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遺留分5

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<【遺留分】5 生前贈与と遺留分



5 生前贈与と遺留分

1 遺留分とは 2 どうすれば遺留分が認められるのですか。 3 具体的な遺留分の計算 4 取り戻す方法 5 生前贈与と遺留分 6 遺留分減殺請求権の行使 7 差押え


5 生前贈与と遺留分
先日父が死亡しましたが、父は死亡前に、次のような贈与をしていました。
@ 死亡2年前に、相続人である兄に3000万円相当アパートと敷地の贈与
A 死亡1年半前に、相続人ではない祖母に1000万円の贈与
B 死亡11ヶ月前に、相続人ではない伯父に3000万円の自宅の贈与
C 死亡半年前に、相続人ではない伯母に1000万円の贈与そして父は遺言で財産の全部を兄に相続させると書いていました。
D 父の死亡の時、父の遺産は2000万円相当のものでしたが、遺言により兄が取得しました。負債はありませんでした。   相続人は兄と私の2人ですが、私には何の権利もないのでしょうか?

(1) 結論
 あなたには遺留分という権利がありますので、お父様が遺贈したり贈与した財産の一部を取り戻すことができます。

(2) 遺留分の意味と割合
 遺留分とは、一定の相続人に対して、法定相続分の一定割合を保障するための権利です。被相続人の子が相続人の場合は、遺留分として法定相続分の2分の1が認められます(民法1028条)。
 あなたの場合、相続人は2人ですので、法定相続分は2分の1、遺留分はその2分の1ですから、法定相続分の4分の1の遺留分が認められます。
 なお、遺留分を具体的に計算する場合は、遺留分算定の基礎となる財産を確定する必要があります。
 そして、遺留分は、遺留分算定の基礎となる金額の4分の1ということになります。

(3) 遺留分算定の基礎となる財産
   遺留分算定の基礎となる財産は、
    ア 被相続人が相続開始の時において有した財産の価額に
    イ 相続開始前の一年間に贈与した財産の価額と
    ウ それより前になされた、
     @ 相続人への婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本としてなされた贈与と、
     A 贈与の当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってなされた贈与を、加えたものになります(民法1029条・1030条外)。
 あなたの場合は、お父様が亡くなったときのDの2000万円相当の財産(アに相当)、@の死亡2年前の兄へのアパートと敷地3000万円相当分(ウ@に相当)、Bの死亡11ヶ月前の伯父への自宅3000万円相当分の贈与(イに相当)、Cの死亡半年前の伯母への現金1000万円の贈与(イに相当)が、遺留分算定の基礎となる財産になることは間違いありませんが、Aの死亡1年半前の祖母への1000万円の贈与はあなたのお父様と贈与を受けた祖母がともに、あなたの遺留分を侵害することを認識していた場合に(ウAの場合)、遺留分算定の基礎となる財産になります。
 しかし、この事例では、祖母への贈与の時点では、あなたのお父様にはまだ6000万円相当の財産があったのですから、祖母への贈与があなたの遺留分を侵害することはないため、ウAの要件を満たしませんので、結論として、祖母への贈与は遺留分算定の基礎となる財産になりません。
 それ以外の贈与7000万円に相続開始時の2000万円相当の財産合計9000万円が遺留分算定の基礎となる財産になります。

(5) 具体的な遺留分額
   あなたの具体的な遺留分の金額は、遺留分算定の基礎となる財産9000万円の4分の1ですから2250万円になります。

(6) 遺留分減殺請求金額と減殺請求の相手方
 遺留分の減殺は、まず遺贈からしなければなりません(民法1033条)。
 それでも不足する場合は贈与を減殺しますが、贈与を受けた人が複数いる場合は、後の贈与から順次前の贈与に対してすることになっています(民法1035条)。
 あなたの場合は、Dでお父様が亡くなられたときの遺産が全部兄に遺贈されていますので、まずこれから減殺の請求をします。
 あなたはこれで2000万円を回復します。
 その後は最も後の贈与であるCの伯母への贈与である1000万円のうちの225万円について減殺請求をすることができます。
 これで、2250万円を取り戻すことができます。
 これで遺留分額の全額を取り戻せますので、伯母への贈与の残り775万円やその前になされた贈与の減殺請求は認められません。

(7) 時効
 遺留分減殺請求権は、被相続人が亡くなった後、遺留分が侵害されたことを知ったときから一年以内に行使しなければ、時効によって消滅します。
 権利の行使方法は裁判による必要はありません。
 遺留分減殺請求をするという意思表示を相手方(ここでは兄と伯母)に対してするだけですが、後日の証明のため通常は内容証明郵便で通知をしています。


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