 
  • (1) 離婚を求める場合、家庭裁判所へ調停を申立てなければなりません。
    これを調停前置主義といいます。
    調停を申立てる裁判所は、家事審判規則129条1項で「調停事件は、相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄とする。」と定めています。
  • (2) 自庁処理
    ところで、この原則を貫きますと、乳児を養育している妻が、遠方にいる夫を相手に離婚や婚姻費用分担請求をする場合、夫の住所地を管轄する家庭裁判所に申立をしなければならなくなり、不便です。
    このため、家事審判規則4条は「家庭裁判所は、その管轄に属しない事件について申立を受けた場合には、これを管轄家庭裁判所に移送しなければならない。
    但し、事件を処理するために特に必要があると認めるときは、これを他の家庭裁判所に移送し、又はみずから処理することができる。」と、但書で、いわゆる自庁処理ができることを定めています。
    経済力に乏しく、幼児をかかえている妻が遠方の夫の住所地を管轄する裁判所への出頭が困難であり、かつこれが審判事件として係属する場合は妻の住所地を管轄する家裁で処理することになること等から、妻の住所地を管轄する家裁に申立てること(自庁処理)を認めた例があります。
  • (3) 審判事件ですが、家事審判規則45条は、「夫婦の同居その他の夫婦間の協力扶助に関する審判事件は、相手方の住所地の家庭裁判所の管轄とする。」
    また同規則51条は、「45条・・・の規定は、婚姻から生ずる費用の分担に関する審判事件にこれを準用する。」とありますので、夫婦間の婚姻費用分担請求は、相手方の住所地の家庭裁判所となります。
    また、同意規則52条は、「婚姻の取消又は離婚の場合における子の監護者の指定その他子の監護に関する審判事件は、子の住所地の家庭裁判所の管轄とする。
  • (4) 数人の子についての前項の審判の申立は、同項の規定にかかわらず、その一人の子の住所地の家庭裁判所にこれをすることができる。」とありますので、養育費の請求は、子の住所地の家庭裁判所になります。
    これらの事件もまず調停を起こさなければなりませんので、理由があれば申立人の住所地を管轄する家裁への自庁処理を申立てることもできます。
    なお、調停不成立により審判に移行したときは、規則52条にかかわらず、調停をした家庭裁判所で自庁処理をするのが相当であるとの審判例があります。
  • (5) 訴訟を提起する場合は、人事訴訟法4条で、「・・・当該訴えに係る身分関係の当事者が普通裁判籍を有する地又はその死亡の時にこれを有した地を管轄する家庭裁判所」が専属管轄になります。
    要は、原告の住所地を管轄する家庭裁判所でも被告の住所地を管轄する家庭裁判所でも、どちらへ提起してもよい、ということです。
    ただし、人事訴訟法第7条「家庭裁判所は、人事訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者及び尋問を受けるべき証人の住所その他の事情を考慮して、訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、当該人事訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。」とされていますので、上記の理由があれば、被告は、被告の住所地を管轄する家庭裁判所へ事件を移送することを申立てることができます。
    ところで、原被告間に扶養を要する未成年者の子がいる場合は、人事訴訟法31条は「家庭裁判所は、婚姻の取消し又は離婚の訴えに係る婚姻の当事者間に成年に達しない子がある場合には、当該訴えに係る訴訟についての第6条及び第7条の規定の適用に当たっては、その子の住所又は居所を考慮しなければならない。」との規定を考慮するべきです。この規定は、たんに子を扶養しているというだけで移送をしたり、子の住所地であるというだけで自庁処理を認める規定ではなく、子の親権者の指定や子の監護に関する処分についての判断のために家裁調査官による事実の調査をする場合に、調査が円滑に実施できるよう、子の所在地を考慮すべきであるとした規定ですから、子の住所地を管轄する家裁での審理を希望する場合は、訴え提起の際、子の調査の必要性を強調した訴状、移送を求める場合も同じ理由を書いた移送申立書を書く必要があります。
  • (6) なお、審判による離婚もあります。
    すなわち、調停が不調になったときでも、家庭裁判所は、家事審判法24条「家庭裁判所は、調停委員会の調停が成立しない場合において相当と認めるときは、当該調停委員会を組織する家事調停委員の意見を聴き、当事者双方のため衡平に考慮し、一切の事情を見て、職権で、当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で、事件の解決のため離婚、離縁その他必要な審判をすることができる。
    この審判においては、金銭の支払その他財産上の給付を命ずることができる。」により、離婚の審判をする場合があります。
  • (7) なお、人事訴訟法8条と17条により、関連事件、例えば、離婚の原因になった不貞行為による相手方配偶者に対する損害賠償請求訴訟や、不貞をした配偶者の相手方に対する損害賠償請求訴訟を起こす場合も、離婚訴訟と併合できる場合は、家裁にも提起することが出来ます。

2 離婚訴訟では、家裁の調査官の調査があるのですか?
 離婚訴訟は地裁にではなく家裁に起こす制度に変わって、「家庭裁判所調査官による事実の調査」という制度ができました。
 人事訴訟法34条1項は、「裁判所は、家庭裁判所調査官に事実の調査をさせることができる。」と規定しています。
 ただ、この事実の調査というのは、子の親権者、監護権者を決める裁判の資料にするためだけの調査です。
 子の監護の状況部分が7割、子の意向調査が3割と言われています。
 調査官がした事実調査の結果は、調査官の意見を付けて裁判に報告され(34BC)ますが、当事者は裁判所の許可を得れば閲覧や謄写が可能です(35)。


3 離婚調停や離婚裁判で主張すべきこと
 大阪家庭裁判所が、下記事項を参考にして、主張を陳述書で整理するようにと要請していますので、ここに書いておきます。
1,あなた自身の状況
(1) 生活歴(学歴、職歴、婚姻、離婚、転居、家庭生活や社会生活における主な出来事)  
(2) 就労状況(職業、勤務先、職務内容、勤務時間及び休日、通勤方法及び時間など)  
(3) 経済状況(収入、主な支出、負債の有無及びその内容など)     
【資料:源泉徴収票、確定申告書、給与明細書、ローンの明細書など】  
(4) 心身の状況(病歴、健康状態など)  
(5) 平均的な一日のスケジュール(起床から就寝まで)(平日、休日別)  
(6) 家庭の状況
ア 住居の状況    【資料:間取り図、最寄り駅からの地図、賃料に関する資料など】
イ 同居家族とその状況(氏名、生年月日、職業、収入、健康状態及び家庭の雰囲気など)  
(7) 監護補助者(監護補助の実績、内容、監護補助者と子との関係)

2,子の状況  
(1) 生活歴及び過去の監護、養育状況  
(2) 心身の状況
【資料:母子健康手帳、診断書など】  
(3) 現在の生活状況
ア 家庭での生活状況(平均的な一日のスケジュールなど)
イ 保育所、幼稚園及び学校での状況(出欠状況、適応状況など)   
【資料:保育所等の連絡ノート、通知票、健康の記録など】
ウ 非監護親(相手方)との交流の状況  
(4) 紛争に対する子の認識の程度

3,監護方針(あなたが親権者に指定された場合)  
(1) 今後の養育方針、子に対する期待など  
(2) 予定している監護環境及び態勢(監護補助態勢を含む。)  
(3) 親権者に指定されなかった親と子の交流についての意向

4,その他参考となる事項
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