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目からうろこのイラスト相続 第2部 遺産分割(前半)

ホーム目からうろこのイラスト相続 目次<第2部 遺産分割(前半)3 特別受益

3 特別受益

@特別受益の範囲
A特別受益にならないものの例
B生命保険金は特別受益になるのか?
C贈与の価額はいつを基準に計算するのか?
D持戻し免除の必要性の検討


1 特別受益の範囲


 特別受益は、「遺贈」と「贈与」ですが、遺贈は、遺産分割方法の指定として特定の相続人が相続したものも含まれます(最高裁平成3.4.19判決・最高裁平成8.1.26判決)。
 「贈与」は、「婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として」の贈与に限られます(民903)。
 例えば、持参金、支度金、結納金などは「「婚姻若しくは養子縁組のための贈与」です。
 不動産、自宅建築のための現金その他ある程度まとまった現金や金額の張る財産は「生計の資本としての贈与」とみられます。

2 特別受益にならないものの例

・結婚式の費用(親の世間に対する社交上の出費としての性格を帯びるもの)
・相続人の借金の尻ぬぐい。
・学資(ただし、子供の間で不公平感がないものや、親の資産や社会的地位から当然だと思える範囲)
・扶養(病弱な子の将来の生活や病気療養費にあてるため贈与したまとまった現金などー東京家審昭47.11.15)。
・配偶者への財産の清算の意味と老後の扶養の意味での贈与

3 生命保険金は特別受益になるのか?

(1)原則として特別受益にもならない
 生命保険金については、相続財産にならないことはすでに解説しましたが、原則として、特別受益にもならないというのが判例です。

(2)特段の事情があれば、例外として特別受益になる
 しかしながら、生命保険金を受領した相続人だけが他の相続人に比べ有利になることについて、不公平になる面があることは否めません。
 そこで判例は、相続人間の「不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合」は、生命保険金も特別受益になるとしています(最決平16.10.29)。

(3)特別受益になることを認めた裁判例
 では、どのような場合に、相続人間の不公平が是認できないほどの特段の事情になるのかについては、その後、
@「生命保険金の受取人名義が途中で変更になっているが、変更の理由が明確ではない、変更の時期も不自然、新受取人は被相続人と同居していない、受取人が受け取る保険金額は合計1億0129万円、それに対し遺産の総額は1億0134万円」という事案で、その生命保険金は特別受益になるとの裁判例(東京高決平17.10.27)があります。このケースで、妻が受領した生命保険金が特別受益とされると、妻は、相続財産の中から分割を受けるもの(具体的相続分)はほぼ0になってしまいます。

A妻が取得する死亡保険金等の合計額は約5200万円であるのに対し、相続開始時の遺産価額の61パーセントを占めること、被相続人と妻との婚姻期間が3年5か月程度であることなどを総合的に考慮して、死亡保険金は特別受益になるとの裁判例(名古屋高平決18.3.27)もあります。

(4)生命保険金が特別受益にならないとされた否定例 「死亡保険金が782万円、相続財産が6997万円の事案」では、保険金は特別受益とは言えない(最決平16.10.29)。

4 贈与の価額はいつを基準に計算するのか?
 持戻し計算の対象になる「贈与」は贈与財産の評価金額になりますので、贈与財産はいつを基準に評価するのかということは問題になりますが、それは相続開始時です(民904)。


(1)土地を贈与したときの価額が100万円であっても、その後贈与者である被相続人が死亡して相続が開始したときその土地が1000万円の評価をしているときは、持戻し対象になる贈与の金額は1000万円になるのです。

(2)では現金の贈与を受けていた場合は?
 金銭の場合は、贈与時の現金価値を相続開始時の価値に修正されます。
 新潟家審昭41.6.9は、総理府(現内閣府)統計局編「家計調査年報」及び「消費者物価指数報告」に基づき贈与時の金額を相続時の金額に修正しました。
 東京小売物価指数により、相続開始時までの倍率を乗じて換算評価した事例もあります。
 学資が特別受益になる場合も、物価指数に連動させて、相続開始時の評価額の贈与があったとした例もあります。

(3)贈与財産が滅失した後で補償金を得た場合
 その場合は、その補償金を贈与されたものとみて、物価上昇率で修正した金額が贈与財産の価額であるとした裁判例(大阪地判昭40.1.18)があります。

5 持戻し免除の必要性の検討
 特別受益は、原則として、持戻し計算がなさます。
 これをしたくないと考えるときは、「遺贈」の場合は遺言で、贈与の場合は、遺言その他の方法で、持戻し免除の意思表示をしておかなければなりません。
 そのための遺言文例を書いておきます。
【遺言文例1】
私が、長男○男に贈与したA宅地については、持戻しを免除する。

【遺言文例2】
前項により、妻に相続させるB宅地については、持戻しを免除する。

【遺言文例3】
 これまで遺言者が生前に相続人に贈与した財産及び、この遺言によって相続人に相続させる財産は、すべて持戻し計算をしないでよい。
 残った財産についてのみ、前記相続分で分割すること。
 
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