本文へスキップ

岡山で弁護士をおさがしなら菊池綜合法律事務所へ

TEL.086−231−3535
(受付時間 平日9:00〜17:00、土曜9:00〜12:00)

養子

ホーム弁護士菊池捷男の法律実務レポート 目次<養子



1 養子との離縁
 娘と養子が離婚したときは、養子との離縁を請求することができるか。
 夫の連れ子を養子にしたが、離婚した場合はどうか。

  • (1)私たち夫婦は、一人娘の結婚の相手を養子に迎え娘と結婚させましたが、娘夫婦は、先日離婚しました。そこで、私たち夫婦も養子と養子縁組を解消したいと思いますが、養子は将来私たちの相続人になり得る利益があるとの理由で離縁に応じてくれません。
    私たちの離縁は認められますか。
  • (2)娘は夫の連れ子を養子にしたのですが、夫との離婚を理由に、夫の連れ子との離縁を請求したいと考えているようです。
    離縁は認められますか。

(1)について 最高裁昭和46.5.21判決は、婿養子が婿入りした家において、婚姻・養子縁組後間もなく養父及び養母、その娘である妻との間に不和を生じ、一旦養家を出たのち、養親や妻を相手取って離婚及び離縁等の請求を行った事案で、婚姻関係並びに養親子関係の回復はまったく望めないとして離婚と離縁を認めました。
 神戸裁平成15.5.30判決は、婿養子と娘との離婚を認める以上、その2人の円満な婚姻関係の存続を前提としてなされた婿養子と娘の親との養子縁組についても離縁を認めるのが相当である、と判示しております。
  なお、戦前の旧民法時代は、「養子が家女と婚姻をなしたる場合において、離婚若しくは婚姻の取消ありたるとき」は、離縁の請求ができる(旧民法866条9号)とされ、娘と婿養子の夫婦関係の解消が養親子関係解消の絶対的原因となることが定められていましたが、現行民法では、このような規定はおかれていません。
  離縁は、民法814条で、
  • @他の一方から悪意で遺棄されたとき、
  • A他の一方の生死が三年以上明らかでないとき、
  • Bその他縁組を継続し難い重大な事由があるとき、
に請求できるのですが、昭和25年11月6日神戸地裁判決は、婿養子縁組につき養子が養親の実子と離婚している事実があっても、そのことだけで直ちに縁組みを継続しがたい重大な事由がある場合にはあたらないといっておりますが、前記最高裁判決事案では、婚姻関係並びに養親子関係の回復はまったく望めないとして離婚と離縁を認めております。

(2)の妻が夫の連れ子を養子にしたケースでは、夫婦間に婚姻を継続しがたい重大な事由があって離婚した場合は、夫の連れ子と妻との間にも縁組みを継続しがたい重大な事由があるとせられ、離婚が離縁の理由になることを認めた判例(昭和39年6月26日京都地裁判決)もあります。


2 死後離縁

 家庭裁判所の許可を得れば離縁することはできます。
 民法811条6項は、縁組みの当事者の一方が死亡した後に、生存当事者が離縁をしようとするときは、家庭裁判所の許可を得て、これをすることができる、と定めております。
 縁組みの当事者というのは、養親と養子のことです。養親と養子のうちのいずれか一方が亡くなった後に、生きている者からの離縁請求を家庭裁判所の許可を要件として認めているものです。
 この規定は、あなたが離縁を求めるときの理由のように、姓とか家の観念と深く結びついております。
 家制度のなくなった現行民法のもとでは、この規定が用いられることはほとんどありませんが、家とか姓とかに価値をおいている人にとっては、有効に使えるものであろうと思います。
 ところで、裁判所の許可ですが、例えば、養子が幼い子供を残して亡くなり、養親しか扶養する者がいないが場合に、養親がその孫の扶養を嫌がり、養子との離縁を求める場合など、酷な結果がでるような場合には許可がなされないと思いますが、あなたの場合は、だれをも害するものはなく、許可は得られるものと考えられます。

3 離縁  認知症の養親が離縁訴訟をする方法
 人事訴訟法14条は、「人事に関する訴えの原告又は被告となるべき者が成年被後見人であるときは、その成年後見人は、成年被後見人のために訴え、又は訴えられることができる。
 ただし、その成年後見人が当該訴えに係る訴訟の相手方となるときは、この限りでない。」と規定していますので、認知症の養親につき後見開始決定をしてもらい、後見人がついた後で、後見人が原告となって、離縁の請求をすることになります(調停前置になりますが)。
 民事訴訟法35条では「法定代理人がない場合又は法定代理人が代理権を行うことができない場合において、未成年者又は成年被後見人に対し訴訟行為をしようとする者は、遅滞のため損害を受けるおそれがあることを疎明して、受訴裁判所の裁判長に特別代理人の選任を申し立てることができる。」ことになっていますが、認知症の人が特別代理人を選任してもらって離縁訴訟を起こす便法は認められていません。
  すなわち、最高裁昭和33.7.25判決は、「およそ心神喪失の常況に在るものは、離婚に関する訴訟能力を有しない、また、離婚のごとき本人の自由なる意思にもとづくことを必須の要件とする一身に専属する身分行為は代理に親しまないものであつて、法定代理人によつて、離婚訴訟を遂行することは人事訴訟法のみとめないところである。
 同法四条(現行法:11条)は、夫婦の一方が禁治産者(現行法:成年被後見人)であるときは、後見監督人又は後見人が禁治産者のために離婚につき訴え又は訴えられることができることを規定しているけれども、これは後見監督人又は後見人が禁治産者の法定代理人として訴訟を遂行することを認めたものではなく、その職務上の地位にもとづき禁治産者のため当事者として訴訟を遂行することをみとめた規定と解すべきである。
 離婚訴訟は代理に親しまない訴訟であること前述のとおりであるからである。
 ・・・・・翻つて、民訴56条(現行法:35条)は、「法定代理人ナキ場合又ハ法定代理人カ代理権ヲ行フコト能ハサル場合ニ」未成年者又は禁治産者に対し訴訟行為をしようとする者のため、未成年者又は禁治産者の「特別代理人」を選任することをみとめた規定であるが、この「特別代理人」は、その訴訟かぎりの臨時の法定代理人たる性質を有するものであつて、もともと代理に親しまない離婚訴訟のごとき訴訟については同条は、その適用を見ざる規定である。
 そしてこの理は心神喪失の常況に在つて未だ禁治産の宣告を受けないものについても同様であつて、かかる者の離婚訴訟について民訴五六条を適用する余地はないのである。
 ・・・民訴五六条のごときその訴訟かぎりの代理人ーしかも、主として訴を提起せんとする原告の利益のために選任せられる特別代理人ーをしてこれに当らしめることは適当でなく、夫婦の一方のため後見監督人又は後見人のごとき精神病者のための常置機関として、精神病者の病気療養その他、財産上一身上万般の監護をその任務とするものをして、その訴訟遂行の任に当らしめることを適当とすることは論を待たないところである。」と判示していますので、意思能力を喪失した認知症に罹患した養親が離縁訴訟をする方法は、後見人が当事者となってすることになります。
 目次 次へ

ナビゲーション

専門家Webガイド マイベストプロ岡山

無料法律相談のお知らせ

    

事務所のご案内

【所在地】
〒700ー0807
岡山県岡山市北区南方1丁目8番14号

【業務時間】
平日 9:00〜18:00
土曜 9:00〜12:00
TEL 086-231-3535
FAX 086-225-8787


アクセスマップはこちら

携帯サイト

http://www.kikuchi-law.jp/m/
バーコードリーダーの機能を搭載している携帯電話で、QRコードを読み取り携帯サイトへアクセスしてください。
http://www.kikuchi-law.jp/m/