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債務整理  (任意整理・ヤミ金・自己破産・個人再生)−個人債務の清算

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<先物取引
 平成17年1月1日より新しい破産法が施行され、個人債務者の債務整理がよりやさしくなりました。また、ヤミ金対策法の施行等により、メニューが豊富になりました。
 以下は、メニューの内容です。



1 任意整理
 任意整理とは、裁判所のお世話にならないで、債権者と直接交渉して、債務を整理することを言います。
方法は、これまでに返済した利息を、利息制限法に基づき、10万円未満の借入れについては年20%、10万円以上100万円未満の借入れについては年18%、100万円以上の借り入れについては年15%(上限金利)を超えて支払った分は、元金に充当したものとして計算し直すことから始めます。
 この結果、金融業者の請求額は数十万であっても、実際の債務は数万であったり(減額)、ゼロであったり(債務ゼロ)、場合によっては過払い、つまり払い過ぎ(元本が完済されているのにその後も支払っている状態。)であったりします。
 そこで、任意整理では、金融業者の請求額ではなく、利息制限法によって算出された金額を債務額として支払ったり(減額の場合)、債務がゼロなので債務なし、したがって将来にわたって支払わないという合意を結んだり(債務ゼロの場合)、過払い分の返還を請求します。
 金融業者の請求額は数十万なのに、逆に過払い状態になっているため、その金融業者が数十万円も返してくれる例が結構あります。
数年間も金融業者に遅滞なく元利金を支払い続けている債務者の場合、意外にこのようなケースが多いものです。
ただ、実際問題として、この任意整理は、債務者本人がこれをしても金融業者は相手にしてくれません。約束の支払をしてくれと言われるだけです。
 やはり、法的・強制的に実現できる方法を知っている弁護士を通じてでなければできません。

 なお、平成17年7月19日最高裁判決は、消費者金融会社は借り手に対し、その借り手との取引履
歴を開示する義務があり、開示しなかった場合は損害賠償義務を負う旨を判示し、下級審で判断が分かれていた問題に決着をつけましたが、この判決は、多重債務者の債務整理に大きな影響を与えることになると思われます。

2 ヤミ金債務について

 ヤミ金については、相手ががまともでないだけに、1の任意整理は多くを期待できません。
 しかしながら、弁護士は、ヤミ金を相手に次のような手段・方法を用いて債務整理を進めます。
 すなわち、最近深刻なヤミ金融問題に対処するため、ヤミ金融対策法(貸金業規制法及び出資法の一部改正法)が制定されました。金融庁も、貸金業登録制度の強化により、悪質な業者の排除に努めるとともに、相談体制の強化や捜査当局等関係機関との一層の連携強化に努めることになっています。

 ヤミ金融対策の内容は、
  • @ 貸金業登録制度の強化本人確認を義務化・暴力団員の排除・財産的要件・各営業店への主任者の設置の義務付け等により、一段と登録審査を厳しくしています。
  • A 罰則の大幅な引上げ
     出資法で定める貸金業者の上限金利(年29.2%)を超える利息の貸付契約を行った場合は、5年以下の懲役、1千万円(法人の場合3千万円)以下の罰金に処せられます。
     高金利を要求する行為そのものも罰則の対象となりました。
     無登録営業は、5年以下の懲役、1千万円(法人の場合1億円)以下の罰金に処せられます。
  • B その他にも、広告や勧誘行為の規制がなされ、これに違反すると罰則が適用されることになりました。正当な理由のない夜間の取立て、勤務先等居宅以外への電話や訪問、第三者への弁済の要求などをすると、2年以下の懲役、3百万円以下の罰金に処せられることになります。
  • C 登録業者・無登録業者を問わず年109.5%を超える利息での貸付契約を行った場合には、その契約は無効であり、利息については一切支払う必要がないことになりましたので、利息制限法の範囲内の利息の支払義務もありません。
 ヤミ金に対するものとしては、法律の制定以前から、裁判所も救済してくれています。すなわち、裁判所の裁判例では、元本の支払もしなくとも良いというものも出てきているのです。弁護士は、これらの法律、判例を駆使して、ヤミ金被害者の被害の回復等に力を注ぎます。

3 自己破産
 債務が支払えない人に、免責という恩典が与えられて、債務がゼロになるという法制度です。
 平成15年の1年間で、全国で251,799人も利用しています。岡山県内では、4,248人もがこの制度を利用しています。ただ、免責を受けることができない人、できないケースもありますので、注意が必要です。
 尚、破産宣告を受けると以下のような制限を受けます。
1.資格の制限
@ 公法上の資格制限
 破産者は、弁護士、公認会計士、税理士、弁理士、公証人、司法書士、人事院の人事官、国家公安委員会委員、都道府県公安委員会委員、検察審査員、公正取引委員会委員、不動産鑑定士、土地家屋調査士、宅地建物取引業者、商品取引所会員、証券会社外務員、有価証券投資顧問業者、質屋、生命保険募集員及び損害保険代理店、警備業者及び警備員、建設業者及び建設工事紛争審査委員会委員、風俗営業者及び風俗営業所の管理者などになれません。
 これに対し、古物商、行政書士、薬剤師、医師、看護士、建築士、宗教法人の役員、特殊な職を除く一般的な国家公務員や地方公務員、学校教員などは、破産宣告を受けてもその資格には影響がありませんし、選挙権、被選挙権など公民権も停止されません。
A 私法上の資格制限
 破産者は、代理人、後見人、公権監督人、保佐人、遺言執行者などになることができません(民法上の制限)。
 また、破産者は、合名会社及び合資会社の社員、株式会社及び有限会社の取締役や監査役になれません(商法上の制限)。


4 個人再生
 これには、小規模個人再生、給与所得者等再生に分かれますが、これらの利用については、別に、住宅ローン債務に関する特則規定の適用を受ける場合とそうでない場合もあり、メニューは豊富です。


5 取引履歴の開示
1.金融業者の取引履歴開示義務
 最高裁判所平成17年7月19日判決は、「貸金業者は,債務者から取引履歴の開示を求められた場合には,その開示要求が濫用にわたると認められるなど特段の事情のない限り,貸金業法の適用を受ける金銭消費貸借契約の付随義務として,信義則上,保存している業務帳簿(保存期間を経過して保存しているものを含む。)に基づいて取引履歴を開示すべき義務を負うものと解すべきである。
 そして,貸金業者がこの義務に違反して取引履歴の開示を拒絶したときは,その行為は,違法性を有し,不法行為を構成するものというべきである。」と判示した。

2.弁護士の開示請求
 東京高裁平成19年1月25日判決は、債務者の代理人である弁護士から取引履歴開示請求がなされたときは、金融業者は、個人情報保護法を理由に、債務者の委任状や印鑑証明書または身分証明書の提出を求めることはできない旨判示した。

(1)貸金業法19条及びその委任を受けて定められた貸金業の規制等に関する法律施行規則(以下「施行規則」という。)16条は,貸金業者に対して,その営業所又は事務所ごとに,その業務に関する帳簿(以下「業務帳簿」という。)を備え,債務者ごとに,貸付けの契約について,契約年月日,貸付けの金額,貸付けの利率,弁済金の受領金額,受領年月日等,貸金業法17条1項及び18条1項所定の事項(貸金業者の商号等の業務帳簿に記載する意味のない事項を除く。)を記載し,これを保存すべき義務を負わせている。そして,貸金業者が,貸金業法19条の規定に違反して業務帳簿を備付けず,業務帳簿に前記記載事項を記載せず,若しくは虚偽の記載をし,又は業務帳簿を保存しなかった場合については,罰則が設けられている(同法49条7号。貸金業法施行時には同条4号)。

(2)貸金業法は,貸金業者は,貸付けに係る契約を締結するに当たり,17条1項所定の事項を記載した書面(以下「17条書面」という。)を債務者に交付し,弁済を受けた都度,直ちに18条1項所定の事項を記載した書面(以下,17条書面と併せて「17条書面等」という。)を弁済者に交付すべき旨を定めている(17条,18条)が,長期間にわたって貸付けと弁済が繰り返される場合には,特に不注意な債務者でなくても,交付を受けた17条書面等の一部を紛失することはあり得るものというべきであり,貸金業法及び施行規則は,このような場合も想定した上で,貸金業者に対し,同法17条1項及び18条1項所定の事項を記載した業務帳簿の作成・備付け義務を負わせたものと解される。

(3)また,貸金業法43条1項は,貸金業者が業として行う金銭消費貸借上の利息の契約に基づき,債務者が利息として任意に支払ったものについては,利息制限法1条1項に定める利息の制限額を超えるものであっても,17条書面等の交付があった場合には有効な利息債務の弁済とみなす旨定めており(以下,この規定によって有効な利息債務の弁済とみなされる弁済を「みなし弁済」という。),貸金業者が利息制限法1条1項所定の制限利率を超える約定利率で貸付けを行うときは,みなし弁済をめぐる紛争が生ずる可能性がある。

(4)そうすると,貸金業法は,罰則をもって貸金業者に業務帳簿の作成・備付け義務を課すことによって,貸金業の適正な運営を確保して貸金業者から貸付けを受ける債務者の利益の保護を図るとともに,債務内容に疑義が生じた場合は,これを業務帳簿によって明らかにし,みなし弁済をめぐる紛争も含めて,貸金業者と債務者との間の貸付けに関する紛争の発生を未然に防止し又は生じた紛争を速やかに解決することを図ったものと解するのが相当である。
 金融庁事務ガイドライン3−2−3(現在は3−2−7)が,貸金業者の監督に当たっての留意事項として,「債務者,保証人その他の債務の弁済を行おうとする者から,帳簿の記載事項のうち,当該弁済に係る債務の内容について開示を求められたときに協力すること。」と記載し,貸金業者の監督に当たる者に対して,債務内容の開示要求に協力するように貸金業者に促すことを求めている(貸金業法施行時には,大蔵省銀行局長通達(昭和58年9月30日付け蔵銀第2602号)「貸金業者の業務運営に関する基本事項について」第2の4(1)ロ(ハ)に,貸金業者が業務帳簿の備付け及び記載事項の開示に関して執るべき措置として,債務内容の開示要求に協力しなければならない旨記載されていた。)のも,このような貸金業法の趣旨を踏まえたものと解される。

(5)以上のような貸金業法の趣旨に加えて,一般に,債務者は,債務内容を正確に把握できない場合には,弁済計画を立てることが困難となったり,過払金があるのにその返還を請求できないばかりか,更に弁済を求められてこれに応ずることを余儀なくされるなど,大きな不利益を被る可能性があるのに対して,貸金業者が保存している業務帳簿に基づいて債務内容を開示することは容易であり,貸金業者に特段の負担は生じないことにかんがみると,貸金業者は,債務者から取引履歴の開示を求められた場合には,その開示要求が濫用にわたると認められるなど特段の事情のない限り,貸金業法の適用を受ける金銭消費貸借契約の付随義務として,信義則上,保存している業務帳簿(保存期間を経過して保存しているものを含む。)に基づいて取引履歴を開示すべき義務を負うものと解すべきである。そして,貸金業者がこの義務に違反して取引履歴の開示を拒絶したときは,その行為は,違法性を有し,不法行為を構成するものというべきである。

(6)前記事実関係によれば,上告人の取引履歴の開示要求に上記特段の事情があったことはうかがわれない。そして,上告人は,債務整理を弁護士に依頼し,被上告人に対し,弁護士を通じて,半年近く,繰り返し取引履歴の開示を求めたが,被上告人がこれを拒絶し続けたので,上告人は,その間債務整理ができず,結局,本件訴訟を提起するに至ったというのであるから,被上告人の上記開示拒絶行為は違法性を有し,これによって上告人が被った精神的損害については,過払金返還請求が認められることにより損害がてん補される関係には立たず,不法行為による損害賠償が認められなければならない。


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