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相続9

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<【相続】9 相続に関する“おもしろ”判例



相続9 相続に関する“おもしろ”判例

1 はじめに −相続と遺産分割− 2−1 遺産分割 2−2 扶養と遺産分割 3−1 寄与分 3−2 相続人の嫁の寄与分 4 相続財産 5 遺留分と1年以上前の贈与 6 遺産分割協議をする相手方−特別代理人その他 7 遺産分割でもらった財産に瑕疵があったとき 8 遺産分割協議前の相続人の一人が勝手に家を建て始めたとき 9 相続に関する“おもしろ”判例

9 相続に関する“おもしろ”判例


1,相続開始前の推定相続人には何の権利も認められない。
 推定相続人とは、将来、相続が開始したとき順位1番の相続人になる地位にある者をいいます。
 この地位は権利とは認められていません。
【判例に現れた事案】

  • 最高裁昭和30.12.26判決
     XはYの養子です。
     ですからYの推定相続人になるのですが、Yは自分の死後財産がXに相続されるのを嫌い、財産をZに仮装譲渡し、Z名義に所有権を代えてしまいました。
     そこで、Xは推定相続人の地位に基づき、Y→Z間の売買契約の無効確認と、所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えを起こしましたが、最高裁昭和30.12.26判決は、推定相続人の地位は、将来被相続人になる者が死亡したときに、相続人になることを期待できる地位にあるだけのものでしかなく、権利はないので、これらの請求はできないと判示しました。
      
【対応策】

 将来Yが死亡して相続人になったときなら、上記訴訟を起こすことができます。


2,離婚が決着していない配偶者を相続人から廃除することは可能
【判例に現れた事案】

  • 大阪高裁昭和44.12.25決定
    廃除は、遺留分を有する推定相続人の相続権を剥奪することを目的とする制度である。
    配偶者の一方に著しい非行がある場合、被相続人となる配偶者が、相手方の非行を理由に離婚を請求するか、または離婚請求をせずに推定相続人の廃除を請求するかは、当該配偶者の自由である。
【対応策】

 離婚訴訟中の配偶者でも相続権はあります。
 遺言で、他の推定相続人や第三者に財産を取得させることにしても、配偶者には遺留分という権利(法定相続分の2分の1)があります。
 その遺留分を行使させたくない場合はこの方法によることになります。


3,内縁の妻は相続人ではないが、借家権の援用により、借家には住むことが出来る。
【判例に現れた事案】

  • 最高裁昭和42.2.21判決
     内縁の妻には相続権はありません。
     内縁の夫が死亡すれば、その相続人が借家権を相続します。
     しかしながら、内縁の妻は、内縁の夫の相続人が持つ借家権を援用すれば、借家に住むことが出来ます。
     この場合、内縁の妻は借家人になるわけではないので、未払い賃料があるとき、その支払義務を相続することはありません。
     しかし、家主が、家賃の未払いを理由に相続人に対し建物賃貸借契約を解除すれば、内縁の妻の居住権はなくなります。
【対応策】
 内縁の妻は、第三者弁済により、未払い家賃を支払えば、借家に居住することができます。


4,公営住宅の賃借権は相続の対象にはならない
【判例に現れた事案】

  • 最高裁平成2.10.18判決
     公営住宅は社会保障目的で運営されてるもの、「相続人が公営住宅を使用する権利を当然に承継すると解する余地はないというべきである。」
 

5,届出をしていない養子(「事実上の養子」)や内縁の妻は相続人ではないが、事実上の養父や内縁  の夫との間に生前贈与契約を結んでいたと認定されると、遺贈と同じ扱いを受けることができる。
【判例に現れた事案】

  • 広島地裁昭和49.2.20判決・東京地裁平成3.11.8判決
     広島地裁昭和49.2.20判決は、Aが事実上の養子Bに対し「自分が死んだらこの不動産はお前にやる」と言って、その不動産につき所有権移転請求権保全仮登記手続をしたケースで、AとBとの間に死因贈与契約があったと認定しました。
     東京地裁平成3.11.8判決は、内縁の夫Aが内縁の妻B名義で、信託銀行に貸付信託として預託し、その通帳をBに渡し「大事にするように」と言ったケースで、AとB間にAの死亡を原因として貸付信託債権を贈与する契約があった、また、信託銀行はAがB名義で貸付信託契約をすることを認容しているので、その貸付信託債権の譲渡を承諾していた、と認定しました。
【対応策】
 事実上の養子や、内縁関係にある事実上の夫婦には相続権はありませんが、以上のような事実から死因贈与契約があったと認定されると、遺贈と同じ扱いを受けますので、事実上の養親や内縁の夫が生きている間に、財産を関する形に残る何らかの約束(理想は、死因贈与契約書を取り交わす)をしておくべきでしょう。


6,共同相続人の1人が、遺産を単独で占有しても、時効による取得は認められないが、その者が自分が単独でその遺産を相続したと誤信していた場合は、時効取得が認められる。
【判例に現れた事案】
  • 最高裁昭和47.9.8判決
         戦前、戸主相続(家督相続)があった時代に、共同相続があったに過ぎないのに、戸主相続があったと誤信し、それ以後、遺産を所有の意思をもって占有すれば、その占有開始の時から20年間の経過で、その遺産を時効取得する。   
【対応策】
 戸主相続の制度のない現在では、このような事案は少ないでしょう。
 通常の共同相続では、相続人の1人の占有は、他の共同相続人のために事務管理と考えられ、取得時効の要件の1つである「所有の意思」はないものとされています。


7,連帯債務者の1人が死亡した場合、相続人は、法定相続分のみを相続する。
【判例に現れた事案】
  • 最高裁昭和34.6.19判決
     甲、乙、丙が100万円の連帯債務を負い、甲が死亡したとき、相続人として妻と長男、二男がいる場合、妻は50万円、長男と二男は、それぞれ25万円だけ債務を相続する。


8 (1) 預金債権は、可分債権として分割され、当然に、各相続人が法定相続分に応じた権利を取得する。
【判例に現れた事案】
最高裁昭和29.4.8判決
8 (2) 共同相続人の1人が、自己の相続分を超えて被相続人の預金の払い戻しを受けた場合、他の共同相続人は、それぞれの法定相続分の限度で、払い戻しを受けた相続人にたいし、不当利得を原因として、その返還を請求することができる。
【判例に現れた事案】
最高裁平成16.4.20判決


9 (1) 相続開始後、遺産分割が実施されるまでは、共同相続された不動産は共同相続人全員の共有に属し、各相続人は当該不動産につき共有持ち分を持つことになるので、その不動産が相続人に1人の単独所有の登記名義を有しているときは、他の相続人は、その者に対し、共有持分権に基づく妨害排除請求として、自己の持ち分についての一部抹消等の登記手続を請求することができる。
【判例に現れた事案】
最高裁昭和53.12.20判決
9 (2) 共同相続人の1人が、遺産である不動産につき、単独所有名義で相続登記をし、その不動産を第三者に売却して買主に所有権移転登記手続をした場合、他の共同相続人は、自分の持ち分についての登記が無くとも、買主に対し、権利行使ができる。   
【判例に現れた事案】
最高裁昭和38.2.22判決   

【実務での注意】      
 相続によって取得した者から不動産を購入する場合、万一、その相続登記に問題があるとき、完全なる不動産が取得できない場合があるのです。
 これは、無権利者から不動産を購入した買主を保護する(取引保護=動的安全保護の要請)よりも、権利侵害された相続人を保護する(静的安全の保護の要請)方を優先した考えによるものです。


10, 遺産であるマンションの家賃は、相続人が法定相続分に応じて取得できる。   
【判例に現れた事案】
  • 最高裁平成17.9.8判決
     遺産は、遺産相続が開始した後遺産分割までの間は、共同相続人の共有に属するものである。
     この間に遺産であるマンションから生じた家賃債権は、遺産とは別個の財産であり、各共同相続人がその相続分に応じて分割され、各相続人は分割された家賃債権を単独で確定的に取得する。
     遺産分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずるものであるが、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得した上記賃料債権の帰属は、後にされた遺産分割の影響を受けないものというべきである、と判示。


11, 遺産分割協議が成立しても、その旨の登記をしないでおれば、その後、利害関係を有するに至った第三者に対しては、遺産分割の結果を対抗することができない   
【判例に現れた事案】
  • 最高裁昭和46.1.26判決
    遺産分割の調停が成立したが、その旨の登記手続をしないでいた間に、相続人の1人に対する債権者が、債権者代位権によって、その不動産につき法定相続分による相続登記をし、その相続人の持ち分に仮差押をした事案で、それは有効であると判示。
    理由として、最高裁は、遺産分割は、相続開始の時に遡ってその効力を有するものではあるが、第三者に対する関係では、遺産分割時に新たな権利変動が起こるのと変わらないので、遺産分割により権利を取得した相続人は、その権利取得を登記しておかないと、その後権利関係を有するに至った第三者には、民法177条により対抗できない、と判示。
【対応策】
 遺産分割協議が出来たら、すぐに登記手続をしておくことです。


12, 遺言による指定相続分の取得は登記なくして、第三者に対抗できる
【判例に現れた事案】
  • 最高裁平成5.7.19判決
    事案を単純化して時系列に事実を書いていくと、     
    @ 被相続人は遺言を書いていたが、相続人間でその効力について紛争が生じ、調停中であった。
     相続人は4人の子であった。
    A その後相続税の納税時期が来、延納許可を得る必要上、相続人間で話し合って、暫定的処置として、不動産に法定相続分による相続登記をし、延納手続をした。
    B この延納による旧大蔵省の債権を担保するために、不動産の上に抵当権設定登記がなされた。
    C その後、相続人の1人Aが、登記された自己の所有権持ち分4分の1を第三者に譲渡し、その旨の登記手続を済ませた。
    D その後B記載の抵当権の実行により、不動産は公売に付され、Cの第三者は権利を喪失した。
    E Cの第三者は、権利を喪失したことによる損害を受けたことを理由に、他の共同相続人に対し清算を求めたが、第三者がCで4分の1の共有持ち分を買ったAの、遺言による指定相続分は80分の13であった。
     最高裁は、相続人であるAから、登記された持ち分4分の1を購入した第三者は、Aの指定相続分は80分の13しかないので、80分の13しか権利を取得していない、登記を信用したとしても、登記には公信力(登記の内容が真実だと信じた者を保護する効力)はない、と判示して、それを超える金額についての請求を認めなかった。
【実務への対応策】      
 法定相続分で相続登記がなされている不動産については、裁判所も、その登記は相続人の1人でもできる保存行為によるものもあり、その登記を信じた者を保護しない、という考えを持ってい ますので、法定相続分で登記されている不動産については、その原因などを調べて取引することが必要です。


13,共同相続人間でする相続分の譲渡に伴う農地の権利移転には、農地法上の許可は要しない。
【判例に現れた事案】
  • 最高裁平成13.7.10判決
       最高裁平成13.7.10判決は、法定相続分による相続を原因とする所有権移転登記手続がなされている農地につき、共同相続人の持ち分を他の共同相続人へ、相続分の贈与を登記原因とし て、移転登記手続を申請することができると判示。


14,妻の内助の功は寄与分にはならない
【判例に現れた事案】
  • 最高裁昭和36.9.6判決、高松高裁昭和48.11.7決定
    妻の内助の功は、妻に認められた法定相続分の形で定型化されている、と考えるべきである。
【例外】      
 事業の共同経営など一般的な寄与の程度を超える特別の寄与をしたと認められると寄与分が 認められる。


15,被代襲者(相続人の父)やその妻(相続人の母)の寄与を、相続人の寄与として認めた事例
【判例に現れた事案】
  • 東京高裁平成1.12.28決定は、農業後継者である長男Bが農業を継いで、その妻Cとともに農業に従事して、被相続人Aの財産の維持、増加に貢献したが、Bは被相続人Aより先に亡くなったことから、BとCの子(被相続人Aの孫)が相続人になった事案で、BとCの寄与はその相続人であるDの寄与と同視できるとして、相続財産額の半分を寄与分として認めました。
【民法904条の2】
 寄与分を認める法律の規定です。
 「共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、900条から第902条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。」
 なお、904条の2が引用している900条は法定相続分を定める規定、901条は代襲相続人の相続分を定める規定、902条は遺言による相続分の指定に関する規定です。
 これによって、明らかなように、遺言による相続分の指定があっても、寄与者は、寄与分の請求が出来るのです。


16,黙示の持戻免除の意思表示が認められた事例
【判例に現れた事案】
  • 東京高裁平成8.8.26決定は、夫が、自宅の土地の持分5分の4を、老境にある後妻に贈与をし、その数ヶ月後に死亡するや、先妻の子が遺産分割の申立をした事案で、他に後妻のこれからの生活を支えるに足る資産や自宅がないのであるから、夫が後妻に贈与したとき、暗黙のうちに持ち戻し免除の意思表示をしたものと解するのが相当であると判示しました。

【民法903条の特別利益の制度】      
 民法903条1項は、特別受益者の相続分に関し「共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前3条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。」と規定しています。
 この制度は、相続人間の公平と平等を図るための制度です。
 相続人のうち一部の者が生前被相続人より贈与を受けているときは、その贈与を受けた財産の評価額(これを「特別利益」という)を相続開始時の財産に加え(これを「持ち戻し」という)、法定相続分または指定相続分を算出し、特別利益を受けていた相続人は、その相続分から特別利益分が控除される制度ですが、被相続人が生前、持戻免除の意思表示をしているときは、この規定の適用を受けません。
 3項に「被相続人が前2項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。」と規定しているところです。
 この持戻免除の意思表示は、明示的にされていなくとも、贈与の時期、内容などから黙示的になされたものと解釈できる場合があるということです。


17,父Aが遺産を遺して死亡し、その後母Bが遺産を遺さないで死亡したが、母は相続人の1人Cに特別利益を得させていた場合、他の相続人は、CがBから特別利益を受けていたことを理由に、母の遺産分割を請求し、Cに対し持ち戻しの請求が出来る
【判例に現れた事案】
  • 最高裁平成17.10.11決定      
     父が死亡したとき、当然に分割される遺産(銀行預金などの可分債権)ではない遺産(不動産や現金、株券など)があるときは、相続開始時から遺産分割までの間、その遺産は共同相続人の共有に属す。この遺産共有における「共有」とは「共有物の共有」と同じである(この理は最高裁昭和30.5.31判決で採用)から、この共同相続人が取得する遺産の共有持分権は、実体上の権利で あって、遺産分割の対象になる。
     つまりBはB自身の資産はなくとも夫Aの遺産に対する妻としての法定相続分(共有持分)という資産を有しているのであるから、その資産を相続人が取得するには,Bの遺産分割の手続を経る必要がある。
     その際、C以外の相続人はCがBから特別利益を受けていることを主張し、その持ち戻しを請求することができる。

【実務への影響】      
 この理は寄与分の主張でもできることになります。
 実務では、母親への寄与や貢献は、父の遺産相続には影響を及ぼさないと考えられがちですが、父の遺産の一部(共有持分)を母が相続し ているので、母自身固有の資産はなくとも、その母が父より相続した資産の分割協議の中で、寄与分の申立もできることになるのです。


18(1) 共同相続人の1人が遺産分割の前に、特定の不動産につき有する共有持分権を第三者に譲 渡した場合に、第三者が共有関係を解消するためになし得る手続は、共有物分割訴訟による。
【判例に現れた事案】
  • 最高裁昭和50.11.7判決
     共同相続人ABCの1人Aが特定不動産について有する共有持分権を第三者に譲渡した場合、当該譲渡部分は遺産分割の対象から逸出する。
     第三者が共有関係を解消する方法は、A以外の共同相続人であるBとCを相手方として共有物分割請求である。
     第三者とB,Cが共有物分割をしたときは、第三者が取得する部分を除いてはなお遺産分割の対象になる。
18(2) 逆に、共同相続人の1人から他の共同相続人に対し共有物分割請求は認められず、その場合     は遺産分割審判の手続によらなければならない。
  • 【最高裁昭和62.9.4判決】


19,親権者が2人の子を代理した遺産分割協議は無効
【判例に現れた事案】
  • 最高裁昭和49.7.22判決
     親権に服する子が2人ある場合の母(母は相続人ではない)は、1人の子の代理しかできない。
     それ以外の子には特別代理人を選任して遺産分割協議をしなければならないが、これに違反した遺産分割協議は、被代理人全員による追認がない限り無効になる。


20,遺産分割の協議で定めた約束事を履行しない場合に、債務不履行を理由とする遺産分割協議の解除はできない。
【判例に現れた事案】
  • 最高裁平成1.2.9判決
    法的安定性を重視したもの


21,遺言が存在することを知らないでした遺産分割協議は、特段の事情がない限り、錯誤により無効となる。
【判例に現れた事案】
  • 最高裁平成5.12.16判決


22,代償分割は代償金を支払うことになる相続人に資力があることが要件
【判例に現れた事案】
  • 最高裁平成12.9.7
    遺産分割の方法の1つに、代償分割があります。
     代償分割とは、家事審判規則109条「家庭裁判所は、特別の事由があると認めるときは、遺産の分割の方法として、共同相続人の一人又は数人に他の共同相続人に対し債務を負担させて、現物をもつてする分割に代えることができる。」を根拠に、遺産を法定相続分又は指定相続分に応じて現物で分割するのではなく、一部の相続人には、相続分を超える現物を与え、その相続人から、その中の相続分を超える価値を、現金で、相続分をもらえない他の相続人へ支払うことを命ずる方法です。
    最高裁は、この遺産分割の方法を選択するには、代償金の支払いを命ぜられる相続人に、支払能力があることを要件としたのです。


23,遺産中、被相続人より使用借権の設定を受けた特定の不動産の価値は3割との裁判例
【判例に現れた事案】
  • 東京高裁被相続人9.6.26決定
     この裁判例では、被相続人より無償で土地を借り、園芸店を経営していた相続人の権利を、土地の価格の3割とみています。


24(1) 遺産分割協議の結果、特定の相続人が遺産を取得せず、債権者を害することになった場合、     債権者は災害行為取消権を行使できる
【判例に現れた事案】
  • 最高裁平成11.6.11判決
24(2) 相続放棄は、詐害行為取消の対象にはならない
【判例に現れた事案】
  • 最高裁昭和49.9.20判決。
    なお、債権者を害する相続放棄でも有効だとする最高裁昭和42.5.30判決があります。


25,相続放棄の申述が裁判所に受理された場合でも、その受理が民法715条の要件「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に」したのでないときは、相続の放棄は無効であるので、債権者は訴訟でその無効を主張することができる。
【判例に現れた事案】
  • 最高裁昭和29.12.24判決


26,相続放棄の申述書には、家事審判規則114条2項で「申述者又は代理人がこれに署名押印しな   ければならない。」と定められているが、記名押印でも有効
【判例に現れた事案】
  • 最高裁昭和12.12.21判決
    ただし、署名押印できない特別の理由があるときとされています。


27(1) 共同相続人の中に1人に遺産を取得させる目的で、その他の相続人が相続放棄をした場合、他の相続人全員が相続放棄をするに至らず目的が達成できなかったとしても、錯誤による無効は主張できない
【判例に現れた事案】
  • 最高裁昭和40.5.27判決
    相続放棄は法律行為ですので、その要素に錯誤があれば無効になるのですが、この件の錯誤は動機の錯誤になり、要素の錯誤にはあたらないとされたものです。
27(2) 動機に錯誤があったので、相続放棄は無効だとする裁判例
【判例に現れた事案】
  • 福岡高裁平成10.8.26判決
    動機に錯誤があり、その錯誤が裁判所において表明されたとき、又は、相続の放棄により事実上及び法律上影響を受ける者に対して表明しているときは、相続放棄の真実は錯誤により無効と されます。


28,相続放棄をしても生命保険金の受取人は保険金を受け取ることが出来る
【判例に現れた事案】
  • 福岡高裁平成10.12.22決定
    この事案は、保険金を受け取ったと後の相続放棄の申述を認めたもの


29,共有者の1人が相続人なくして死亡した場合の共有持分の行方
【判例に現れた事案】
  • 最高裁平成1.11.24判決
    民法225条は、「共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。」と規定は、共有者の1人が相続人なくして死亡した場合、その共有持分は当然に他の共有者に帰属するように読めますが、最高裁は、他の財産と別に取り扱う必要を認めず、民法958条の3に規定「・・・相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。」を優先して適用するものと判示しました。


30,特別縁故者が相続財産管理人に対し財産の分与を求める申立の前に亡くなったときは、その地位は承継されない
【判例に現れた事案】
  • 東京高裁平成16.3.1決定




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