要点解説 令和時代の相続法

 

令和時代の相続法

著者  弁護士 菊池捷男

発行所 現代書林

定価  1300円+税

2019年7月15日初版第1刷



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改正相続法の施行
 平成30 年7 月6 日 民法第5 編 相続 (以下、「相続法」といいます。)が大きく改正され、改正相続法は、元号が代わった令和元年7 月1 日から施行されました(ただし、配偶者居住権及び配偶者短期居住権に関する規定は、令和2 年4 月1 日から)。
 そこで、私は、この改正を踏まえた相続法を、分かりやすく、要点を絞って、簡潔に、解説すべく、本書を出版するしだいです。
 改正法は、①時代のニーズに応えて新しい制度を設けたもの、②判例を条文にしたもの、③意味を誤解させた条文の文を改めたもの、などからなっていますので、一般の人も、条文を読むだけで、相当程度理解ができるようになっています。
条文を読む(木を見る)
これが、法律を理解する上で、最も近い道です。特に、民法第5 編に
まとめられた相続法は、民法第1 編の総則、第2 編の物権、第3 編の
債権と違って、字句は難解ではなく平易ですので、一読するとよいと思
います。…
 法は、一つの大系をなしています。個々の条文も、法大系の中で、いかなる意味を有するのかを考えて読まないと、木を見て森を見ずの弊に
陥ることになりかねないのです。
 その意味で、法律を知るには、全条文を読むことが肝要です。
 本書に書いた相続法の条文と解説は、一つの読み物として、一気に読むことができると考えます。


内容
はじめに
第1章 総則

1 相続開始の原因
1-1 失踪宣言
1-2 同時死亡
2 相続開始の場所
2-1 家事事件手続法の裁判管轄
3 相続回復請求権
3-1 本条のミソは、被告となる者に、消滅時効の利益を与えたところにあり
3-2 相続回復請求権を行使できる者の範囲と判例
「判例が出され、争いに終止符が打たれた」という意味
4 相続財産に関する費用
4-1 相続財産に関する費用の意味
4-2 相続人には相続財産に関する費用を支払う固有の義務はない
4-3 相続財産に関する費用の中身
4-4 相続財産に関する費用ではないもの
特記 相続財産ではない財産

第2章 相続人
1 胎児の権利能力
1-1 二つの見解の対立
2 子及びその代襲相続人の相続権
2-1 代襲相続の意味
3 直系尊属及び兄弟姉妹の相続権
3-1 直系尊属が相続人になる場合、「親等の異なる者の間では、その近い者を先にする」という意味
3-2 第三順位者である兄弟姉妹については、法は、再代襲は認めていない
4 配偶者の相続権
法律上の配偶者に限られる
5 相続人の欠格事由
相続人欠格者の子に代襲相続が認められる
5-2 本条(相続人の欠格事由)を準用している規定
6 推定相続人の廃除
6-1 相続開始前の廃除請求
6-1-1 相続をさせたくない子や配偶者や直系尊属
6-1-2 推定相続人のうち第3順位の兄弟姉妹を対象外にした理由
6-1-3 本条(推定相続人の廃除)を準用している規定
6-2 遺言による推定相続人の廃除
6-2-1危害を加えられないでできる道
6-2-2 遺言執行者は必ず、推定相続人の廃除請求をしなければならない
6-3 推定相続人の廃除の取消し
6-4 推定相続人の廃除に関する審判確定前の遺産の管理
第3章 相続の効力 第1節 総則
1 相続の一般的効力
2 祭祀に関する権利の承継
2-1 実務の扱い
3 共同相続の効力
(1)遺産共有
3-1 共同相続の意味と遺産共有
3-2 遺産共有の解消方法
3-3 可分債権は例外
3-4 預貯金債権は、可分債権ではなく、遺産分割の対象になる
(2)相続分に応じた権利義務の承継
3-5 遺産も債務も同じ割合
4 共同相続における権利の承継の対抗要件
4-1 改正前における考え方
  第2節 相続分
1 法定相続分
1-1 相続人の法定相続分
(1)配偶者と子・直系尊属・兄弟姉妹の割合
(2)同順位の相続人が複数いる場合
法定相続分の機能
1-2 代襲相続人の法定相続分
1-2-1 被代襲者の相続分をその子らが分け合ったもの
2 遺言による相続分の指定
2-1 遺言の内容は、時代の思潮を映す
2-2 遺言による相続分の指定
2-3 遺産分割方法の指定(特定財産承継)遺言が、相続分の指定にも解される場合
3 相続分の指定がある場合の債権者の権利の行使
3-1債権者への配慮を示した判例
4 特別受益者の相続分(具体的相続分)
4-1( 1項関係)持戻しの意味
4-2 特別受益とは何か
4-3 何故、持戻しをするのか
4-4 遺贈の中身
4-5 贈与の中身
4-6 生命保険金が特別受益になる場合
4-7 具体的相続分という用語
4-8 持戻免除の意味と方法
5 持戻免除の意思表示の推定規定の創設
5-1 改正法の目玉規定
5-2 税制上の優遇措置もある
6 特別受益の評価の基準時
7 寄与分
7-1 寄与分の意味
8 相続分の譲渡と取戻しの権利
8-1 譲渡可能
8-2 本条でいう「相続分」とは何か?
8-4 相続分は放棄も可能
8-5「 相続分の放棄」は「相続放棄」とは違う
  第3節 遺産分割
1 遺産分割の基準
2 相続開始時にはあったが、遺産分割時までに処分された遺産についての基準
2-1 改正前の法理
2-2 処分した相続人の同意を不要とした2項の意味
2-3「 処分」の意味
2-4 存在しない遺産を、具体的には、どう分割するのかという問題
2-5 その結果としての遺産分割例(改正前と改正後比較)
3 遺産の分割の協議又は審判等
遺産の一部についての分割の必要性
4 遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止
4-1 いわゆる「相続させる」遺言
4-2 遺産分割方法の指定遺言とは
4-3 遺産の分割の方法を定めることを委託する遺言
4-4 遺産分割禁止遺言
5 遺産分割の効力
5 -1「 ただし、第三者の権利を害することはできない」の意味
5-2 遺産分割の時までに生じた果実の帰属者
6 遺産分割前における預貯金債権の行使
6-1 預貯金債権をめぐる判例の変転
6-2 預貯金の払戻しを必要とする事情
6-3 昭和29年の判例は生きている
6-4 可分債権も全相続人が同意すれば遺産分割の対象になしうる
7 相続の開始後に認知された者の価額の支払請求権
8 共同相続人間の担保責任
第4章 相続の承認及び放棄
  第1節 総則
1 相続の承認又は放棄をすべき期間
1-1 熟慮期間
2 相続財産の管理
3 相続の承認及び放棄の撤回及び取消し
 第2節 相続の承認
第1款 単純承認
単純承認と法定単純承認
第2款 限定承認
限定承認
1-1 熟慮期間
  第3節 相続放棄
1 相続放棄の方式その他
第5章 財産分離
前注
1 相続債権者又は受遺者の請求による財産分離
1-1 手続規定
2 相続人の債権者の請求による財産分離
第6章 相続人の不存在
1 相続財産法人の成立
2 相続財産の管理人の選任
3 手続規定
4 特別縁故者に対する相続財産の分与等
第7章 遺言
  第1節 総則
1 遺言の方式と遺言能力
1-1 遺言能力
2 包括遺贈及び特定遺贈
2-1 種類
2-2 受遺者
2-3 債務の承継の有無
2-4 タダより高い物はない、こともあるので注意
2-5 胎児への遺贈も可能
2-6 相続人ならば相続人資格を失う者への遺贈は無効
3 被後見人の遺言の制限
3-1 適用対象者
  第2節 遺言の方式
  第1款 普通の方式
1 普通の方式による遺言の種類
1-1 遺言書保管法
2 自筆証書遺言
2-1 他人の添え手があっても自書と認められる場合の要件
2-2 押印する印鑑は、認め印でもよく、拇印でもよい
2-3 押印に代えて花押を書くことはできない
2-4 自筆証書遺言が、数枚(数葉)にわたる場合、契印が必要か?
3 公正証書遺言
3-1 口のきけない人が公正証書遺言をつくる場合の特則規定
4 秘密証書遺言
4-1 口のきけない人のための秘密証書遺言の方式の特則
5 成年被後見人の遺言の方式
6 証人及び立会人の欠格事由
7 共同遺言の禁止
  第2款 特別の方式
1 死亡の危急に迫った者の遺言その他
  第3節 遺言の効力
1 遺言の効力の発生時期
2 遺贈の放棄と承認に関する規定
3 包括受遺者の権利義務
3-1 相続人と同一の権利義務の承継の意味
3-2 代襲遺贈はない
4 受遺者の担保請求権
5 受遺者による果実の取得
5-1「 遺贈の履行を請求することができる時」という言葉の意味
6 遺贈義務者による費用の償還請求
7 受遺者の死亡による遺贈の失効
8 遺贈の無効又は失効の場合の遺産の帰属
9 相続財産に属さない権利の遺贈
10 不特定物の遺贈義務者の担保責任
11 遺贈の物上代位
12 負担付遺贈
  第4節 遺言の執行
1 遺言書の検認
2 遺言執行者
2-1 遺言執行者の指定
2-2 遺言執行者の任務の開始
2-3 遺言執行者に対する就職の催告
2-4 遺言執行者の欠格事由
2-5 遺言執行者の選任
2-5-1 改正前にあった謬説の一つ
3 遺言執行者の権利義務
3-1 遺言執行者の相続財産目録調製義務
3-1-1 謬論
3-2 遺言執行者の権利義務と遺贈の履行
3-2-1 遺贈の遺言執行
3-3 相続人の遺言執行妨害禁止義務
3-4 特定財産に関する遺言の執行
3-4-1 改正法で、特定財産承継遺言に関する遺言執行者の権限規定(第1014条第2項および第3項)が置かれるまでの経緯
3-4-2 遺産の分割の方法を定めた遺言→特定財産承継遺言
4 預貯金に対する権限も付与
4-1 実務の慣習を承認したもの
5 遺言執行者の行為の効果
5-1 改正前の条文とそこから生まれた謬説と謬論
5-2 遺言執行者実務の混乱と文言の改正
5-3 旧規定の文言「遺言執行者は、相続人の代理人とみなす。」は、立法上の不備であったこと
6 遺言執行者の復任権、辞任・解任、報酬について
  第5節 遺言の撤回及び取消し
6-1 遺言者に赤色のボールペンで斜線を引いたケース
6-2 遺言を撤回した行為を撤回し、元の遺言の効力を維持したい意思が表れた遺言の場合
6-3 死因贈与契約も撤回ができる
6-4 負担付死因贈与契約の場合で受贈者がすでに負担を履行したときは、撤回できない
6-5 負担付遺贈が、和解によるものであるときは、撤回できない
第8章 配偶者の居住の権利
  第1節 配偶者居住権
1 配偶者居住権
1-1 建物の全部についての権利
1-2 配偶者居住権制度が創設された背景
1-3「 妻に配偶者居住権を相続させる。」と書いた遺言は無効だという説
1-4 配偶者居住権の評価問題
2 審判による配偶者居住権の取得
3 配偶者居住権の存続期間
4 配偶者居住権の登記等
5 配偶者による使用および収益
6 居住建物の修繕等
7 居住建物の費用の負担
8 居住用建物の返還等
9 使用貸借及び賃貸借の規定の準用
  第2節 配偶者短期居住権
1 配偶者短期居住権
1-1 趣旨
2 配偶者による使用
3 配偶者居住権の取得による配偶者短期居住権の消滅
4 居住建物の返還等
5 使用貸借等の規定の準用
第9章 遺留分
1 遺留分の帰属と遺留分割合
2 遺留分を算定するための財産の価額
3 贈与の範囲
4 負担付贈与がなされた場合の価額
5 遺留分侵害額の請求
6 受遺者又は受贈者の負担額
7 遺留分侵害額請求権の期間の制限
8 遺留分の放棄
第10章 特別の寄与
1 特別の寄与
特筆コラム
改正法は、日弁連の遺言執行者観を完全否定
〜日弁連・千年の光と十有余年の闇〜
1 待望久しかった民法1015条の改正
2 遺言執行者を、遺留分権利者(相続人)の代理人だという日弁連・懲戒委員会議決
3 日弁連・総会、13年議決の論点①と②を明確に否定
(1)①と②の論点についての日弁連・総会決議に見られる弁護士の総意
(2)遺言執行の内容に裁量の余地がある場合とない場合の意味
(3)新規程の解釈を13年議決事件に適用すると
4 遺言執行者を、遺言無効訴訟を起こした相続人の代理人だという日弁連・懲戒委員会18年議決
5 遺言執行者を、相続人廃除の対象になった相続人の代理人だという21年議決
6 法律論とは言えない法律論を唱えた日弁連・懲戒委員会議決
7 学説や判例のいう遺言執行者観
(1)学説の説くところ
(2)判例の説くところ
8 日弁連・懲戒委員会議決が引き起こした遺言執行者実務の混乱
9 日弁連千年の光と十有余年の闇

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