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消費者問題

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<消費者問題
【特定商取引】

【訪問販売】

【クーリングオフ】

【ネガティブ・オプション】
1 ネガティブ・オプション

【特定商取引】


1 特定商取引とはどのような取引を言うのですか
特定商取引とは、次の(1)ないし(6)の取引です。
(1) 訪問販売
(2) 通信販売
(3) 電話勧誘販売
(4) 連鎖販売取引・マルチ商法・ねずみ講
(5) 特定継続的役務提供
(6) 業務提供誘引販売取引

2 特定商取引法(旧訪問販売法)は、消費者をどのような取引から保護しているのですか。

 特定商取引とネガティブ・オプションから保護しております。

3 保護の内容は何ですか。

消費者保護のため、
 (1) 業者の行為を規制する方法(行為規制)があります。
 これは、販売業者や役務提供事業者に、禁止行為を定める外、書面交付義務を課したり、業者の氏名又は名称及び商品若しくは権利又は役務の種類を明らかにする義務を課したりし、これに違反した場合に、刑事罰(法人に対しては最高刑が3億円以下の罰金、個人に対しては最高刑が2年以下の懲役あるいは300万円以下の罰金、またはこれらの併科)や行政処分(1年以内の業務停止など)を科す方法です。
  また、
 (2) 民事的な効力規定というわれる規定を設ける方法です。消費者に、商取引を、損害賠償をすることなく一方的に解約(クーリング・オフ)する権利を与える等の方法です。

4 クーリング・オフができる取引

 平成16年の改正で、クーリング・オフに関する規定も改正・整備されました。
  現在、クーリング・オフできる取引は、
 
  • 訪問販売(8日)
  • 電話勧誘販売(8日)
  • 連鎖販売取引(20日)
  • 特定継続的役務提供(8日)
  • 特定継続的役務提供(8日)
  • 業務提携有印販売取引(20日)
です。
  通信販売はクーリング・オフができません。

【訪問販売】

1 訪問販売とはどのような取引ですか。

 訪問販売とは、
  @ 主体  販売業者又は役務提供事業者が
  A 相手方 購入者に対し、
  B 場所  営業所等以外の場所において、
  C 対象  指定商品・指定権利の販売又は役務を有償で提供する契約の、
  D 行為  契約の申込みを受け、若しくは役務提供契約を締結して行う取引
です。
  従いまして、販売業者又は役務提供事業者の営業所等での取引は、訪問販売ではありませんが、キャッチセールス(同行型販売)、アポイントメントセールスの目的隠匿型呼出販売、アポイントメントセールスの有利条件型呼出販売と言われる取引については、営業所等(営業所・代理店・露店・屋台その他これに類する店)での取引であっても、特定商取引法の適用があり、消費者にクーリング・オフ等の権利が認められます。

2 訪問販売をする販売業者または役務提供者とは何ですか。
 販売業者とは、指定商品や指定権利を販売する業者、役務提供者とは、指定役務を提供する企業をいいます。

3 取引の対象となる指定商品・指定役務・指定権利とは何ですか。
 国民の日常生活にかかる取引において販売・提供される政令で定める物品、施設を利用しまたは役務の提供を受ける権利、有償で提供される役務とされており、具体的には指定商品については政令3条別表1、指定権利は別表2、指定役務は別表3の通りです。

4 役務の提供と役務の提供を受ける権利とはどのように違うのですか。
 役務の提供とは、役務提供業者自身が契約当事者となる場合をいい、役務の提供を受ける権利とは、役務提供契約上の権利を別の業者が販売する場合をいいます。例えば、ゴルフ場を経営する業者自身が会員を募集する場合は、ゴルフ会員契約という役務の提供契約となり、別の業者がゴルフの会員権を販売する場合は、ゴルフ施設を利用する権利の販売となります。

訪問販売とクーリング・オフ


1 クーリング・オフ
  私は、訪問販売に来た業者のすすめを断れず、高価な貴金属を買う契約を結んでしまいました。その際、信販会社に出す書面にも署名押印しましたが、解約できるでしょうか。

 業者の営業所等以外の場所において、指定商品、指定権利、指定役務(サービス)の売買契約、役務提供契約の申込や契約をした場合は、業者がクーリングオフに関する書面をくれることになっていますので、その書面を受領した日を含め八日間は、書面により売買契約や役務提供契約の申込みの撤回又は売買契約や役務提供契約の解除をすることができます。これをクーリングオフといいますが、クーリングオフをしたからといって、損害賠償の請求がなされることはありません。特定商取引に関する法律(旧訪問販売法等)9条で定められている権利です。割賦販売業者の場合は、割賦販売法4条の4で同じ規定があります。
  なお、クーリングオフの制度は、宅地建物取引業法37条の2にも定められており、宅地建物取引業者が売主となる宅地又は建物の売買契約について、事務所等以外の場所において、宅地又は建物の買受けの申込みをした者又は売買契約を締結した買主は、クーリングオフができることになっております。
クーリングオフをすると、あなたは貴金属の売買契約から解放されます。信販会社への手続が完了して、信販会社から販売会社に代金が支払われていた場合でも(通常は、この時点では信販会社も立替払いはしていないはずですが)、前述の抗弁権の接続の効果により、あなたは信販会社に支払をする義務はありません。

2 クーリング・オフの趣旨
 クーリング・オフとは、どのようなことをいうのですか。また、クーリング・オフ制度の立法趣旨はなんですか。

 クーリング・オフとは、指定商品の売買契約締結前ならば、その契約の申込の撤回をすることができること、契約が結ばれた後ならば、その契約の解除を行うことができることをいいます。業者よりいわゆる法定書面といわれる書面を受け取った日から数えて、8日以内です。撤回や解除は、無条件、無償でできます。
  クーリング・オフ制度が設けられたのは、突然の訪問を受け、十分な情報や熟慮の時間がなくて契約の申込をしたり契約を結んだ人に熟慮の時間を与えるためです。

3 クーリング・オフを知らされなかった場合
 訪問販売に来た人に勧められて、化粧品の売買契約を結んだのですが、その契約書にはクーリング・オフができるということが書いていませんでしたので、クーリング・オフができるということを知らずに8日間が経過しました。
 このような場合でも、クーリング・オフができるのですか。

 できます。業者は、契約後8日経過するまではクーリング・オフができることその他の事項を記載した書面を交付する義務があり、これをしない場合は、いつまでもクーリング・オフができるのです。
  ただし、現金取引の場合は、法定書面にはF支払時期・方法とG商品引渡時期の記載は不要です。これは現金決済の場合は必要がないからです。

4 法定書面
 8日経過後はクーリング・オフができなくなるのは、業者から書面の交付を受けている場合ということですが、その書面とはどんな書面ですか。

 特定商取引法4条と5条に定めている書面です。これを法定書面ということがあります。すなわち、法定書面とは、業者が購入者から契約の申込を受けた時や、購入者との間で契約ができた時に交付しなければならない書面のことで、次の事項を記載したものです。
  @事業者名等
  A担当者名 
  B商品名等 
  C型式・種類
  D数量
  E販売価格
  F支払い時期
  G商品の引渡時期
  Hクーリング・オフ
  I契約日
  J瑕疵担保責任
  K契約解除事項
  ただし、現金取引の場合は、法定書面にはF支払時期・方法とG商品引渡時期の記載は不要です。これは現金決済の場合は必要がないからです。

5 クーリング・オフ期間
 法定書面の交付を受けないで、契約を結んだ購入者はいつまでもクーリング・オフができるということですか。2年以上経過していてもクーリング・オフはできるのですか。

 できます。売買契約の際、業者は前述の通り、クーリング・オフができることを書いた書面の交付が義務づけられています。その義務を果たさないときは、購入者は何時までもクーリング・オフをすることができます。

6 不備な法定書面
 法定書面の交付を受けたが、その内容が不備である場合はどうですか。

 法定書面の内容が不備な場合は、法定書面の交付を受けていないのと同じに扱われますので、いつまでもクーリング・オフをすることができます。
  神戸簡裁平成4年1月30日判決(判時1455号140頁)は、家屋を一部取り壊してカーポート兼バルコニーを設置する工事を訪問販売で行った(指定役務提供契約)事案について、交付された書面にクーリング・オフの記載が無いことから、この書面は法5条に規定する法定書面とは認められず、クーリング・オフの期間は進行しないとして、8日経過後のクーリング・オフを認めております。また、東京地裁平成5年8月30日判決(判タ844号252頁)は、契約書には品名欄にユニウォール21、数量欄に1式、小計と合計欄に373万円と記載しただけの書面は、法定書面ではないとして、契約締結から2ヶ月半後のクーリング・オフの行使を有効と認めております。

7 現金取引とクーリング・オフ
 現金取引をした場合でも、クーリング・オフはできるのですか。

 できます。ただし、3000円未満の現金取引の場合は、クーリング・オフができません。
8 契約履行後のクーリング・オフ
  訪問販売でゴルフ会員権を購入し、代金も支払い、プレーまでしたのですが、その場合でも、業者から法定書面の交付を受けていない時は、クーリング・オフ ができるのですか。

 東京地裁平成6年6月10日判決(判タ878号228頁)は、ゴルフ会員権の訪問販売で、法定書面を交付しなかった事案につき、会員権売買契約の申込及び頭金支払いの1年4ヶ月経過しており、その途中で残金の支払及び会員登録が行われた時からでも7ヶ月経過しており、その間数回ゴルフプレーをしている場合であっても、クーリング・オフの行使は有効であると認めております。また、平成8年4月18日判決(判時1594号118頁)は、ゴルフ会員権の訪問販売で、法定書面の交付自体が無かったため、2年半以上経過後でのクーリング・オフの行使を有効と認めております。

9 クーリング・オフしないという契約の効力
  訪問販売に来た業者から、契約の際に、この契約についてはクーリング・オフをしないと約束させられた場合には、クーリング・オフはできないのですか。

 クーリング・オフに関する規定は強行規定で、クーリング・オフをしない旨を約束しても、その約束は無効です。なお、このような契約を結んだ業者には罰則の適用があります。

10 クーリング・オフをすれば違約金を支払うという契約の効力
 契約で、クーリング・オフをした場合は、業者に違約金または損害賠償請求をすると約束している場合は、クーリング・オフをすれば違約金を支払うことになるのですか。

 そのような約束は無効です。業者は解除に伴う損害賠償または違約金の支払いを請求できないことになっております。なお、このような契約を結んだ業者には罰則の適用があります。

11 クーリング・オフができない場合
 契約によっては、クーリング・オフができない場合もありますか。

 あります。契約者が営業のため、もしくは、営業として締結する取引は、適用はありません。また、住居での取引を請求した購入者に対する訪問販売の場合は、業者には氏名等の明示義務の適用はありますが、その他の適用はなく、このような取引についてはクーリング・オフの行使はできません。熟慮期間を与えてあげる必要がない取引だからです。
12 クーリング・オフの方法
 クーリング・オフはどのようにするのですか。

 書面によりすることになっております。ここでFAXや電子メールによるクーリング・オフの行使が認められないかが問題になりますが、クーリング・オフの意思表示を紙に記載してFAXで送信し、受信した業者のFAX機器から紙にプリントアウトされて送信文が届く方式であれば、書面により行使したと評価されますが、業者のFAX受信文がディスプレイに表示されただけの場合や、電子メールによって送信した場合は、「書面により」という要件を欠くのではないかという疑問があります。ただ、裁判例では口頭によるクーリング・オフを有効と認めた例もあり、学説の多数も近年は口頭のクーリング・オフも認めております。ただ争いが生じたときに証拠となし得る内容証明郵便でクーリング・オフをするのがよいでしょう。
13 クーリング・オフの効果
 クーリング・オフをすると、どうなりますか。

 クーリング・オフをすると、代金が未払の場合は、代金の支払い義務が消滅し、代金が支払済の場合は、代金の返済を求めることができます。引渡を受けた商品は、返還することになります。
14 クーリング・オフによる原状回復の費用負担者
 クーリング・オフの後、商品を返品する場合は、誰の費用で返品することになるのですか。

 商品等の現状回復費用は、販売業者の負担になります。また、役務提供契約については、履行済の役務の対価やその他の利益は、消費者が支払う義務はありません。契約に関して支払った金銭は、消費者が返還を請求できます。工作物の原状回復費用は事業者の負担になります。

15 商品消費の場合のクーリング・オフ
 指定商品を消費した時でも、クーリング・オフはできるのですか。

 原則として、クーリング・オフの行使は可能です。ただ、政令で規定した指定消耗品と言われる消耗品については、交付書面中にその商品を使用・消費するとクーリング・オフができなくなる旨記載している場合には、消費者が契約後商品の全部又は一部を消費すればクーリング・オフができなくなります。その指定消耗品とは、政令別表4に書かれている、化粧品・合成洗剤・コンドーム等7種目の品目です。

16 商品使用の意味
 その場合、その全部もしくは一部を使用した時とはどのような場合をいうのですか。

 それは単に製品の包装を解いた程度ではなく、消費者自らの行為により当該消耗品の価値が著しく減少し、回復が困難になった状態をいいます。

17 化粧品の消費
 口紅やマニキュア、オーデコロン等の化粧品セットの内、口紅の一部を消費した場合、他の化粧品の売買契約のクーリング・オフはできないのですか。

 そうではありません。消費・使用した場合にクーリング・オフができなくなる範囲は、購入した商品全部ではなく、当該商品について通常販売されている商品の最小単位が基本となります。残りの商品が単品として販売可能ならば、当該販売業者がこれを単品商品として取り扱っているかどうかに関わらず、クーリング・オフは可能です。従って、1本の口紅の一部を消費した場合、その口紅についてのみクーリング・オフができなくり、その他の化粧品はクーリング・オフができることになります。

18 乗用自動車のクーリング・オフ
 乗用自動車については、クーリング・オフができないと聞きましたが、事実ですか。

 法9条1項本文かっこ書きで、指定所品の内、政令4条によって指定された商品(乗用自動車のみ)はクーリング・オフができないことになっております。ただ、その場合書面中に「この商品については、クーリング・オフができない旨」記載していなければなりません。乗用自動車の場合は、その販売条件についてその交渉が販売業者と購入者との間で相当の期間にわたって行われることが通常の対応であることから、他の指定商品の訪問販売におけるような危険がないとされているからです。

19 キャッチセールス
 私は、商店街を歩いていて業者から声をかけられ、業者の営業所まで連れていかれて、そこで教材を買わされました。これは、営業所での契約ですから、クーリング・オフはできないことになるのですか。
 クーリング・オフをすると、どうなりますか。

 あなたの場合も、クーリング・オフをすることはできます。あなたが遭った被害は、いわゆるキャッチセールス(同行型販売)と言われるものです。この方法による売買契約や役務提供契約も訪問販売の一つとされ(特定商取引に関する法律第2条2項)、これについてもクーリング・オフができるのです。

20 アポイントメントセールスの目的隠匿型呼出販売
 先日、私はある宝石屋さんから「抽選に当たりました。プレゼントを渡しますから、取りに来てください。」と言われて、その店にプレゼントをもらいに行きましたが、その際に格安だと言われて別の宝石も買ってしまいました。この契約をクーリング・オフすることはできますか。

 できます。
 あなたがかけられた商法は、いわゆるアポイントメントセールスの目的隠匿型呼出販売と言われるもので、この場合もクーリング・オフをすることができます。すなわち、特定商取引に関する法律施行令第1条1号で、「契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに、営業所その他特定の場所への来訪を要請すること」に当たる場合も、クーリング・オフができることになっております。

21 アポイントメントセールスの有利条件型呼出販売
 私の自宅に、「パソコンをあなただけ特別格安に売ってあげる。」という電気屋さんからの電話がかかってきたので、お店へ行ってパソコンを買ったのですが、この場合もクーリング・オフができますか。

あなたのかけられた商法はいわゆるアポイントメントセールスの有利条件型呼出販売と言われるもので、「多の者に比して著しく有利な条件で購入できる旨伝えて営業所等への来訪を要請すること(施行令1条2項)」に該当しますので、クーリング・オフができます。

ネガティブ・オプション

1 先日、私の自宅に小包が送られてきました。それを開いてみますと、写真集と手紙が入っていて、手紙には「購入しない方は1週間以内に返送してください。返送なきときは、購入されたものと扱います。」と書いていました。この場合は、放っておくとこの写真集を購入したことになるのでしょうか。
 あなたに写真集を送りつけてきた商法は、ネガティブ・オプションと言われるものです。無論あなたは写真集を購入したことにもなりませんし、購入しなければならない義務もありません。業者が勝手に送りつけてきたものですので、返送する義務もありません。では写真集はどうすればいいかですが、まず、郵送のあった日から数えて14日間そのままにして様子を見ることです。この間に、販売業者がその写真集の引き取りに来た場合は、返還しなければなりません。その期間が経過した後は、返還義務はなくなりますので(特定商取引に関する法律第59条)、販売業者が写真集の引き取りに来ても返還しないでもかまいません。あなたが廃棄してもよいし、自分の本箱に飾って所有物にしてもかまいません。なお、あなたが、事業者に対しその写真集の引き取りを請求した場合は、引き取りの請求の日から数えて7日を経過した以後は、返還義務はありません。

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