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わかりやすい個人情報保護法 【個人情報保護と漏えい問題】

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<わかりやすい個人情報保護法 【個人情報保護と漏えい問題】

第10回講義


1 小規模個人再生の特徴
(1) 小規模個人再生手続は、将来の収入等を支払原資として、債務の一部を弁済することで、残債務の免除を受けて経済生活を再建する方法で、民事再生法の特則。
 特色は、負債の上限があること、必ずしも安定的な収入があることに限らない代わりに、緩和されたとはいえ多数決要件を導入していること、債権については、調査・確定手続を置かず、実体的な確定はなく、再生計画も、一般的な基準だけで、権利の変更をすること等である。
(2) 給与所得者等再生
 小規模個人再生のさらに特別手続
(3) 住宅資金貸付債権に関する特則
 (1)、(2)いずれの手続についても適用される。

T 小規模個人再生手続
1, 手続開始の要件
(1) 利用資格者
 個人である債務者のうち、
  • ア 将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり、かつ、
  • イ 再生債権の総額(住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額及び再生手続開始前の罰金等の額を除く。)が5000万円を超えないもの(法221条1項)
について適用がある。
 アの要件については、再生計画にいる権利の変更が3ヶ月1回以上の分割弁済で、その期間が3年間(特別事情があれば5年間)であることが要求されているから、その関連で考える必要がある。
(2) 適用を求める申述−小規模個人再生申立の時期
 再生手続開始の申立ての際に、小規模個人再生を行うことを求める旨の申述をしなければならない(法221条2項「小規模個人再生を行うことを求める旨の申述は、再生手続開始の申立ての際(債権者が再生手続開始の申立てをした場合にあっては、再生手続開始の決定があるまで)にしなければならない。」)。規則112@なお、221E「再生債務者は、小規模個人再生の申述をするときは、当該申述がその要件に該当しないことが明らかになった場合においても通常の再生手続の開始を求める意思があるか否かを明らかにしなければならない。ただし、債権者が再生手続開始の申立てをした場合(規則113で、「再生手続開始の決定があるまで」となっている。)については、この限りでない。」
(3) 申述書面の記載事項
(ア)書面の記載内容は、規則112.113
(イ)債権者一覧表の提出義務
 小規模個人再生の申述をするには、次の事項を記載した「債権者一覧表」を提出しなければならない(法221条3項)。
  • @ 再生債権者の氏名又は名称並びに各再生債権の額及び原因
  • A 別除権者については、その別除権の目的である財産及び「担保不足見込額」
  • B 住宅資金貸付債権については、その旨
  • C 住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思があるときは、その旨
  • D その他最高裁判所規則で定める事項
 債権者一覧表には、各再生債権についての再生債権の額及び担保不足見込額を記載するに当たっては、当該額の全部又は一部につき異議を述べることがある旨をも記載することができる(法221条4項)。
 再生債権者は、債権者一覧表に記載されている再生債権については、その内容で再生債権の届出をしたものとみなされる(225)。
(ウ)異議権の留保
 再生債務者は異議の留保をしないと一般異議申述期間内に異議を言えない(「異議権の留保」226・規121)。利息制限法の最高利率を超える金銭債務については異議権を留保しておくことが必要。
  • 無異義債権は再生計画上の計画弁済の対象になる。
  • 異義ある債権は、評価手続に入る。
(エ)条件付再生債権等・・221D「第87条第1項第1号から第3号までに掲げる再生債権は、当該各号に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める金額の債権として取り扱うものとする。」
     小規模個人再生の場合は3年間で3ヶ月毎の弁済が求められている関係で、再生債権の金銭化が、再生計画による免除という観点から、再生債権の現在化が要求されるため、債権者一覧表提出の時点で、これら債権の評価額を明確にしておく必要があるため。
(オ)債権者一覧表未提出の効果
 裁判所は、第二項の申述が前項本文に規定する要件に該当しないことが明らかであると認めるときは、再生手続開始の決定前に限り、再生事件を通常の再生手続により行う旨の決定をする。ただし、再生債務者が前項本文の規定により再生手続の開始を求める意思がない旨を明らかにしていたときは、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならない(221F)。
(カ)その他
 費用の予納(24)

2, 保全の措置
 あまり必要性はない。
3, 手続開始決定
(1) 手続開始に伴う措置
 裁判所は、再生手続開始の決定と同時に、
ア 債権届出期間
イ 届出があった再生債権に対して異議を述べることができる期間(一般異議申述期間)を定めなければならないが、再生債権の確定をしないので、一般調査期間は定めない。しかしながら、議決権額の算定のために、異議申述・評価の手続がある(法226条、227条)。
 公告・通知をする。222
規116
 一般調査期間は定めない。222
(2) 手続開始の効果
85@「再生債権については、再生手続開始後は、この法律に特別の定めがある場合を除き、再生計画の定めるところによらなければ、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。」

38@「再生債務者は、再生手続が開始された後も、その業務を遂行し、又はその財産(日本国内
   にあるかどうかを問わない。)を管理し、若しくは処分する権利を有する。」

38A「再生手続が開始された場合には、再生債務者は、債権者に対し、公平かつ誠実に、前項の権利を行使し、再生手続を追行する義務を負う。」

238で、40(訴訟中断効)の排除

4,小規模再生の機関
 簡素化されていて、債権者集会・債権者委員会の制度はない。監督委員や調査委員もないが、必要があると認めるときは個人再生委員が選任される(法223条)。
(1) 選任
223@「裁判所は、221条2項の申述があった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、一人又は数人の個人再生委員を選任することができる。ただし、第227条第1項本文に規定する再生債権の評価の申立てがあったときは、当該申立てを不適法として却下する場合を除き、個人再生委員の選任をしなければならない。」
(2) 職務
223A
 裁判所は、前項の規定による決定をする場合には、個人再生委員の職務として、次に掲げる事項の一又は二以上を指定するものとする。
  • 再生債務者の財産及び収入の状況を調査すること。
  • 227条第1項本文に規定する再生債権の評価に関し裁判所を補助すること。
  • 再生債務者が適正な再生計画案を作成するために必要な勧告をすること。

5,債権の届出・調査・手続内確定
(1) 債権の届出
225「債権者一覧表に記載されている再生債権者は、債権者一覧表に記載されている再生債権については、債権届出期間内に裁判所に当該再生債権の届出又は当該再生債権を有しない旨の届出をした場合を除き、当該債権届出期間の初日に、債権者一覧表の記載内容と同一の内容で再生債権の届出をしたものとみなす。」
 議決権の届出は不要(224@)再生債権の現実化・金銭化がなされるから。
 条件付債権等は87条1項1ないし3号の評価が必要。2項・225条5項で、その評価額を再生債権額として届出なければならない。
(2) 調査
226@
 再生債務者及び届出再生債権者は、一般異議申述期間内に、裁判所に対し、届出があった再生債権の額又は担保不足見込額について、書面で、異議を述べることができる。ただし、再生債務者は、債権者一覧表に記載した再生債権の額及び担保不足見込額であって221Cにより異議を述べることがある旨を債権者一覧表に記載していないものについては、異議を述べることができない。
(3) 手続内確定
 無異義債権 230G「届出再生債権者は、一般異議申述期間又は特別異議申述期間を経過するまでに無異議債権については届出があった再生債権の額又は担保不足見込額に応じて、227F(異義ある債権についての評価の裁判)により裁判所が債権の額又は担保不足見込額を定めた再生債権(以下「評価済債権」という。)についてはその額に応じて、それぞれ議決権を行使することができる。」これは、232@ないしBで、再生計画による権利の変更や弁済の基準になるが、その債権が実体上確定するものではない。評価に不服のある債権者は訴訟を起こして確定することができる。

6,再生債務者の財産の調査・報告
 再生債務者は、124.125により、財産の評定・裁判所への報告は必要だが、貸借対照表は不要になっている(法228条)。
 財産目録は必要だが、規則128で、法124条(財産の価額の評定等)2項の規定により提出すべき財産目録には、再生手続開始の申立書の添付書面で提出された財産目録の記載を引用することができることになっている。
 財産状況報告集会は、招集されない。238で4節の適用が排除されている。

7,再生計画案
 (1) 提出者は再生債務者のみ
 (2) 内容
    一般的な基準のみ。
    共益債権・一般優先債権の定めや別除権者の権利に関する定めは必要。

8,決議
書面決議
 再生計画に同意しない者がその旨を回答すべきことになっている。
 再生計画案に同意しない旨を書面で回答した議決権者が議決権者総数の半数に満たず、かつ、その議決権の額が議決権者の議決権の総額の2分の1を超えないときは、再生計画案の可決があったものとみなされる(消極的同意・法230条6項)。

9,再生計画の認可又は不認可の決定
 再生計画案が可決された場合には、裁判所は、法174条2項所定の不認可事由がある場合と計画弁済総額が最低弁済基準額を下回っている等の特有の不認可事由がない限り認可される(法231条)。

10,小規模個人再生の終結
 小規模個人再生手続は、再生計画認可の決定の確定によって当然に終結する(法 233条)。

11,やむを得ない事由による延長
 再生計画認可の決定があった後やむを得ない事由で再生計画を遂行することが著しく困難となったときは、再生債務者の申立てにより、再生計画で定められた債務の最終の期限から二年を超えない範囲で、再生計画で定められた債務の期限を延長することができる(法234条)。

12,ハードシップ免責
 再生債務者がその責めに帰することができない事由により再生計画を遂行することが極めて困難となり、かつ、「4分の3以上の額の弁済を終えている」等の場合には、裁判所は、再生債務者の申立てにより、免責の決定をすることができる(法234条)。

U 給与所得者等再生手続
  • 給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者であって、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれるもの
  • 再度の申述は、7年間は認められない(239D)。
  • 「給与所得者等再生」手続を行うことを求めることができる。
  • 給与所得者等再生を行うことを求める旨の申述は、再生手続開始の申立ての際にしなければならない。
  • 裁判所は、再生計画案を認可すべきかどうかについての届出再生債権者の意見を聴く旨の決定をしなければならない(法240条)。公告と書面送付がある(240A)
  • 意見聴取期間が経過したときは、裁判所は、不認可事由がなければ再生計画認可の決定をする(法240条)。
  • 債権者の決議は不要
  • 最低弁済基準として、可処分所得制限がある(241A7ハ)。算出方法は特定されている。再生計画案の提出前2年間の再生債務者の収入の合計額からこれに対する所得税等に相当する額を控除した額を2で除した額等

V 住宅資金貸付債権に関する特則の手続
  •  ・ これは、民事再生手続、小規模個人再生、給与所得者等再生のいずれの手続にも適用があり、それぞれの手続の進行によることになっている。
  • 再生計画とは別枠での弁済となる(198@A)。
  • 住宅貸付債権者が複数いれば、そのすべてのものを対象にした特別条項である(198B)。
  • 再生債務者だけが提出できる特別条項である(200@)。
  • 再生債務者は、住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する場合には、あらかじめ、当該住宅資金特別条項によって権利の変更を受ける者と協議するものとする(規101)。その場合には、住宅資金特別条項によって権利の変更を受ける者は、当該住宅資金特別条項の立案について、必要な助言をするものとする(200A)。
  • 保証会社が代位弁済をした場合は、6ヶ月以内に申立の必要がある(198)。
  • 認可決定により、保証人にも効果が及ぶ(203)。
  • 保証会社が代位弁済をした場合は、当該保証債務の履行は、なかったものとみなす。(204)債権者から保証会社へ代位弁済金が返金される(「代位弁済の巻戻し」)。
  • 住宅の上に住宅資金貸付債権以外の担保権が存するとき、又は住宅に加えて住宅以外の不動産に住宅資金債権を担保する抵当権に遅れる担保権が設定されている場合は、再生債権者が、住宅資金債権を民法500条により取得したものであるときは、住宅資金特別条項をつけることはできない(198@)。
  • 特別条項の内容は、
    (1) 期限の利益の回復(原則)と、
    (2) それが著しく困難場合の、最終弁済期の延長(例外)、
    (3) さらに例外として、元本据え置き型がある。
     (1)の期限の利益回復型は、
    ア 再生計画認可の決定の確定時までに弁済期が到来する元本額で未払であったものについては、その債務不履行部分の元利金等を他の一般債権の弁済期間内に支払うこと
    イ 再生計画認可の決定の確定時までに弁済期が到来しない住宅資金貸付債権の元本及びこれに対する利息を、約定のスケジュールに従って支払うこと(199@)。
     (2)の最終期限延長型については、10年を超えないこと、70歳を超えないことが必要(199A2)。ただ
       し、権利の変更を受ける者の事前の「書面による同意」がある場合はよい(199C規100@)。
     (3)の元本据え置き型は、一般弁済期間の範囲内で定める元本猶予期間中は、住宅資金貸付債権の元本の一部及び住宅資金貸付債権の元本に対する元本猶予期間中の住宅約定利息のみを支払うものとすることができるもの(199B)。
  • 住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思があるときは、その旨を、債権者一覧表に記載しなければならない(221B4)。
  • 住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可の決定が確定したときは、住宅資金特別条項によって変更された後の権利については、住宅資金特別条項において、期限の利益の喪失についての定めその他の住宅資金貸付契約における定めと同一の定めがされたものとみなす(203A)。
W 小規模個人再生の一般の民事再生届出との違い
  • 申立人は債務者のみ
  • 再生計画案の提出も再生債務者のみ。
  • 消極的同意
  • 債権確定・未届出債権の失権効・強制執行の制度はない。
  • 否認権の制度もない。
  • 申立人の要件が限定される。
  • 最低弁済額の制約がある。
  • 住宅ローン債権の免除はない。届出がなくとも、失権しない。
  • その代り、住宅ローン債権者は、再生計画について意見を言えるだけ、決議について議決権は与えられない。再生計画が成立すると抵当権の実行はできない。
  • 継属中の訴訟事件は中断しない。
  • 最長弁済期間は3年、特別の事情がある場合5年(229)。
  • 最低弁済基準がある(231)。
  • 再生手続の終結は、小規模個人再生においては、再生手続は、再生計画認可の決定の確定によって当然に終結する。(233・244)
  • 個人再生委員
    任意機関、ただし、再生債権の評価の申立てがあったときは、義務的(223@)

一般民事再生手続と同じもの
  • 再生債権者は個別的権利行使はできない。
  • 各種手続の中断効あり
  • 清算価値保障原則

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