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借地

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<借地


1 一時使用の目的による土地の賃貸借契約
 私は友人から、モデルハウスの展示場とするため、5年間土地を貸してもらいたい、5年後は必要なときはさらに5年間更新させて欲しいと言われましたが、借地借家法3条によりますと、30年より短い期間の土地賃貸借契約の場合は30年になると聞きましたので、貸すことを拒否しました。
 そうしますと友人は、この土地賃貸借契約は、一時使用を目的にした賃貸借契約であるから、借地借家法3条の規定の適用はなく、5年後には必ず土地を返還しなければならないことになり、迷惑はかけないと言ってきました。友人の言うことを信じてもよいのですか。

 借地借家法3条は、「借地権の存続期間は、30年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。」と定めていますので、5年間の契約は無効になり、30年間貸さなければならないことになります。
 しかし、土地賃貸借契約が一時使用目的のものであれば、借地借家法3条は適用されませんので、5年間の期間が満了しますと、土地は返されることになります(同法25条)。
 それでは、モデルハウスの建築所有を目的とする土地賃貸借契約は、一時使用のための契約になるのでしょうか。答は、一時使用の契約とは言えません。
 借地借家法25条は、第3条から第8条まで、第13条、第17条、第18条及び第22条から前条までの規定は、臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合には適用しない、と定めていますが、一時使用の賃貸借契約とは、 「臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合」でないと認められないのです。
 モデルハウスを建築するというだけで、一時使用であることが明かであるとは言えないと思われます。また、友人が契約期間の満了後の更新を予定している以上、一時使用性を疑わせます。
 判例には、「土地賃貸借契約書の表題が「土地一時使用賃貸借契約書」であったとしても、賃借人が賃借後直ちに約200万円を投じて事務所及び倉庫用建物を建築し利用しており、賃貸人も賃借人の土地使用が短期間で終了するものでないことを承知していること、賃貸人に土地の返還を求めなければならない特段の事情がないこと、右契約は2回更新されていること、権利金の授受はなかったもののその後賃料が増額されていることからすれば、右賃貸借契約が一時使用であるとはいえない(平成8年11月13日東京高等裁判所判決)というものがあり、本件も一時使用性は否定されると思われます。
 ただ、判例の中には、JR秋葉原駅構内において飲食店経営を目的とする建物所有のための土地の使用契約についてですが、「その目的、使用期間等が限定されており、国鉄において必要と認めるときは返還すること等の条件が付けられていること、1年ごとの期間で更新がなされてきたこと、右営業の承認及び更新に当たり権利金、敷金、更新料の授受がなかったこと等の事情」から一時使用の賃貸借契約であるとされたものもあります(平成9年6月26日東京地方裁判所判決)。ただし、これは、公道に接していない土地であること、土地の半分近くはコンコース及び駅の清算事務室として使用されていること、駅構内にあること、駅舎の改造、駅設備の変更・新設等の必要が生じた場合には、直ちに鉄道事業の用に供される必要性が高い場所であること等が考慮された特殊のケースと考えるべきで、本件の場合は、当たらないと思われます。
 なお、一時使用貸借と言えるためには、期間の限定、使用目的の限定の外に、期間満了と同時に建物を取り壊しても、採算がとれるような建築物(簡易で取り壊しが容易なもの)であることが要求されます。

2 賃貸借契約と使用貸借契約の違い
 私は、昔、知人に、固定資産税だけは負担してもらう約束で、建物を建築して住居に使ってもよい、と言って、土地を無償で貸してあげていましたが、最近その方が亡くなったので、相続人に土地を返して欲しいと申し入れました。
 すると、相続人は、固定資産税を支払っているので、賃借権があるから、返すことはできないと回答してきました。相続人には、賃借権が認められるのですか。


 土地の賃貸借契約が認められますと、賃借権は相続人が相続しますので、貸主は土地の返還を求めることはできません。
無償で土地を貸した場合、それは使用貸借契約となり、借主が死亡すればその権利はなくなります(民法599条)ので、借主の相続人は貸主に土地を返還しなければなりません。
 それでは、借主が土地の固定資産税を支払っている場合は、どうでしょうか。
この場合は、固定資産税の支払いという有償での土地の貸借になるのか(賃貸借契約)、それとも、貸主にとっては実質的な賃料のない無償の貸借になるのでしょうか(使用貸借契約)。
答は、最高裁判所の判例が出しております。それによりますと、建物の借主が、建物を含む貸主所有の不動産に賦課された固定資産税等の支払を負担する等の事実があるとしても、右負担が建物の使用収益に対する対価の意味をもつものと認めるに足りる特段の事情のない限り、当該貸借関係は使用貸借であると認めるのが相当である(昭和41年10月27日最高裁判所第一小法廷判決)というものです。
 以上により、本件では、あなたは、借主の相続人に土地の返還を請求することができます。

3 借地条件により固定資産税が異なるか
 借地条件と固定資産税ー借地上の建物の用途で、固定資産税が変わることがあるのですか。

 土地の使用方法が、住宅用と非住宅用とで、固定資産税の額が異なります。
 土地の使用が住宅用から非住宅用に変わると、200u以下の部分について、固定資産税は6倍になり、200uを超える部分については3倍になります。
 本来固定資産税は、固定資産課税台帳に登録された金額を課税標準額として課税される(地方税法349条)のですが、住宅用地については、200u以下については、固定資産税の課税標準は、本来の課税標準となるべき価格の6分の1の額となり、200uを超える部分については、3分の1になっています(地方税法349条の3の2)ので、住宅用地が非住宅用地になれば、200u以下の部分について、固定資産税は6倍になり、200uを超える部分については3倍になるからです。

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