本文へスキップ

岡山で弁護士をおさがしなら菊池綜合法律事務所へ

TEL.086−231−3535
(受付時間 平日9:00〜17:00、土曜9:00〜12:00)

民事再生法講義 第9回

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<民事再生法講義 第9回

第9回講義


第一 再生手続の終了
 一 再生手続の終了
再生手続は、再生手続開始決定後は、同決定の取消決定の確定・再生手続終結決定・再生手続廃止決定の確定・再生計画不認可決定の確定・再生手続中の再生計画取消決定の確定のいずれかで、終了する。

 二 再生手続終結決定について
1,DIP型の場合(監督委員が選任されていない場合)
 法188@は、裁判所は、再生計画認可の決定が確定したときは、監督委員又は管財人が選任されている場合を除き、再生手続終結の決定をしなければならない。と定める。
 この終結決定については不服申立はできないので、終結決定で再生手続は終了する。

2,監督委員が選任されている場合
 法188Aは、裁判所は、監督委員が選任されている場合において、再生計画が遂行されたとき、又は再生計画認可の決定が確定した後3年を経過したときは、再生債務者若しくは監督委員の申立てにより又は職権で、再生手続終結の決定をしなければならない。と定める。
「再生計画が遂行されたとき」とは、再生計画認可決定確定後3年が経過する前に、再生計画で定めた義務の履行を全て完了した場合を言うが、ゴルフ場の再生計画の例として、退会する会員とその他の会員の場合は、再生計画認可確定後1年以内の一括払い、退会しない会員につては10年後の退会後の一括払いであると定めている場合、前者について完済した場合は、特段の事情がない限り、DIP型の場合に準じて再生手続終結決定ができるとした例がある。
なお、再生手続終結の決定があったときに、監督命令及び管理命令は効力を失う(188C)。

3,管財人が選任されている場合
 法188Bは、裁判所は、管財人が選任されている場合において、再生計画が遂行されたとき、又は再生計画が遂行されることが確実であると認めるに至ったときは、再生債務者若しくは管財人の申立てにより又は職権で、再生手続終結の決定をしなければならない、と定める。

 三 再生計画の取消し
1,取消理由
 法189で、ア再生計画が不正の方法により成立したこと、イ再生債務者等が再生計画の履行を怠ったこと、ウ再生債務者が裁判所の許可や監督委員の同意を得ないで要許可事項、用同意事項違反行為をしたこと、のいずれかに該当する事由があるときは、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができること等が定められている。

2,破産手続開始決定又は新たな再生手続開始決定がされた場合の取扱い等
 法190で、再生計画の履行完了前に、再生債務者について破産手続開始の決定又は新たな再生手続開始の決定がされた場合のあることを前提し、その場合は、再生計画によって変更された再生債権は、原状に復すること、ただし、再生債権者が再生計画によって得た権利に影響を及ぼさないこと、等が定められている。

四 再生手続の廃止
1,再生計画認可前の再生手続の廃止
 廃止は、再生手続の効力を将来に向かって消滅させる手続終了の方法をいう。
(1) 廃止理由1
 法191は、@決議に付するに足りる再生計画案(すなわち、内容が法に違反せず、遂行の見込みがあり、再生債権者の一般の利益に反せず、再生計画が可決される可能性が無くはない再生計画案)の作成の見込みがないことが明らかになったとき(すなわち、作成されないことが高度の蓋然性をもって認められる場合)ー大多数の再生債権者が反対している場合はこれに該当する。)。A裁判所の定めた期間若しくはその伸長した期間内に再生計画案の提出がないとき、又はその期間内に提出されたすべての再生計画案が決議に付するに足りないものであるとき。
B再生計画案が否決されたとき、又は債権者集会の続行期日が定められた場合において再生計画案が可決されないとき。は、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない等が定められている。
 実務上は、事業継続の可能性だけで開始決定がなされるが、開始決定後の事情で、廃止になるケースは多いと言われている。
 その場合でも、清算型の再生計画案を作成し、債権者集会で決議する方法もあるが、早期に破産手続に移行させるため、再生手続廃止決定・職権破産(250@)の方法による場合もある。
 なお、法文には記載がないが、廃止決定には、Cとして、債務完済可能による廃止もある。
 Dとして、次に解説する再生債務者の義務違反による廃止もある。
(2) 廃止理由2
 法192で、債権届出期間の経過後再生計画認可の決定の確定前において、再生手続開始の申立ての事由のないことが明らかになったときも、裁判所は再生手続廃止の決定をしなければならないこと、この場合には、申立人は、再生手続廃止の原因となる事実を疎明しなければならないことが、定められている。

2,再生債務者の義務違反による手続廃止−裁量的廃止事由
 また法193@で、再生債務者の義務違反による手続廃止が定められている。
 手続の廃止は、監督委員若しくは管財人の申立てにより又は職権でなされる。廃止理由は、@仮差押、仮処分その他の保全処分違反、A無許可営業譲渡、行為制限違反、B、再生債権認否書提出違反である。
 廃止決定をする場合には、再生債務者を審尋しなければならない(199B)。
 この廃止は、再生計画認可決定確定の前後可能。
 制裁的なものなので、裁判所の裁量による。

3,再生計画認可後の手続廃止
 法194は、再生計画認可の決定が確定した後に「再生計画が遂行される見込みがないことが明らかになったとき」は、裁判所は、・・・再生手続廃止の決定をしなければならない、とされている。
 この廃止は、再生計画認可後民事再生手続が継続する場合の廃止である。終結後は廃止決定は出来ない。この廃止決定には、利害関係人がいることから規則98条で、意見を聴くものとされている。

4,再生手続廃止の手順と効果
(1) 廃止の手続
 裁判所は、再生手続廃止の決定をしたときは、直ちに、その主文及び理由の要旨を公告しなければならない(195@)。利害関係者に知らせ、即時抗告の機会を与えるためである。前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる(195A。抗告期間は、官報公告の翌日から起算して2週間(法9、10)第1項の決定は、確定しなければその効力を生じない(195D)。
 再生計画認可の決定が確定した後にされた再生手続の廃止は、再生計画の遂行及びこの法律の規定によって生じた効力に影響を及ぼさない(195E)。
 監督命令や管理命令は、再生手続廃止の決定が確定したときは、終結決定と同じく、その効力を失うが、再生計画認可の決定が確定した後に再生手続廃止の決定が確定した場合は除かれる(195F)。
(2) 再生手続廃止の効果
 将来に向かって手続の効力を消滅させるのみ。
 それまでの行為の効力は覆滅しない。195EやF前段。例えば、法180B「その再生債権者表の記載により強制執行をすることができる。」等の効力をいう。
 ただし、法190@で、再生計画の履行完了前に、再生債務者について破産手続開始の決定又は新たな再生手続開始の決定がされた場合には、再生計画によって変更された再生債権は、原状に復する。ただし、再生債権者が再生計画によって得た権利に影響を及ぼさない。この点は会社更生法との相違点。

五 再生手続の終了等と破産手続への移行
1,職権破産
 法250@は、破産手続開始前の再生債務者について再生手続開始の申立ての棄却、再生手続廃止、再生計画不認可又は再生計画取消しの決定が確定した場合において、裁判所は、当該再生債務者に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をすることができる、と定める。破産手続開始決定は、裁判所の裁量によることになるが、実務上は例外なく破産手続が開始されているとされている。
 法250Aは、破産手続開始後の再生債務者について再生計画認可の決定の確定により破産手続が効力を失った後に、再生手続廃止又は再生計画取消しの決定が確定した場合には、裁判所は、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をしなければならない、と定め、これは義務的な破産手続開始決定になっている。ただし、250Aただし書きで、249@後段の規定による破産手続開始の申立てに基づいて破産手続開始の決定をする場合は、この限りでない、とされている。その法249@は、破産手続開始前の再生債務者について再生手続開始の決定の取消し・廃止・再生計画不認可の決定・再生計画取消しの決定(再生手続の終了前にされた申立てに基づくものに限る。)があった場合には、・・・当該決定の確定前においても、破産手続開始の申立てをすることができる、と定めている。ただ、249Aで、前項の規定による破産手続開始の申立てに係る破産手続開始の決定は、同項前段に規定する決定又は同項後段の再生手続廃止若しくは再生計画取消しの決定が確定した後でなければ、することができない。

2,保全処分
 上記の再生手続開始決定の申立の棄却・再生計画の不認可・再生手続廃止等の決定は、確定しなければ効力が生じないため、その間に財産散逸の恐れがあり、保全の必要がある。そこで、法251@は、再生手続の終了等に伴う破産手続開始前の保全処分等の規定を置いている。実務上は、監督員を破産手続開始前の保全管理人に選任する運用がなされている。

3,各種債権の処遇
 法252Eで、共益債権は、財団債権となる。
 未払の一般優先債権は、財団債権になる場合と優先的破産債権になる場合がある。
 再生債権は、破産債権になるが、法190@で、再生計画の履行完了前に、再生債務者について破産手続開始の決定又は新たな再生手続開始の決定がされた場合には、再生計画によって変更された再生債権は、原状に復する。ただし、再生債権者が再生計画によって得た権利に影響を及ぼさない。
 なお、法190Cで、再生債権であった破産債権については、再生計画により弁済を受けた場合であっても、従前の再生債権の額をもって配当の手続に参加することができる債権の額とみなし、破産財団に当該弁済を受けた額を加算して配当率の標準を定める。ただし、当該破産債権を有する破産債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の配当を受けるまでは、配当を受けることができない。・・・少額債権の優遇を受けた債権がある場合に、適用がある。
4,その他
 法252で、相殺の禁止や否認などの実体的規定の時期的要件に関しては、再生手続開始の申立て等が、破産手続開始の申立てとみなされている。
 また、法253条で、裁判所は、再生手続において再生債権としての届出があったものを有する破産債権者は当該破産債権の届出をすることを要しない旨の決定をすることができる。

 目次 次へ

ナビゲーション

専門家Webガイド マイベストプロ岡山

無料法律相談のお知らせ

    

事務所のご案内

【所在地】
〒700ー0807
岡山県岡山市北区南方1丁目8番14号

【業務時間】
平日 9:00〜18:00
土曜 9:00〜12:00
TEL 086-231-3535
FAX 086-225-8787


アクセスマップはこちら

携帯サイト

http://www.kikuchi-law.jp/m/
バーコードリーダーの機能を搭載している携帯電話で、QRコードを読み取り携帯サイトへアクセスしてください。
http://www.kikuchi-law.jp/m/