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目からうろこのイラスト相続 第四部 遺言に関する概説

ホーム目からうろこのイラスト相続 目次<第四部遺言に関する概説 4 遺言による遺産分割の禁止

1 概説


1 遺言自由の原則

 遺言をしたい人は、いつでも自由に遺言が出来(民法961条)、いったんした遺言をいつでも自由に撤回できます(民法1022条)。
 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます(民法1023条)ので、抵触遺言を書くことで、遺言を撤回することもできます。


2 要式主義(民法960条)
 遺言の効力が生ずるのは、遺言者が亡くなったときです(民法985条)から、それまでに遺言が偽造された場合、遺言が本人の書いたものか偽造されたものかを本人に確認するすべはありません。
 そこで、法は、遺言をするときに、偽造防止などの目的で、厳格な方式を要求しています。
 方式の第1は、原則として、書面による、ことです。口頭遺言もありますが例外です。


3 遺言能力
 民法963条は「遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。」と規定し、遺言をするのに、一定の能力を要求しています。
 その能力は売買契約など法律行為をするのに必要な「行為能力」までは要求されず、「意思能力」で足りるとされています(判例・学説)。
 ですから、民法961条で、「15歳に達した者は、遺言をすることができ」、民法962条で、制限行為能力者(被保佐人や被補助人)は保佐人等の同意がなくとも自由に遺言が出来ることを定め、また、民法973条で、成年被後見人ですら、「事理を弁識する能力を一時回復した時において医師2人以上の立会い」のもとでなら、遺言が出来ることを規定しています。
 実務では、高齢者、とくに認知症にかかった人の遺言の効力が争われるトラブルが多数発生しています。


4 遺言事項
 遺言は何を書いても有効になる、というものではなく、法律上遺言で定めることができるものは、次の@ 〜 Nです(かっこ内の数字だけのものは民法の条文です)が、判例でOとPも遺言で定めることができるとされています。
 なお、★をつけたものは、遺言以外の方法(生前の行為)でもできるものです。
★@ 推定相続人の廃除・取消(892〜894)
 A 相続分の指定・指定の委託(902)
★B 特別受益の持ち戻しの免除(903B)
 C 遺産分割の方法の指定・指定の委託(908前段)
 D 遺産分割の禁止(908後段)
 E 共同相続人の担保責任の減免・加重(914.911)
F 遺贈の減殺の順序・割合の指定(1034但書)
★G 遺贈(964生前行為なら贈与549)
★H 一般財団法人設立のための寄付行為(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律164)
★I 信託の設定(信託法3)
★J 認知(781)
 K 未年者の後見人指定(839@)
 L 未成年後見監督人の指定(848)
 M 遺言執行者の指定・指定の委託(1006@)
★N 祖先の祭祀主宰者の指定(897@ 但書)
★O 生命保険金受取人の指定・変更(東高判平10.3.25)
 P 遺贈の委託(最判平5.1.19は、被選定者が限定されている場合は有効と判示)


5 遺言の解釈
 遺言の効力が問題になるときは、本人が亡くなった後です。
 そのとき、遺言の意味内容が分からないという場合があります。
 そのために遺言の解釈を巡って争い生じやすくなります。


6 遺言書の存否の調査方法
(1)筆証書遺言は、検認手続がなされ、このときに家庭裁判所より全相続人に通知があるので、知り得ます。
(2)公正証書遺言は、昭和64年1月1日以降作成されたものなら、すべてコンピューターで検索可能なので、最寄りの公証人役場で調べてもらい、どこの公証人役場で作成したかが分かれば、その公証人役場に直接、公正証書の謄本の請求が出来ます。


7 遺言作成の効用
@ 紛争の予防
A 法定相続分の修正


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