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相続5

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<【相続】5 遺留分と1年以上前の贈与



相続5 遺留分と1年以上前の贈与

1 はじめに −相続と遺産分割− 2−1 遺産分割 2−2 扶養と遺産分割 3−1 寄与分 3−2 相続人の嫁の寄与分 4 相続財産 5 遺留分と1年以上前の贈与 6 遺産分割協議をする相手方−特別代理人その他 7 遺産分割でもらった財産に瑕疵があったとき 8 遺産分割協議前の相続人の一人が勝手に家を建て始めたとき 9 相続に関する“おもしろ”判例

5 遺留分と1年以上前の贈与

 今般父が死亡し、相続が開始しましたが、兄が全財産を相続するとの遺言が作られていましたので、私は兄に対し遺留分減殺請求をしました。
 実は、兄は父が無くなるより3年も前に、今回の遺産1億円とほぼ同程度1億円の財産を父から生前贈与を受けていましたので、私は遺産と父が生前兄に贈与した財産を合わせた2億円を対象に遺留分4分の1の5000万円を請求したのですが、兄は、民法1030条には、1年以上も前の贈与は、遺留分の計算では無視されるので、私の遺留分としては遺産1億円の4分の1である2500万円しか認められないと言って私の要求を拒否しました。
 法的には兄の言い分の方が正しいものですか。


 結論から先に言いますと、あなたの計算の方が正しく、お兄さんの言い分は間違っています。
 まず、遺留分を算定する方法ですが、民法1029条1項では、「被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加え、その中から債務の全額を控除して、これを算定する。」と定めていますので、あなたの言われるとおり、お父さんが残された遺産に3年前にお父さんがお兄さんに贈与されたものの合計の4分の1があなたの遺留分になるのです。
 ところで、お兄さんの言い分は、民法1030条の規定を根拠にしたものですが、民法1030条は、「贈与は、相続開始前の1年間にしたものに限り、前条の規定によつてその価額を算入する。
 当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、1年前にしたものでも、同様である。」と定めていますので、3年前の贈与は、遺留分の計算の基礎となる財産には含まれないのではないかとの疑問が持たれても不思議ではありません。
 実際に、この民法1030条の規定があるため、お兄さんのような誤解が多いことは事実です。
 しかしながら、民法1030条の規定は、相続人が贈与を受けた場合は適用がないのです。
 これは、民法1044条で、遺留分には、民法903条を準用することを明記しているからです。
 民法903条というのは、遺産分割の際の相続取り分を決める際の基礎となる財産に、相続人が生前に贈与を受けていた財産があるときはそれを含めるという規定で、この場合の贈与については、期限を設けていないのです。
 したがいまして、遺留分を計算する場合、相続人に対する生前贈与は、民法1030条にかかわらず、すべて計算の基礎になるのです。
 最高裁判所平成10年3月24日判決も、「相続人に対する贈与は、...民法1030条の定める要件を満たさないものであっても、遺留分減殺の対象となるものと解するのが相当である。
 ただし、民法903条1項の定める相続人に対する贈与は、すべて民法1044条、903条の規定により遺留分算定の基礎となる財産に含まれるところ、右贈与のうち民法1030条の定める要件を満たさないものが遺留分減殺の対象とならないとすると、遺留分を侵害された相続人が存在するにもかかわらず、減殺の対象となるべき遺贈、贈与がないために右の者が遺留分相当額を確保できないことが起こり得るが、このことは遺留分制度の趣旨を没却するものというべきであるからである。」と判示し、この理を明らかにしております。




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