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目からうろこのイラスト相続 第六部 実践的遺言文例

ホーム目からうろこのイラスト相続 目次<第六部 実践的遺言文例 2-3 妻の老後の安心・安定した生活を願う場合の遺言文例 2例

2-2特定の相続人1人だけに全財産を相続させたいとき


[その1] 所有権と使用権を分離する遺産分割方法の指定

 家庭裁判所の審判例(東家審昭52.1.28は、土地建物を配偶者に取得させ、配偶者から子に建物を賃貸させるもの、高松高決昭45.9.25は、敷地部分をAに、建物をBに遺産分割として与えた上で、Bに審判確定の日より20年間敷地を無償で使用させるもの)もありますが、遺言で指定することも当然可能です。
 もっとも、多くの場合は負担付き相続になります。 このような遺言は、財産が限られていて、現物分割が困難、かつ、相続人の全員が、経済的その他の理由で代償金の支払いも困難、という場合の智恵と言って良いでしょう。
 例えば、先妻の子と後妻が相続人の場合で、遺産は預貯金と自宅のみという場合の、自宅使用権設定の遺言などが考えられます。
【遺言文例】 長男と後妻が相続人である場合
   一 私は、妻○子が老後安心して生活できるように、
   預貯金のすべてと自宅において終生無償で(固定資産税の負担もなく)生活できる
   自宅建物の使用貸借上の権利を相続させる。

   二 長男には、下記の土地建物(自宅)を、
   妻○子に前項の使用貸借上の権利を与える負担付きで、相続させる。
   なお、自宅の修繕が必要になったときは、長男が負担すること。

   三 私の本意は、妻の老後のため、すべての遺産を妻に相続させることにあるが、
   長男には遺留分の権利があるので、それを考慮して、以上を遺言する。
   長男は、私の本意を尊重し、なさぬ仲ではあろうが、
   妻の死後は自宅は完全に長男のものになるのであるから、
   我慢し、さらに妻に孝養を尽くして欲しい。

【上記遺言を書く理由】
妻に全財産を相続させる遺言を書くと、長男の遺留分を侵害することになり、長男が遺留分減殺請求権を行使すると、長男が自宅の土地建物の1/4の権利を取得して妻と共有することになります。その場合の共有は遺産共有の状態ではなく、通常の共有物における共有になるというのが判例ですので、長男から共有物分割請求がなされたときは、妻は自宅に住めなくなる可能性があるのです。それは、共有物分割請求の場合、遺産分割の場合と違って、妻に使用貸借権の設定という分割方法は認められていないからです。
そのために、長男から遺留分減殺請求権を行使させないことを狙いに、遺言文例のような遺言を書く必要があるのです。


[その2] 子の中の特定の者(例えば、長男)に、
妻の扶養・看護という負担をつけて、相続財産の多くを相続させる方法


【遺言文例】
 第1条 私は、長男が適宜の方法で妻の存命中妻に必要な安心・安定した生活
   (妻が自宅に無償で居住できた上に、本遺言書を書いた日現在の物価水準で
   月額最低○○万円の生活費を使うことができる程度の生活)をさせ、
   かつ妻が介護を要するに至ったときは誠心誠意その介護をすることを、
   長男の負担として、全財産を長男に相続させる。

   第2条 私は、次の者を遺言執行者に指定する。
     住所・・・
     氏名・・・
     生年月日・・・

   第3条 遺言執行者には、長男がこの遺言に従い妻の生活と要介護状態に
   至ったときの介護を十分にするよう監督することを求める。
   長男は、最低月1回は妻の生活並びに介護状況を遺言執行者に報告し、
   遺言執行者から請求があれば、いつでも妻の生活・介護の内容を遺言執行者に
   報告をしなければならない。

   第4条 遺言執行者並びに他の相続人は、長男が負担した義務を履行しないときは、
   相当の期間を定めてその履行の催告をなし、それでも長男が履行をしないときは、
   その負担付相続に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求しなければならない。

   第5条 前条により、負担付き相続に関する遺言が取り消されたときは、
   財産はすべて妻に相続させる。

   第6条 妻は、前条により負担付き相続が取り消されるまでに、長男が、
   妻のために負担を履行してきた分の費用を、相続財産の中から、
   長男に償還しなければならない。
   その金額について、妻と長男が合意できないときは、遺言執行者に解決を一任する。
   
【解説】負担付き相続の意味
1 負担付相続とは、受遺者に一定の法律上の義務を負担させる相続分の指定又は遺産分割方法の指定のことを言います。

2 負担の内容は、一義的に明確な内容にする
負担は、いつからいつまでの間、毎月30万円の生活費を支払う、などと具体的に明確に書く方が、トラブルは起こりにくいと言えます。

3 負担の履行請求権
負担付き相続をする相続人が負担を履行しないと、他の相続人や遺言執行者から、当該相続人に対し、負担の履行を求めることができます。近時の有力説は、受益者(ここでは妻)からも受遺者に対し、負担の履行を請求することができると解しています。

4 負担付遺贈に係る遺言の取消し
民法1027条は、「負担付遺贈」に関する規定ですが、負担付き遺贈を受けた者がその負担した義務を履行しないときは、相続人は、相当の期間を定めてその履行の催告をすることができ、さらに、その負担付遺贈に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができる。」と定めています。相続の場合も、同じと考えられています。


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