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目からうろこのイラスト相続 第五部 遺言事項

ホーム目からうろこのイラスト相続 目次<第五部 遺言事項 1 相続分の指定

1 相続分の指定

   

遺言事項は数多くありますが、 本書では、使用頻度の高い「相続分の指定」「遺産分割方法の指定」「遺贈」について解説します。


1 指定相続分
 民法902条1項本文は、・・「被相続人は、・・・遺言で、共同相続人の相続分を定め・・・ることができる」と規定しています。
 遺言によって相続分の指定ができるのです。遺言によって指定された相続分は「指定相続分」と言われます。

 例えば、相続人が妻と長男と長女の場合は、法定相続分は、妻が1/2、長男と長女が各1/4ですが、遺言書に「妻の相続分を3/5、長男の相続分と長女の相続分をそれぞれ1/5と指定する。」と書いてあると、妻の相続分は3/5、長男と長女の相続分は各1/5になりますが、これが「指定相続分」です。
 指定相続分は法定相続分に優先します。


2 遺留分を侵害した場合の効果
⑴ 民法902条1項ただし書きは、相続分の指定につき、「ただし、被相続人・・は、遺留分に関する規定に違反することができない。」と規定しています。
 遺留分とは、遺言者の意思によっても侵害してはならない相続人固有の権利を言い、
兄弟姉妹以外の相続人のうち、

①直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の1/3

②それ以外の場合 被相続人の財産の1/2が、遺留分になり、

兄弟姉妹には遺留分が認められていません(民法1028条)。

これを各相続人の法定相続分を基準に考えますと、
直系尊属のみが相続人になる場合は、法定相続分の1/3,その他の相続人の場合は、法定相続分の1/2が遺留分になります。

⑵ 遺言による相続分の指定は、たとえ、それによって他の相続人の遺留分を侵害するものであっても有効です。しかし、遺留分の侵害を受けた相続人から、遺留分減殺請求がなされますと、指定相続分は修正を受けることになります。
 例えば、特別受益がないときで、相続人が妻と長男と長女の場合に、遺言書に「妻の相続分を4/5、長男の相続分と長女の相続分をそれぞれ1/10と指定する。」と書いてあれば、長男と長女の遺留分は、1/4×1/2=1/8ですから、長男と長女の遺留分を侵害することになります。
 この場合、長男又は長女が遺留分減殺請求をしますと、その相続分は遺留分まで回復することになるのです。
 これを図で示しますと、
 長男と長女は、法定相続分1/4が遺言による相続分の指定で1/10に修正され、その後遺留分減殺請求によって1/8までは回復できるのです。


【相続分の指定の遺言文例】
1項 遺言者は,次のとおり相続分を指定する。
  妻 ○○○○(生年月日)  8/32
  長男○○○○(生年月日) 16/32
  弍男○○○○(生年月日) 2/32
  長女○○○○(生年月日) 3/32
  弍女○○○○(生年月日) 3/32
2項 二男に生前与えた贈与については、持戻しを免除する。
3項 長男は遺言者を助けて家業に従事し,

遺言者の死後は家業を承継する立場にあること,
二男には自宅の建築資金を贈与していること、
長女,弍女はいずれも結婚して経済的にも恵まれていることなどを考慮し,
遺留分を侵害しない限度において,右のように相続分を定めた次第である。


【解説】

 1項は普通の「相続分の指定」の文言です。
 相続分の指定は、法定相続分を修正することが目的のもので、法定相続分と同じく、割合で表示されます。
 2項を設けた理由
 二男へ生前贈与している場合は、1項の相続分だけではその割合が生前贈与分を含んだ「みなし相続財産」に対する割合なのか、生前贈与分を除いた「相続財産」に対する割合なのかが明確でないので、その点を明確にしたものです。
 3項を設けた理由
 1項のままでは、長女、次女の納得が得られないかもしれないので、その理由を書いたものです。これは遺言事項ではありませんが、相続人へのメッセージとして意味のある文章なのです。



【相続分の指定の委託の遺言文例】
1項 遺言者は,相続人全員につきその相続分の指定をすることを,次の者に委託する。
住  所
職  業
氏  名
生年月日
2項 遺言者は,遺言者の相続人らの経済状態,
年齢その他の事情を考慮して,実質的に適正公平に指定することを希望する。
【解説】
 実務では極めて少ない事例ですが、相続分の指定を第三者に一任することも可能です。
 ただし、相続人の1人に相続分の指定を委託することは、無効になるとされています(東高判昭57.3.23判決は遺産分割の方法の指定の委託に関し判示)。


3 問題点
 相続分の指定だけでは、遺産分割の協議や遺産分割の審判は必要です。
 そうなれば、遺産分割をめぐるトラブルの発生リスクはなくなりません。
 遺産分割をしなくともすむ遺言を書きたければ、後述の特定遺贈や遺産分割方法の指定の遺言事項を書かなければなりません。


4 遺言執行者は不要
 相続分の指定は、それによって相続分が指定相続分どおりになる、という効果が生ずるだけですので、遺言執行者は必要ありません。
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